written by AP
2024/3/19
今回は「新宝島」のバンドとして知られる(?)サカナクションが影響を受けた(と思われる)洋楽を特集したいと思います。
サカナクションの紹介は以下の通りです。
(紹介文は省略)
メンバー構成ですが、以下の通りです。(以下、敬称略)
・山口一郎:Vo. & Gt.(ボーカル&ギター)
・岩寺基晴:Gt.(ギター)
・草刈愛美:Ba.(ベース)
・岡崎英美:Key.(キーボード)
・江島啓一:Dr.(ドラム)
※ただし、最近はあまり特定のメンバーが特定の楽器を担当することにこだわらなくなってきたということがメンバーへのインタビューで何度も語られています。
特に楽曲制作ではその傾向が強いので、上の楽器はライブでの主な担当楽器と言った方が正確な気がします。
今回の企画タイトルは「影響を受けた(と思われる)洋楽」となっていますが、以下の点に注意していただけるとありがたいです。
・「影響を受けた」は歌詞というよりはサウンド面のつもりです。
・「知っている、聴いたことはある曲」と「普段よく聴いている曲」と「よく研究して自分達の音楽に取り入れている曲」は別で、今回の「影響を受けている」は出来る限り一番最後を指しているつもりです。
直接的にサカナクションの特定の曲に影響を与えているような曲を意識的に選びました。
・メンバー5人それぞれが異なる音楽的なルーツも持っているので、5人全員が影響を受けた音楽とメンバーそれぞれが個別に影響を受けた音楽を分けて考える必要があります。
また、メディア露出の多い山口一郎の印象が強くなりがちですが、楽曲制作(アレンジ)においては山口以外の4人が中心となって行われることが多いので、サウンド面では4人の影響が強いはずです(ということを山口一郎は何度も言っています)。
(本企画でもメディア露出の多い山口一郎の情報が多くなってしまってはいます)
・今までに影響を受けた洋楽の全てを網羅しているわけではないと思います。
また、以下の説明の中にはサカナクションの楽曲名が多数登場しますが、曲自体はサカナクションの入門編としては向いていないと思います。
入門したい方はベストアルバムの『魚図鑑』(2018年リリース)を聴いてみるのが良いかもしれません。
また、今回の企画のプレイリストのリンクを貼っておきます。
サカナクションは大雑把に言ってしまえばロック(やフォークロック)とダンスミュージックの融合が結成当初からのテーマだと思います。
その中でも特に影響を受けていると思うジャンルが、フレンチ・ハウス(フランスのハウスミュージック(=四つ打ちのダンスミュージック)で、ディスコの影響を受けています(参考:https://blogs.soundmain.net/14070/))です。
Daft Punkはフレンチ・ハウスの登場初期から中心的な役割を担っています。
サカナクションの中ではVo.の山口がDaft Punkからの影響についてメディアで明確に語っています(下記参考記事参照)が、他のメンバーも影響を受けている可能性が高い(例えばGt.の岩寺 https://www.jvcmusic.co.jp/sakanaction/gotothefuture/)と思います。
今年5月14日に行われた山口一郎によるYouTube生配信では、「Ame (B)」というサカナクションの楽曲がDaft Punk(とCornelius)の影響を受けていることが語られていました。この楽曲はフェスで目立つことを意識したコーラスワークになっているとも言っていました。
また、『「聴きたかったダンスミュージック、リキッドルームに」』についてメンバーが以前語った際に、“Get Lucky”の曲名が出てきたこともあった記憶があります。
なお、このshort radio editは長さが3:55ですが、“short”がついていないradio edit (5:20)もあります。
参考記事:
「Daft Punk「Random Access Memories」山口一郎インタビュー」
https://natalie.mu/music/pp/daftpunk
「SCHOOL OF LOCK! | サカナLOCKS! 2017.01.12 『二十歳になったらクラブへ行こう!』」
https://www.tfm.co.jp/lock/sakana/index.php?itemid=9260&catid=17
※時間短縮のため、最初の4曲は事前に曲間を繋いだ音源を流します。
StardustはDaft PunkのThomas Bangalterが参加していた3人組です。この楽曲はChaka Khanの“Fate”をサンプリングしています。
イントロからずっと鳴っているフレーズがサカナクションの「明日から」(1番のBメロ)、「インナーワールド」(イントロ〜1番のサビ前までとアウトロ)といった楽曲で使われています。
個人的にも好きな楽曲で、All Time投票にも入れています。
全く関係ないですが、K-PopのソングライターでStardustというプロデューサーグループ(2人か3人?)がいます。最初はフレンチハウスの方のStardustなのかと思いましたが、違いました。
山口一郎がサカナクションの楽曲について解説する際、フレンチハウスの話題になると挙げることが多いのがWe In MusicとThe Buffalo Bunchです。
この曲が直接サカナクションに影響を与えているのかは分からないですが、この両者が参加しているremixを偶然発見したので入れてみました。
ModjoはAustin Mahone (feat. Pitbull)が2017年にカバーした“Lady (Hear Me Tonight)”で知られる(知られていない)デュオです。この曲ではChicの“Le Freak”がサンプリングされています。
