回転翼の特性


PJ

ベルヌイの定理

定理としては近年は正しくないとされる意見も出ているが

翼の上下それぞれの表面を流れる空気の流速差によって生じる圧力差から揚力が発生する現象を指している。

固定翼機では進行方向への前進によりベルヌイの定理による揚力を得る

回転翼機では軸を中心にプロペラを回転させることで空気の分断を行いベルヌイの定理による揚力を得る

マルチコプターのプロペラについて解説します。

回転翼の揚力 長径 < 揚力  >> 小径
1枚のプロペラを回転軸を中心に回転させるとき 軸から近い内側の翼部分と、軸から遠い外側から翼端までの翼部分に分けて揚力の発生を考えるとその揚力は同じではありません。
まず回転軸が同じなので回転速度は同じですが翼が風を切る速度には違いがあります。
翼の外側へ行くほど高速回転になります。
つまり翼端が最も高速で風を切り 最も揚力を発生させています。
それはより長径のプロペラほど回転半径が大きく円周が大きくなることから揚力も大きく強く生み出します。


ドローンの代名詞的なマルチローター機の特徴としてプロペラが短い(小アスペクト比)

  ↓                      ↓                              

揚力が小さい            最大揚力の発生エリアが中心軸により近い

  ↓                      ↓ 

    気 流 の 影 響 を よ り 受 け に く い        

  ↓                      ↓ 

    操 縦 が よ り 簡 単 

  ↓       

ペイロードが小                   


                         

↑↑↑↑

揚力を大きくするには

↑↑

アスペクト比を大きくする ⇒ プロペラを長いものに変更する↑↑

揚力が大きくなり ドローンのペイロードが大きくなる

↑↑

最大揚力の発生エリアが中心軸からより遠くなる(バランス安定が弱くなる)↑↑気流の影響をより受けやすくなる

↑↑

気流を学ばずに操縦することは困難となる ⇒ 気流を学び利用することで効率よくかつ、より安全策を得た操縦が可能


気流 地球上には必ず風が発生しているすべてのスカイスポーツは風と共存している。
それは航空機の飛行とは大きく異なる。
ドローンが輸送に必要な揚力を得ることを目的とすれば翼を、回転翼機のプロペラを長く、それはアスペクト比が大きくすることが要求され、同時に風との共存を真摯に向き合って学ぶことが必要とされてきている。
スカイスポーツ由来 風の理論

小型ドローン(マルチローター型) ⇒ ペイロード小 気流の影響を受けにくい     
飛行空域   ⇒ スカイスポーツと同様の対地高度 空港のように整備されていない遮蔽物の多い飛行エリアを飛行している

大型ドローン(マルチローター型含み、特に固定翼型) ⇒ ペイロード大 気流の影響を大きく受ける 

                            スカイスポーツの知識、飛行理論が適している ⇔ 必須である
飛行空域   ⇒ スカイスポーツと同様の対地高度 空港のように整備されていない遮蔽物の多い飛行エリアを飛行している

回転翼は必ず左右どちらへ回転するかという必須条件が存在する。
翼が回転することにより空気を吸い込む側、それを吹き出す側が存在する。
その反動により揚力または推進力を得るが、副産物として回転軸に対して回転方向とは逆方向へ捩じる力(トルク)が発生する。これを反転トルクと呼称する。
航空機では単発プロペラ機ではその反転トルクの制御を要する。
軽飛行機では機首に単発プロペラを搭載する場合、機首の延長方向(進行方向)に対して回転軸をアンチ反転トルク方向へズレを与えて設計する。その角度は回転翼の長さ、アスペクト比により反転トルクの力も同時変化するためプロペラ性能に合わせる。
シングルローターのヘリコプターでは尾翼に制御ローターを搭載する。
それ以外の方法は軽飛行機もヘリコプターも左右回転方向の異なる双発プロペラ機にすることで互いのプロペラの発する反転トルクを打ち消し合う効果を有している。
マルチロータードローンではその技術を応用し、偶数のプロペラを与えることで反転トルクを打ち消している。