造文化財究会

活動NEWS

◆石仏見学会を令和6年4月26日に開催しました。
(当日の様子を 過去の見学会記録から に掲載しています。)

◆石仏見学会を令和6年3月24日に開催しました。
(当日の様子を 過去の見学会記録から に掲載しています。)

◆石仏勉強会を令和6年2月22日に開催しました。
テーマは「庚申塔」でした。
(資料の一部を 石仏勉強会の資料から に掲載しています。)

会誌「房総の石仏」第29号を令和5年7月発行しました。
(内容は 定期刊行物 の「房総の石仏」発行済巻号目次 をご覧下さい。)


会員の皆様へ ここをクリック

① 「会報」第149号(令和6年4月1日)を発行致しました。
 3月18日に会員の皆様宛に郵送にて発送致しましたので、ご覧下さい。
②令和6年度の会費の納付をお願い申し上げます。会報と共に振込用紙をお送り致しました。
会誌「房総の石仏」第30号(記念号)に掲載する報告、論考、記念号に向けた随想、等を募集しています。
 奮ってご投稿くださいますよう宜しくお願いします。
令和6年度の「総会」を開催します。
 5月20日(月) 13:00から、ちばさぽ会議室で開催する予定です。
 多くの会員の皆様にお集まりいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

はじめに

 「房総石造文化財研究会」は、昭和55年に県教育委員会より刊行された「千葉県石造文化財調査報告」のために、千葉県内の石造物調査に携わったメンバーが中心となって、調査終了後も、県内の石造文化財の調査、情報交換を行うことを目的とした同好会として、1981年(昭和56年)に発足しました。

 2024年4月現在、千葉県内を中心に、全国に50名余の会員が居り、
石仏見学会や勉強会の開催、定期刊行物や書籍の作成・発行、といった活動を行っています。

 会合は、主に千葉市中央区の千葉中央ツインビル 内にある千葉市民活動支援センター「ちばさぽ」を利用しています。

定期刊行物

 会報
 会報は、活動の予告や実施内容の紹介、会員の研究活動の紹介、等の内容で、基本、年4回、発行しています。
会員の方に配布します。

 会誌
 会誌「房総の石仏」は、会員による調査や研究成果の報告、論考、等を掲載します。基本、年1回の発行です。
会員の方に配布するとともに、千葉県立図書館、等に寄贈しています。
 残部があるものにつきましては、会員以外の方への販売も行っています。
 刊行済みの「房総の石仏」の目次は下記をクリックしてご参照下さい。

「房総の石仏」発行済巻号目次 ここをクリック

石仏見学会

 千葉県内で、見学する地域を決めて、半日程度をかけて行っています。
 会員以外の方も、事前にご連絡戴ければ参加できます。
 (尚、参加に際してましては資料代をご負担いただく場合があります。)

今後の開催予定
2024年9月
 (日程、内容詳細は決まりましたら掲載します)

この一年の開催内容
2023年4月28日
 千葉市 高品町 北年貢道と高品城址
2023年9月25日
 白井市 白井の石仏をめぐる 鮮魚(ナマ)街道の一部を経て
2024年3月24日
 市原市 光風台の石仏をめぐる 常住寺の南北朝期石造物と日光寺聖観世音像
2024年4月26日(金)
 成田市 成田山周辺の石仏をめぐる 薬師堂、新勝寺周回道路石塔群、寺台の永興寺