上でも挙げましたが、2020年5月29日の山口一郎によるInstagram Liveのアーカイブ(ファンサイトに掲載)でサカナクションの「明日から」を解説する際に、We In MusicとThe Buffalo Bunchを挙げながらフレンチハウスの影響を受けていると語っていました。
また、2021年11月?のYouTube Liveでは「M」という曲でサビ前にホーンが入るところにThe Buffalo Bunchの感じが出ていると語っていたようです(参考:https://winter24.hatenablog.com/entry/2021/11/08/010229)。
2022年10月にUnderworldとサカナクションのダブル・ヘッドライン公演が行われました(自分も参戦しました)。
サカナクションの方は山口一郎が療養中のため4人での公演でしたが、DJセットでインダストリアルな曲(未発表曲かと思いきや4人で制作した舞台「マシーン日記」のサントラ(アルバム『アダプト』のNF member Limited Editionのみに付属)からの曲だったようです)もあり、新たな一面が見れたような気がしました。
その時のセットリストをノンストップの音源として再構築したものが、9月にリリースされるカップリング&リミックス集の完全生産限定盤(ファンクラブ限定)に収録される予定となっています。
Underworldに関しては、ロックとダンスミュージックの融合や、音楽とデザインを組み合わせるクリエイティブ集団(Tomato)の活動がカリスマ的存在としてサカナクションに影響を与えたことがメンバー間で語られていました。(https://www.tfm.co.jp/lock/sakana/index.php?itemid=19703)
サカナクションのライブの中ではDJパートが必ず設けられていますが、その際にMacbookを横に並べて演奏するスタイルはKraftwerkのオマージュということになっています。
この曲は以前山口一郎のInstagram Liveで紹介されていました。
Flight Facilitiesもフレンチポップかと思いきや、オーストラリア出身(のエレクトロニックプロデューサーデュオ)でした。
サカナクションの「アルデバラン」という楽曲でこの曲を参考にしていたようです(山口一郎のInstagram Live(2020/6/6)アーカイブより)。
ロックとクラブミュージックの融合という意味ではどのメンバーもThe Chemical Brothersに大きく影響を受けているはずです(少なくとも山口一郎は何度も言及しています)。
この曲は曲展開や途中で生ドラムが入ってくるところが「ミュージック」と似ています。
サカナクションの「M」という楽曲ではMGMTを意識したアレンジがなされています。
元々「M」は仮タイトルで、MGMTからとったものだったようですが、製作が締め切りギリギリでアルバムのアートワークを曲の音源より先に確定させないといけなかったため、タイトルが仮タイトルのままになってしまったそうです。
Four Tetはイギリスのミュージシャンです。最近ではTainyのアルバムでサンプリングされていて面白かったです。
以前のライブでの客入れBGMとしてFour Tetを使っていたらしいので、サカナクションの5人とも影響を受けていると思います。
具体的には生のアコースティックギターの音をサンプリングして使うといった手法の影響もあるようです(https://winter24.hatenablog.com/entry/2021/11/08/010229)。
この曲は正弦波のような音から始まるのですが、段々音が周期的になっていきグルーヴが生まれドラムが入ってくるところが良かったです。
山口一郎は車を選ぶ際に、車内スピーカーのテスト用にこの曲を流していたそうです(https://www.tfm.co.jp/lock/sakana/onair/121105/)。
Bibioはフォーク、エレクトロなどの要素を持ったlo-fi寄りの楽曲を多くリリースしているイギリス出身のミュージシャンです。
サカナクションのインタビューを読んでいると度々登場するので、5人とも影響を受けていそうな印象です。
ギターの音をテープで録ったりしているらしいです。
サカナクションの楽曲では、例えば「ナイロンの糸」のイントロのギターっぽい音(実はシンセ)をBibioっぽい響きにしたということが2019年に発行されたファンクラブ向けの雑誌『NFMG 002』のインタビューで語られていました。
また、「ストラクチャー」でもアコギの音をサンプリングして使ったという点でBibioの影響があるようです(https://winter24.hatenablog.com/entry/2021/11/08/010229)。
山口一郎は2019年頃に北アフリカの音楽(Mdou Moctarなど)をよく聴いており、メディアでも度々それについての発言がありました(https://www.tfm.co.jp/lock/sakana/index.php?itemid=14100)。
盆踊りや民謡のような日本の雰囲気を感じて、何故そう感じるのかを研究していたそうです(https://www.tfm.co.jp/lock/sakana/index.php?itemid=15086%22)。
実は2018年頃にBTSのプロデューサーである“hitman” bangがアフリカ音楽に興味を持っているという情報を見たことがある気がするのですが、2018年8月にリリースされたBTSの“IDOL”のMVではアフリカの要素も取り入れられ、さらに韓国の伝統音楽も取り入れられた楽曲となっているため、この二人がアフリカ音楽に感じていたものは近かったのかもしれないと思いました。
