令和7年度 日本防災士会 長野県支部
支部長所信
支部長 大久保 隆志
《 はじめに 》
令和7・8年度長野県支部の支部長を務めさせていただくことになりました。 本年度もどうぞよろしくお願いいたします。
昨年1月より県支部として令和6年能登半島地震・豪雨災害への支援活動を実施してまいりました が、とても多くの教訓や学びを得ると共に、県内各地から講演会や研修会、出前授業など、たくさんの ご依頼をいただいて活動してまいりました。同時に、それは地域住民の皆さんの防災意識が高まってきてい るということだと考えます。
4年前、長野県内の防災士の資格取得者数は約2,500名ほどでしたが、今では約4,700名になっていま す。私は、これからは防災士も二極化が進んでいくと考えています。自分の住む地域の中で住民の皆さんと共に防 災活動に取り組んでいくことが、防災士の一丁目一番地であろうと思います。しかしながら、人間が一人ができる ことには限りがあります。だからこそ防災士会という組織を通して、お互いに協働しながら研鑽を重ねて活動してい く必要があると考えます。長野県支部の会員は、現在175名ほどしかいませんが、唯一、防災士同志のネットワ クを有し活かすことができる団体です。ここで様々な情報や知識、方法などを学びながら地区・地域防災力向上の ために活動することが防災士の大きな役割の一つであると思います。
地球温暖化による気象災害、地震災害など、自然災害はますます激甚化してきています。 誰一人とり残すことなく、災害関連死を含めて災害から命を守るためには、その仕組みづくりも急務です。
行政はじめ各種団体、地域住民・組織と深く関わりながら活動する防災士の役割もますます重要になってまいりま す。まずは自らを律しながら、皆さんのお役に立てる存在となるべく活動していきたいと思います。
私自身、被災地支援を通して、さらに被災地で頑張り続ける被災者のみなさんとの関りやその生きる姿勢から、 防災のみならず、人としての在り方や地域への愛、助け合う気持ちなど・・・本当に様々なことを学ばせていただい たと思っています。多くの仲間のみなさんと共に、「防災を通して人としての生き方を学ぶ・・・」そんな防災士会で ありたいと願います。引き続き、よろしくお願いいたします。
《 活動理念 》
会員の皆様には、県支部の活動を通して、より多くの「学び」や「気づき」を得ていただき、自分の地区や地域に おける『行動』へと繋げていただきたいと思います。それが防災力の向上に繋がります。
そして、大規模災害になるほど広域連携の必要性が高まってまいります。
「地区防災力の向上」⇒「地域防災力の向上」⇒「広域圏防災力の向上」⇒「県防災力の向上」
《 長野県支部 基本指針 》
●会員相互のネットワーク構築と協力関係の確立、そして行動へ <地区防災計画の推進>
県内5ブロックでの各一回の研修会・講座などに限らず、様々な事業の計画をしています。 会員の皆さんは、どこのエリアの事業にも参加できますので、是非、多くの学びをしていただくと同時に、準備や活 動を通して協力し合いながら会員同志のコミュニケーションを深めていただきたいと思います。
研修会での「学び」を、ご自身の「学び」で終わらせることなく、自分が住んでいる地区組織に落とし込めるよ う、それぞれが次の『行動』へと繋げていきましょう。また、防災士に限らず、防災活動に携わっている方々とも、学 びを共有できる機会が創れれば、さらに防災の輪(和)が広がっていくと思います。そこから地区防災計画の策 定・実施へと繋げていくこともできます。
避難行動要支援者の個別避難計画策定を含め「みんなでみんなを助ける」防災 = 《福祉防災》への取組に も重点を置いていきたいと考えます。 〈 災害時 住民支え合いマップ(つながりづくり) 〉
●自治体、行政、各種団体、自治会、自主防災組織との連携強化
長野県との「協働」という観点から、引き続き、連携・交流を図ってまいります。具体的な事業提案やモデルケース 事業を実施する予定です。「長野県総合防災訓練」や県主催の研修へも積極的に参加していきたいと思います。 また、会員の皆さんが防災士として、それぞれの自主防災組織や自治会と更なる関係を深めながら、自分が住む 自治体への働きかけも行い共に訓練・研修など行う協働を通して連携強化していくことが重要です。 防災士は、「地区」→「地域」へ、幅広く関わっていく必要性が求められます。
長野県災害時支援ネットワ-ク(N-NET)をはじめ、関係する機関、団体と連携・協働していくことも重要です。 大規模災害時には「オールながの」という考え方の中で、防災士会としての役割を担えるような体制づくりも大切 だと考えます。官と民、民と民の連携強化と仕組みづくりが必要です。
●『虫の目・魚の目・鳥の目』で防災を見つめ考えよう!
・「虫の目」は複眼です。実際に現場に近づいて、様々な角度から防災への問題・課題を見よう!ということです。
・「鳥の目」は、高い位置から俯瞰的に全体を見まわして、これからの防災を考えよう!ということです。
・「魚の目」は、潮の流れや干潮満潮という流れ、時の流れ・時代の流れを見失うことなく防災を考えよう!という ことです。
内閣官房防災庁準備室が設置されましたが、日本も国とボランティア団体との関係性を変えていく必要性を痛 感しています。そして、この見方・考え方は私たちの組織の在り方についても言えることなので検討していきます。
《 おわりに 》
「使命は出会いや出来事の中にある。降りかかる苦難の中に使命がある」
支部長として、そんな言葉を自らの胸に刻み込みながら考働していきたいと思います。
防災士は、コミュニケーション能力のみならず、自らの人格・人間性を高めて、信頼される人になれる人物像を目 指して行くべきだと思っています。人間は不完全な存在であるが故に「謙虚」でなければなりません。
本年度は日本防災士会北信越支部連絡協議会会長、令和7・8年度は特定非営利活動法人日本防災士会 本部理事を務めさせていただく予定です。微力ながらお役に立てるよう努める所存です。 今後とも、会員の皆様からのご指導、ご協力をよろしくお願い申し上げます。
会員の皆様への連絡・会合等のご案内は、迅速を要する場合もあり、E-mailを活用しております。
是非とも、メールアドレスのご登録をお願いいたします。
事務所:〒398-0002長野県大町市大町1857-2
E-mail:okubo@gm.tp1.jp TEL: 090-3143-4129(支部長 大久保 隆志)
E-mail:usami.bousai@gmail.com TEL: 090-4236-7435(事務局長 宇佐美 智也)
●日本防災士会に入会された方は、県支部ホームページより県支部用の登録をお願いいたします。
●活動予定・実績、お知らせ等は、ホームページ、Facebookに掲載しています。
県支部ホームページ https://sites.google.com/view/bousaishikai-nagano/
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