今年の9月初頭、トルコのアンタルヤで行われた「XV International Congress of Acarology(国際ダニ学会議)」に参加してきました。
http://www.acarology.org/ica/ica2018/
世界中のダニ学者が一堂に会する最高の学会で、論文上で名前を目にするあんな人やこんな人、いつもお世話になっているあの人と実際にお会いしたり研究について議論したり。とにかく内容が濃い1週間でした。
私自身、国際学会での発表は二回目ですが、今回はかなり緊張して早口になってしまいました。練習不足ですね。反省。
何といっても大会会場兼宿泊施設となったSwander Topkapi Palaceという五つ星のリゾートホテルが素晴らしかった。大会中は観光ツアーが組まれていたり毎回豪華な食事が楽しめたり、至れり尽くせりのリゾートバカンスでした。
写真は最終日で撮影した集合写真。もちろん全員ダニ学者です。
(180711 萩野執筆)
Cynops ensicauda popei (Inger, 1947)
大宜味村の散策道を歩いているところ発見。
アカハライモリとシリケンイモリの違いはちょっとよくわかりませんが、顔がなんとなく違うかなぁ。あとは尻尾ですかね。詳しい人教えてください。
「ダニ便り」でなぜイモリが出てくるのかというと、少し興味深い話があります。イモリ(アカハライモリ)が毒を持っているのはわりと有名かと思いますが、その毒素は「テトロドトキシン」という、フグ毒と同じ成分です。ただしイモリ自身はテトロドトキシンを生合成出来ないらしく、じゃあどこから毒を仕入れているのか?という謎があります。
一つ考えられるのは、もしかしたらエサとして食べている土壌中のダニなどから毒素を得ているのかもしれません。似た例だとイチゴヤドクガエルの毒素「プリミオトキシン」がササラダニ由来だった、という話がありますね。イモリも同じようにダニを食べて毒素を得て、身を守っているのかもしれません。
近年イモリは飼育目的の乱獲で個体数が減少しているようで、2012年の環境省のレッドリストでは準絶滅危惧となっていますね。確かにカワイイのでペットとして飼う人の気持ちも分かります。
(180711 萩野執筆)
Trombidiidae sp.
札幌・西岡公園にて採集。
春先にフラフラ歩いているのを見かけます。おそらくアカケダニTrombidium holosericeum (Linnaeus, 1758)だと思いますが。
実はケダニのなかまは日本でもほとんど分類学的研究が進んでいないグループで、探せば新種のダニがザクザク出てくると思います。オススメ!!
(180711 萩野執筆)
土壌ダニ学者の相棒。
ダンボール・紙・フルイだけで簡単に作れます。
この上に土を載せて放置するだけで、いろいろな土壌動物が抽出できます。
上から光源照射するタイプ、熱源を設置するタイプなど色々ありますが、何もせず放置するだけで、それなりに抽出することができます。
(180711 萩野執筆)
Trimalaconothrus reticulatus Yamamoto, 1977
友人宅の熱帯魚水槽内のコケにて採取。
後体部後方の両脇にある黒い部分は油腺 (Oil grands)で、フェロモンなど揮発物質を分泌しています。
(180711 萩野執筆)
Aribates javaensis Aoki et al., 1994
体長約700μmのやや大きめのササラダニです。
フタフシアリ(Myrmecina sp.)の巣の中から発見され、その周辺土壌からは一切発見されませんでした。驚くべきことに、アリの巣の中でほとんど動かず、アリに摂食や産卵を手伝ってもらいながら生きているようで、まさにアリにとっての「家畜」として生活しているダニなのです。
ちなみに本種の記載とともにAribatidae科およびAribates属が設立されましたが、それぞれ名前の由来は日本語の「アリ=Ari」に、ササラダニ類を表す「Oribates」を合わせて名付けられたラテン語名です。
(科の名前は、必ず語尾が「-idae」となります)
なお、日本では生息が報告されていませんので、和名がありません。
(180711 萩野執筆)