過去の見学会記録から(3月24日の様子): ここをクリック

2024年3月24日 市原市光風台の石仏をめぐる
 寒かった前日と変わり日差しは無いものの春らしい花曇りの日、石仏見学会で市原市光風台周辺を巡りました。
 五井からの小湊鉄道は休日でこの先で観光列車に接続する列車のため、満席ほどの混みようですが光風台駅まで20分弱の汽車旅を楽しみます。光風台駅前で参加者が集合。今日は案内者を含めて16名の団体となりました。
 まずは、田んぼの中の道を通って常住寺に向かいます。おりしも田起こしの際中、畦道にはトラクターの落とした泥が点々としており踏んで滑れないように注意しながら進みます。30分ほどで寺下の集落に到着、民家門前に庚申塔が居られます。丁度お家の方が庚申塔の周りをお掃除中でお断りして拝見させて戴きます。元文四年(1739)の紀年銘がある一面六臂の青面金剛像で足許に邪鬼の顔その下に三猿という立派な造形です。笠が失われているのが惜しいところ。
 常住寺下のため池の畔には弁財天の石祠が祀られていました。石段を登り境内へ、左手に宝篋印塔と五輪塔が説明版付きで整備されて置かれています。常住寺は現在は真言宗豊山派の寺院ですが、かつては鎌倉覚園寺と関わりがあったとのこと。高さ1.4M余の五輪塔と高さ2.6Mの宝篋印塔は、南北朝期のものとされ、堂々とした佇まいです。五輪塔の各輪には苔むした中に種子が見られます。
 この日は方丈様が在宅とのことで急なお願いをさせて戴き、本堂内に保管されている板碑を拝見する事ができました。板碑は典型的な武蔵式板碑で、頭部に二重線を配し蓮華座の上に種子(キリーク:阿弥陀如来)を表してその下に貞和六年(1350)の紀年銘が見られます。会員のT氏によれば点紋緑泥片岩ではないかとのことで武蔵国からもたらされた石材の可能性があると思われます。思いもかけず貴重な板碑を拝見することができ、方丈様にお礼をして常住寺を後にします。
 20分ほど歩いて風戸集落下の旧街道近くにある馬乗馬頭観音に。三面八臂の馬頭観世音が馬に跨る形の像で、案内者のW氏によれば県内の馬乗馬頭観音像の中でも五指に入る優品ではないかとのこと。特徴は頭部に馬頭の像ではなく「馬」の文字が見られることです。また、旧街道沿いという事で、姉ヶ崎と牛久の間での道標の役目も持っています。
 山中の日光寺では予め聖観音像の見学をお願いしていたので、地元で管理をされている方々がお堂を開扉して準備して戴いていました。お礼を言って堂内に入り聖観音像の周りを見せて戴きます。平安初期の造立とされ桜の一木造り、像高3.3M超の巨大な像は県内最大の木造観音像です。表面はかなり荒れていますが、体の線、胸・腕の飾りや衣文の様子、背面の内刳の様子もよくわかります。
 更に20分ほど歩き鶴峯八幡脇の八日市場墓地に着きます。ここは令和元年(2019)に付近の墓石を集めて整備された墓地で多くの近世の墓石・供養仏が並んでいます。その最奥部に元禄四年(1691)の紀年銘を持つ阿弥陀如来立像が目を引きます。惜しくも手先が欠けており印の判別は付きませんが施無畏印・与願印と思われます。他にも、大日如来像を刻んだ墓塔などを見て葬られた見知らぬ人々に思いを馳せます。鶴峯八幡の門前には立派な「奉安殿」の建物が残っていますが、その横に小さな「中高根小学校跡」の記念碑があり、ここに学校があったことが知られます。
 鶴峯八幡には、弁財天はじめ多くの境内社や霊石が祀られていますが、古い石造物はあまり見られません。境内に大きな木が少なく見通しの良い状態になっているのは、令和元年の台風被害によるものとのこと。少しお休みさせて戴き、神社裏手の農道に出て駅に向かいます。
 あと少しで駅に到着というときに、雨が降り始めましたが、ひどくなる前に駅に着き濡れることは免れました。列車の待ち時間、他の乗客がいないホーム上で本日の見学会は散会となりました。

