近年の私の旅のスタイルは気ままなフリー旅。相方と予定を合わせたら急遽向かう自由さが気に入っている。

知らない街をのんびり訪ねるのがいい。名所も大事だけどなにかに追われるように過ごしたくない。

ただ、私と相方はどうしても道ならぬ関係に見えてしまうらしいのだけど。


温泉の大広間で番頭さんが私たちをちらちら見る。

宿のお食事処でも仲居さんからの謎の視線。いえ、違いますよ。


いちいち訂正するのもなんだかそれはそれで自意識過剰だし、なんなら私はちっとも損しないし、と気にしないことにしている。

むしろ友人たちへの旅のエピソードがまた増えるかも、と内心少し期待していたりして。実際土産話は毎回受けがいい。それも悪くない。


うどん県の港近くの店。カウンター越しのご主人が私たちを見てしばし沈黙。「ご兄弟ですか」と尋ねられ、

その絶妙な間と絞り出したご主人の苦肉の言葉に私はつい笑ってしまう。


窮屈な日々から開放され、久しぶりに旅に出られそうな予感がする。

今行きたいのはどこかと聞かれてもすぐに具体的な街は浮かばない。

ただ相方と笑いながら歩いて休んでおいしいもの食べて。

そして、今回のエピソードはなかなかすごかったねとまた笑い合えたらいいな。