関東支部セミナーとは
生物物理若手の会 関東支部では、 講師の方をお招きしてセミナーを開催しております。セミナーについての詳しい情報はセミナーの案内をご覧ください。
次回のセミナー
[日時] 2026年6月24日(水) 16:00 - 17:30
[会場] オンライン(Zoom)
参加される方は こちら(Google Form) よりご登録ください。
[講演者] 鵜殿 寛岳 さん
[講演者所属] 東京科学大学 総合研究院 化学生命科学研究所 特任助教
[題目] DNA液滴マイクロ流体の光制御と非平衡ダイナミクス
[概要] マクロファージのような動的生命体の再構築は、近年ホットな合成生物学的トピックの一つである。その実現には、(1) 選択的な分子認識能、(2) 分子レベル反応を流体挙動へ変換するマルチスケール性、(3) 非平衡反応駆動、などが重要となる。人工細胞の筐体としては脂質膜で区画化された構造体が主流である一方、近年では、生体分子の液–液相分離によって形成される膜なし凝縮体にも注目が集まっている。特に、DNAやRNAなどの合成核酸分子が自己集合して形成する核酸分子液滴は、上記機能を実現する有力な素材である。本セミナーでは、発表者らの論文(Udono et al., Nature Communications, 2025)をもとに、DNA液滴の微小流体挙動の光制御を中心に紹介する。DNAの熱力学的物性が流体現象に与える影響、光照射による液滴の方向性運動、さらにモデリングによる物理機構の解明について議論する。
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過去のセミナー
[日時] 2025年9月30日(火) 16:00 - 17:00
[会場] オンライン(Zoom)
[講演者] 坂本 一史 さん
[講演者所属] 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任研究員
[題目] 自律拍動能を持つ心筋細胞ネットワークにおける拍動同期の支配則
[概要] 孤立状態において様々な拍動周期を持つ心筋細胞同士が結合し、ネットワークを形成すると、集団としてひとつの周期を選択し、ネットワーク全体で同期拍動する。従来の研究では、一般に細胞のもつ拍動ゆらぎは考慮されておらず、1細胞の機能の特性を理解することで、それらの積み上げによって心臓の仕組みを明らかにできると考えられてきた。本講演では、構成的な細胞の空間配置手法を用いて、「大きな拍動ゆらぎをもつ孤立細胞の拍動が、集団化によってどのように秩序状態を生み出し、その秩序構造を維持するのか」を明らかにすることを目指して行なった一連の実験的アプローチとその結果を紹介する。最後に、自律拍動する心筋細胞をモデルとして、「1細胞の機能の理解の単純な足し合わせのみによって、細胞集団の秩序ある振る舞いを全て説明できるのか」をテーマに議論したい。
[日時] 2025年6月23日(月) 16:00 - 17:00
[会場] ハイブリッド形式(東京大学本郷キャンパス 理学部1号館 2階233室 & Zoom)
[講演者] 高山 剛 さん
[講演者所属] 東京大学 大学院理学系研究科 物理学専攻 特別研究員(PD)
[題目] 「動く」微生物が作る「構造」:酢酸菌によるセルロース生産
[概要] Komagataeibacter属の酢酸菌は、多糖セルロースのナノ繊維を細胞外に分泌しながら運動し、繊維ネットワークを構築することで、強靭なセルロースヒドロゲルをバイオフィルムとして形成する、非常にユニークな生態を持つ微生物である。特に、菌の運動の履歴が、セルロース繊維のネットワークとして残るために、酢酸菌の運動性の制御がバイオフィルムの構造制御につながるという特徴を有する。本セミナーでは、セルロース生産菌としての酢酸菌の生態・セルロース生合成機構に加え、最近の顕微可視化や解析技術を用いた「動き」と「構造形成」の相関の解明について紹介する。さらに、こうした酢酸菌の集団挙動をアクティブマターの枠組みで理解することで、生きた微生物を構成要素とするリビングマテリアル設計への応用可能性を議論する。