観光スポットやグルメ、スポーツ観戦。もっとワクワクするものが、アメリカにはある。
Have a nice day。この言葉を早く聴きたくて、空港に着いたら真っ先にコーヒースタンドに行く。米ドルを渡し、店員さんがCoffeeと一緒にHave a nice dayをくれる。ふっと心が軽くなり、不安な旅も、きっと上手くいくように思える。
You're welcome
「よい一日を」は日本語でも様になるが、「どういたしまして」は人生で一度も使ったことがない。よそよそしく、感謝のキャッチボールを感じない。
You're welcomeに初めて出逢ったのは12年前のニューヨーク。タイムズスクエアの眼の前にあるマリオット・マーキースに滞在したとき。弟と一緒にヤンキースの試合を観た帰り、エレベータのボタンを押してくれた女性に「Thank you」と伝えると「You're welcome」を笑顔で返してくれた。
直訳すると「あなたを歓迎します」。ああ、ここに居てもいいんだ。
You're welcomeは、心のパスポート。
それから1週間、今度は「Thank you」と言われるたびに「You're welcome」を投げ返すのが何よりの楽しみになった。
遠い将来、日本でやることを終えたら、マンハッタンかブルックリンに住もうと思っている。英語力はゼロで、勉強の予定もない。それでも「You're welcome」がある限り、なんとかやっていけそうな気がする。