栗城史多さま
覚えていますか?
「グリコさんのチョコを買ってね。我々がエヴェレストに行けるのはグリコさんのおかげだからね」
4年前の約束、覚えています。いつもグリコのお菓子やアイスを食べています。
たまに浮気しますが、ホントのたまにです。
栗城さんも食べましたよね、明治のガルボ。「1個もらっていい?」って。
それがあなたのやさしさでした。
単独・無酸素・生中継。手の指9本を失って8000mに挑む人。
周りはアンチだらけ。それでも否定の壁と闘う孤高の人。
でも、僕にとっては「まっちゃん、まっちゃん」と子犬のように駆け寄ってくる人です。
あの包み込むような声を消したくないから、他の人には「まっちゃん」と呼ばないでと願っています。
僕は今36歳です。信じられますか?1つ年上になってしまいました。
栗城さん、あなたはいつも何かを失っていました。
喪失のために登山を続けていました。
今頃、天国の山を登っていますか?いや、栗城さんのことだから火星ですよね。
80歳で挑戦するって言った標高2万mを超えるオリンポス山。
もう先に登っているはずです。
本当の独りになれましたか?誰にも邪魔されず、雑音もなく、山と対話していますか?
栗城さん、僕もあとで行きますよ。
取材するって約束したから。あなたは誰よりも寂しがり屋だから。