冬ごもり、冬じたくという言葉を聞くとわくわくする。

絵本の中の動物たちがせっせと木の実を拾い、枯れ葉のベッドを作るのを思い出す。

小さい頃、私も絵本の動物達の様にどんぐりや松ぼっくり、枯れ葉をあつめて冬ごもりのまねをした。


動物達はたいてい、あったかくておいしそうなものを食べて、いそいそと寝床に入って気持ちよさそうに冬眠する。


冬は寒い、肌もカサカサ。寒いのが得意なわけじゃない。

でも、「あったかい」を沢山実感できる。

マフラーを鼻まで巻いて、手袋して、寒いねーって言いながら、ほかほかのカフェオレとアップルパイ。

野菜たっぷりの鍋物やシチュー。

湯たんぽであったまったお布団、絵本の中の動物達みたいに「あったかいねえ」を何度も味わう。


でも、どうしたって冬が好きなのはやっぱり雪が降るから。

ほんの少しグレーがかった空から真っ白い雪が降る。

空を見上げた時のグラデーション。

いつもあんまり好きじゃない、ちょっとごちゃごちゃした街並みもどんどん白い雪で覆われていく。

白く染まった街や山、雪が止んだ夜にはまるで凍りそうな星や月。


柔らかい、優しい雪はちょっとした魔法みたい。

「わぁ、雪だ」

いつもの毎日を非日常にしてくれる。

少しくらいファンタジーなことが起きても、まあ、納得できちゃうくらい。


寒い寒いと言いながら、

ちょっと口のはしっこが笑ってる。

私は冬が好きだ。