過去の見学会記録から(4月26日の様子): ここをクリック

2024年4月26日 成田山周辺の石仏をめぐる
 晴天で気温が上がるとの予報に反し曇り空で蒸し暑い日となったこの日、石仏見学会は、JR成田駅から成田山新勝寺とその先の寺台地区を目指しました。
 まずは駅横の「権現山境内地」。ここは祭の際に使用されるそうで普段は立入禁止です。巨大な寄進碑や梵字の不動三尊石碑、社殿が見られます。その隣地には歌舞伎役者等から寄進された巨大な「宝物奉納記念碑」があり、新勝寺への寄進の多さを見せつけられます。石造物はいずれも明治以降に建てられたもののようです。
 「権現山道」から「表参道」経て仲町にある「薬師堂」へ。この建物は明暦元年(1655)に成田山の本堂として建立された寺最古の建造物との説明版がありますが、周りはきれいに整備され古さは感じられません。古そうなものは堂後ろの石仏群ですが、柵があって立ち入ることができませんでした。すぐ脇の道路端には成田町の「道路元標」が見られます。
 西参道を経て、発心院など三学院の建物を見つつ新勝寺境内に向かいます。発心院付近に新勝寺の境界を示す三つの石の内、西の結界石(境界石)があるとのことで探してみましたが見つけることはできませんでした。
 出世稲荷にお参りして石段を下りると「釈迦堂」です。この建物も新勝寺の旧本堂。中からは読経の声が聞こえます。堂の周りには8枚の五百羅漢の半肉彫の彫り物や二十四孝の場面を描いた彫り物が見られます。風にさらされ、砂(黄砂?)が積もったように見えますが、細かな彫は一見に値します。作者は船橋出身の仏師松本良山。19世紀初頭の作品との英語の説明書きが掲示されていました。
 釈迦堂から一段上がったところの「額堂」には寄進された多くの「額」が飾られ、庶民信仰の様々な祈願が感じられます。
 額堂横から周回道路に出たところには「包丁塚」をはじめとする寄進の記念碑が多数集められています。その中に、かつては新勝寺境内に祀られていたと思われる石仏見られます。まずは青面金剛らしき像が刻まれた庚申塔。残念ながらお顔が欠損していますが、手の形や持ち物が分かる八本の腕が見られました。左側面に文字があり、ライトで照らして皆で覗き込みましたが紀年銘らしき文字は読み取れません。「庚子」という干支らしき文字がありました。
 更に進むと、自然石板に浮き彫りされた馬頭観音の石塔があります。以前の記録では天明三年とのことですが現在は読み取れません。台石には文政元年の文字がありますがこれは別物であろうという事です。頭部の馬の周りには朱色の彩色が残っており、周囲をライトで照らしてよく見ると三面八臂の坐像であることが分かります。法輪や剣、斧、連珠、等の持物も見ることができました。本日一番の盛り上がりを見せた石造物でした。
 ここから石段を下ると、新勝寺の境界を示す境界石(結界石とも)があります。境界石は東、北、西の三基があり南は総門がその役目を持っているとのこと。ここの境界石は北のものになります。東は成田公園の東端にあり、西は民地内にあるという事です。
 新勝寺の境内を抜け田町の地蔵堂へ。ここには准胝観音像を刻んだ二十二夜塔、勢至菩薩像を刻んだ二十三夜塔などが見られます。准胝観音像は以前から上下に割れていて接合された状態でしたが、さらに悪い状態になったらしく接合部にコンクリートが上塗りされていて残念な姿となっていました。地蔵堂の上の斜面は墓地となっており六地蔵石幢なども見られました。
 最後は、永興寺(ようこうじ)を訪ねます。門前には曹洞宗寺院に見られる「不許葷酒入山門」を刻んだ戒壇石があり、その脇に大日堂、地蔵堂と、多くの供養仏や供養塔が見られます。中には弘化四年(1847)銘の「髪結」講のものもあり、成田の町の賑わいが感じられます。
 事前にお断りして墓地内に立ち入ると、傾いた二体の舟光背を持つ立像がありました。一つは寛文九年(1669)銘の十九夜塔で、もう一つは享保九年(1724)銘の十五夜塔でした。
 見学を終え、永興寺前のバス停から予定した通りのバスに乗る事ができ、京成成田駅前で散会となりました。

石仏勉強会

 テーマを決めて、石仏(石造物)についての講演、討論、情報交換、を行っています。
 会員以外の方も、事前にご連絡戴ければ参加できます。
 (尚、参加に際しましては資料代をご負担いただく場合があります。)

今後の開催予定
2024年7月8日(月)
 テーマ:「如意輪観音」
 場所・時間:「ちばさぽ」会議室、13時より16時ころまで。
2024年10月
 (日程、テーマ等は決まりましたら掲載します)

この一年の開催内容
2024年2月22日(木)
 テーマ:「庚 申 塔」
 (1) 庚申塔について :        三明 弘氏
 (2) 船橋の日蓮宗系庚申塔について : 大塚武彦氏
 (3) 珍しい百庚申の事例紹介 :    宮内欽一氏
2023年10月28日(土) 佐倉での学習・見学会
 佐倉の石仏(愛宕神社の庚申塔)と 歴博展示「陰陽師とは何か」を見る

       石仏勉強会の資料から(2024年2月「庚申塔」):ここをクリック

 2月22日の勉強会には20名弱の皆様にお集まり頂きました。講演者の熱のこもったお話に加え、質疑・懇談も活発に行われました。以下、講演者にご準備戴いた資料、懇談時に取り上げられた資料から抜粋して掲載いたします。

