副会長の高橋大地です。2025年9月に奈良県にて開催された第63回日本生物物理学会年会において、生物物理若手の会は「生物物理学会年会前夜祭2025」と若手の会シンポジウム「若手の会が紡いだ生物物理学のフロンティア」という2つの関連企画を主催しました。本稿では、両イベントで企画責任者を務めた私の立場より、当日の様子をお届けさせていただきます。
年会開催前日である9月23日(火・祝)に、年会と同じ会場である奈良県コンベンションセンターにて開催されました。本イベントは、昨年京都で開催された「国際純粋および応用生物物理学連合会議2024 (IUPAB2024)」の関連企画として開催された前夜祭イベント”IUPAB eve fest.”[1,2]の盛り上がりを継承する形で企画されたものになります。
当日は、世代をまたいだ89名の方に全国各地からご参加いただきました。本年度の前夜祭は、新津藍先生(理化学研究所)による招待講演、参加者交流企画~The Best of Us~、参加者によるポスター発表、懇親会のプログラムで構成されました(図1)。招待講演では、新津先生が携わってこられた膜タンパク質のde novoデザインの研究のお話を軸に、多様な分野を経験されたからこそ培われた「総合格闘技」的な研究スタイル、留学やライフイベントのご経験を交えたキャリアプランなど、非常に学びの多いお話をいただきました(図2)。参加者交流企画では、参加者自身の研究の話に加え、趣味や将来の夢など、多様な話題で初対面同士の参加者間で大いに盛り上がりました(図3)。ポスター発表には様々な分野から54件の演題登録があり、セッション終了のギリギリまで各所で議論が交わされていました。その中で、参加者の投票によって選ばれた以下の方々にポスター賞を授与させていただきました(図4)。
・ダイバーシティ特別賞:市田光様 (金沢大学)
・優秀賞:千葉元太様 (東京大学)、市田光様 (金沢大学)、橋本大輔様 (東京大学)
・最優秀賞:延山知弘様 (京都大学)
今年の前夜祭も、昨年に劣らない盛り上がりを博し、その熱い交流は懇親会の最後の瞬間まで続きました(図5)。結果として、参加後アンケートにて5段階評価で4.4の参加満足度をいただくこととなりました。この前夜祭が、参加者皆様にとって新たなつながりを生むきっかけとなり、翌日から開催された第63回年会をより楽しんでいただくきっかけになっていましたら幸いです(図6)。
生物物理学会年会前夜祭2025は、以下14名のスタッフにより運営されました。普段の研究活動や他の若手の会業務、年会での発表準備などで多忙な中、前夜祭を盛会に導いてくれたことにこの場をお借りして御礼を申し上げます。
図1: 生物物理学会年会前夜祭2025の宣伝ポスター
図2: 新津藍先生による招待講演の様子
図3: 参加者交流企画~Best of Us~の様子
図4: ポスター発表にて最優秀賞を受賞された延山知弘様
図5: 生物物理学会年会前夜祭2025懇親会の集合写真
図6: 生物物理学会年会前夜祭2025全体の集合写真
【運営スタッフ一覧 (学年と所属は2025年9月当時)(2つ目のカッコ内は役職)】
高橋大地 (岡山大学 特別研究員PD) (実行委員長)
前田皓丞 (北海道大学 B4) (事務局)
目黒瑛暉 (名古屋大学 M2) (事務局)
中島大地 (東北大学 D2) (企画)
山田哲平 (岡山大学 D2) (企画)
晏晞 (京都大学 D2) (企画)
林泰瑶 (京都大学 M2) (企画)
竹森健太 (九州工業大学 M2) (企画)
藤井真子 (神戸大学 D1) (広報デザイン)
吉川一歩 (北海道大学 D1) (広報デザイン)
小松愛華 (神戸大学 M1) (広報デザイン)
畑中涼 (京都工芸繊維大学 M2) (講演)
金森智士 (大阪公立大学 M2) (懇親会)
高嶋太陽 (芝浦工業大学 M1) (写真撮影)
年会初日である9月24日(水)の18:50より開催されました(図7)。本シンポジウムは、生物物理若手の会の発展を振り返るとともに、これまで若手の会に中心的に携わってこられた方の研究のお話をじっくりお伺いするというコンセプトで開催しました。それにのっとって、合計100分の時間内に、過去8年間で会長および夏の学校校長を務められた7名にご登壇いただきました。当日は遅い時間帯ながら、若手の会関係者に留まらず多くの方にご参加いただき、非常に闊達な議論をいただきました。本シンポジウムが、多くの皆様に生物物理若手の会について知っていただく機会になっていれば幸いです(図8)。
【登壇者一覧 (所属は2025年9月当時) (2つ目のカッコは若手の会での主要な役職)】
柴垣光希 (北海道大学) (第64回夏の学校校長・2025年会長・2023年北海道支部長)
水鳥 律 (名古屋工業大学) (第65回夏の学校校長)
高橋大地 (岡山大学) (第63回夏の学校校長・2024年会長・2025年副会長・2022年関西支部長)
秋山健太郎 (産業技術総合研究所) (第61回夏の学校校長)
石坂優人 (ゲッティンゲン大学) (第60回夏の学校校長・2021年会長・2018-20年北海道支部長)
山内仁喬 (京都大学・Matlantis株式会社) (第58回夏の学校校長・2019年会長)
工藤 恒 (神戸大学) (2018年会長・2016-17年関東支部長)
【座長 (所属は2025年9月当時) (2つ目のカッコは若手の会での主要な役職)】
柴垣光希 (北海道大学) (第64回夏の学校校長・2025年会長・2023年北海道支部長)
藤井真子 (神戸大学) (2024-25年副会長・2026年会長)
図7: 若手の会が紡いだ生物物理学のフロンティアの宣伝ポスター
図8: シンポジウム登壇者の集合写真
(敬称略で左から水鳥、石坂、山内、工藤、高橋、柴垣、藤井、秋山)
生物物理学会年会前夜祭2025は、日本生物物理学会の共催の下で開催されました。また、前夜祭運営開始から当日運営までご協力いただいた日本生物物理学会理事の小島慧一先生(岡山大学)と喜多俊介先生(北海道大学)、本関連企画の開催機会をいただいた第63回年会実行委員長の高田彰二先生(京都大学)と副実行委員長の寺川剛先生(京都大学)に深く感謝申し上げます。最後に、年会開会前および初日の遅い時間帯にも関わらず、これらイベントにご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。
[1] 島添將誠 『若手の会だより ~IUPAB eve fest.開催報告~』 生物物理, 64(4):332-333 (2024).
[2] 高橋大地 『IUPAB eve fest. 開催報告』 生物物理若手の会HP, https://sites.google.com/view/bpwakate/%E6%B4%BB%E5%8B%95%E5%A0%B1%E5%91%8A/iupab-eve-fest-%E9%96%8B%E5%82%AC%E5%A0%B1%E5%91%8A?authuser=0 (2025/10/01 閲覧)