◆日光東照宮
 現在の社殿群は、そのほとんどがご鎮座から20年後の寛永13年(1636)に建て替えられたもの。神馬厩舎の梁に猿の一生を彫り(馬の医者は猿)馬の安泰を願う。庚申塔の三猿はこの年以後庶民は家康を崇拝し石塔に三猿を彫ったと言い訳した。幕府は庚申塔を破壊できなかった。
◆庚申講
 庚申講は信仰の集まりとして庄屋の許可を得て集まり、初期は薬師・釈迦・地蔵などを祀ったが、いろんな宗派が集まりやすくするために青面金剛を祀った。庚申講の集まりは講費を集め、庚申塔を作り庄屋に集会は信仰のためと証明した。
◆庚申待祭祀縁起 奈良県大和郡山市小泉金輪院
 一ノ上尸ハ頭ニ住ム鬼ナリ。捗瑞卜云。黒色ノ虫ナリ。形ハ人ノ如クニシテ、長サ三寸ナリ。庚申ノ日鬼卜成リテ人ノ命尾ヲ送り出シテ、将ニ短成ントス。或ハ人ノ物ヲ欲シ、物ヲ妬ミ、常ニ物忘レ令メ、俄二心細ク成リ、繁怒ル夢ヲ見セ令メ、亡人ヲ夢見セシメ、喧嘩闘静ヲ起シ、時ナラズ腹ヲ立、老ズシテ歯落、眼闇ク、白髪卜成ルハ、此虫ノ所作ナリ。
 一ノ中尸ハ腹ニ居ル虫也。影質卜云。青色ノ虫ナリ。形ハ人ノ如クニシテ、庚申ノ日馬ノ形卜成テ人ノ気ヲ弱クス。物忘レヲ成シ、悪事ヲ好ミ、殺生ヲ好ミ、思ノ外ニ龍栄ニ遇ヒ、命ヲ失ハシメ、高キ人ヲ賤シメ、我ニ善キ人ヲ疎セ令メ、親シミヲ軽ンジ、子ヲ矜レマズ、魚鳥麹蒜茸ヲ好ミ、腹ノ毒卜成ス、此時三カヲ得テ人ヲ殺ント欲ス。今夜悪キ夢ヲ見レバ物狂卜成ル。又口ヨリ白キ血ヲ出シ、早ク気力ヲ損ス。
 一ノ下尸ハ髪卜云フ。形白鶏ノ如シ。足ニ居ル虫也。庚申ノ日鬼卜成ツテ障碍ヲ人ニ成ス。大学匠善知識モ此鬼ノ崇ハ遁レズ。年二六度ノ庚申ノ日ヲ知ラズシテハ、二世ノ大願成就シ難シ

出版物

 本会では、これまでに「房総の石仏百選」「続 房総の石仏百選」の二冊を、たけしま出版より刊行しています。
 現在、三冊目となる「房総の石仏 新百選」の刊行に向けて、掲載物の選定、検討を行っています。

房総の石仏百選

続 房総の石仏百選

会員募集

本会では、継続的に会員を募集しています(千葉県内外は問いません)。
石仏見学会、勉強会、等の本会イベントに参加されたり、出版物をご覧になって、興味を持たれた方は、お問合せ下さい。
2024年4月時点での年会費は¥3,000です。

#お問合せ情報の扱いについて#
 お問合せ戴いた方の、メールアドレス・氏名(ニックネーム含む)・お問合せ内容、等の情報につきましては、お問合せへの回答・本会からのご案内に使用、およびお問合せ戴いた記録として本会事務局内で保管させて戴きます。これ以外の目的では使用いたしません。

§本ページ内の写真、図表、文書、等、コンテンツの無断利用を禁じます§

更新履歴

# 試行版 更新履歴 #
2023年7月15日 試行版公開
2023年7月25日 更新履歴追加、会誌INDEXをPDFファイルから画像に変更(Googleへのログインを不要とするため)
2023年8月12日 「はじめに」「定期刊行物」「会員募集」の文言を修正。会誌29号発行に伴い当該号の目次を追加。「会員の皆様へ」を追加。「過去の見学会記録から」を追加。
2023年8月31日 「お問合せ情報の扱いについて」を追加。
# 正式版 更新履歴 #
2023年10月1日 正式版公開
2023年10月29日 勉強会の予定を更新。検索結果を考慮しヘッダーを変更。 
2023年11月17日、24日 「会員の皆様へ」の内容を更新。
2023年12月20日 「はじめに」の文言を修正。「房総の石仏」目次、更新履歴をクリック表示に変更。石仏勉強会、石仏見学会、石仏見学会の記録から、「会員の皆様へ」の内容を更新
2024年1月20日 「会員の皆様へ」の内容を更新
2024年2月18日 石仏勉強会、石仏見学会、の内容を更新
2024年2月23日 「会員の皆様へ」、石仏勉強会、の内容を更新。「石仏勉強会の資料から」を追加
2024年3月15日 表紙に 活動NEWS 欄を追加、「会員の皆様へ」、石仏見学会、石仏勉強会、の内容を更新。
2024年3月18日 「会員の皆様へ」、石仏見学会、石仏勉強会、会員募集、の内容を更新。
2024年3月25日 活動NEWS 、石仏見学会、過去の見学会記録から(3月24日分に置換)、の内容を更新。
2024年4月27日 「はじめに」の文言を修正。活動NEWS 、石仏見学会、過去の見学会記録から(4月26日分を追加)、の内容を更新。