この曲は2019年に発行されたファンクラブ向けの雑誌『NFMG 002』に掲載されていた各メンバー作成のプレイリスト(「今聴いている曲」)に入っていた曲です。
2022年にリイシューされたらしく、Apple Musicでも2022 Remasterとなっていました。
個人的にはサザンオールスターズの「神の島遥か国」のAメロがこの曲っぽい気がします。
2022年に発行されたファンクラブ向け会報誌(本)『NF BOOK 01』において、岩寺はコロナ禍で60年代から70年代のソウルやR&B、ジャズを中心に聴いていたと語っていました。
特にCurtis Mayfieldについては、「シンプルで、必要なものだけで構成されているからこそ面白い」「アルバム『アダプト』で各曲の音数がとても少ないのはこの影響が大きい」と語っていました。
実際、アルバム『アダプト』のNF member Limited Editionの特典ガイドブック『"GUIDE TO ADAPT” ~サカナクションが乗りこなした夜 2020-2022~』では、例えば楽曲「月の椀」のAメロは「極限まで音数を減らした」「ギターのフレーズは60年代ソウル的な世界観」と語られています。
サカナクションでは「モス」や「ショック!」といった楽曲でTalking Headsの要素を取り入れたということが山口一郎によりしばしば語られています。
いずれも特にパーカッションにTalking Heads感がある(「ショック!」のパーカッションはセネガル出身のパーカッショニスト、ラティール・シーが演奏しています)のですが、「ショック!」のBメロに関しては、Talking Headsのこの曲のBメロとメロディが酷似しています。
なお、パーカッションに関してはこの曲より“The Great Curve”の方が似ていると思います。
アルバム『アダプト』のNF member Limited Editionの特典ガイドブック「"GUIDE TO ADAPT” ~サカナクションが乗りこなした夜 2020-2022~」では、山口は「ショック!」について、「アフロビートのコンセプトからビッグバンドや昔の歌謡曲の要素が膨らんでいったが、メロディまでアフロビートに寄りすぎるとサカナクションらしさがなくなるため、Talking Heads的なメロディを取り入れることで調整した」と語っており、意識的に取り入れていたようです。
ファンクラブの動画コンテンツで岩寺がこの曲(とこの曲が収録されたコンピレーションアルバム)を紹介していました。
岩寺はXTCというイギリスのバンドの影響を受けている(ギターの参考にしている)ようなのですが、XTCのアルバム“Black Sea”について「一見普通のポップに聴こえるが、おかしなコード進行が使われていたりコード進行に対して変な音階が使われていたりして、一見綺麗だが毒があるところが良い」と言っていました。
今回のこの曲が収録されているアルバムは、XTCが名前を変えて架空のサイケデリックバンドとして出したものですが、同様に毒があって面白いとのことです。
この曲は全てが美しく今でもよく聴いているそうです(2018年時点)。
バンドであればThe Beatlesの影響を受けていないと言うことの方が難しいとは思うのですが、サカナクションでは「朝の歌」「シャンディガフ」といった楽曲でThe Beatlesを意識したアレンジがなされています。
この選曲は自分が好きな曲を選んだだけです。Gleeでのカバーも良かったです。
あまり直接的な影響を感じる気はしないのですが、今回色々と動画やインタビュー記事を見直す中で、メンバーが複数回The Cardigansからの影響に言及していました。
恐らく世代的にちょうどリアルタイムで聴いていたのではないかと思います。
Flight Facilitiesのところでも書きましたが、サカナクションの「アルデバラン」でThe Cardigansを参考にしていたようです(山口一郎のInstagram Live(2020/6/6)アーカイブより)。
Bloc PartyやKlaxsonsはNew Raveと呼ばれるジャンルを代表するバンドです。
New Raveはロックにダンスミュージックの要素を取り入れたもので、2000年代後半にブームがありました。
具体的には、BPM160-170くらいの四つ打ちの曲にピアノが入っていると1960-70年代のクラシックロックに聴こえる現象を上手くいかしたジャンルとのことです(山口一郎のInstagram Live(2020/5/29)アーカイブより)。
2021年11月?の山口一郎によるYouTube Liveでは「Aoi」という曲でドラムやギターの音の参考にしたと語っていたようです(参考:https://winter24.hatenablog.com/entry/2021/11/08/010229)。
また、「モス」でもNew Raveのサウンドが取り入れられています(https://www.tfm.co.jp/lock/sakana/mobile/i/index.php?itemid=13144&catid=17&ipage=7)。
サカナクションの楽曲では、上のほかに「ライトダンス」や「Klee」といった楽曲がNew Raveの影響を受けていると思います(他にもあるかもしれません)。
「ライトダンス」に関しては、2023/5/14の山口一郎によるYouTube生配信で、CSS(ブラジルのNew Raveバンド)の影響を受けていると語っていました。
New Orderは直接的にサカナクションのメンバーが影響について語っているわけではないのですが、ロックにテクノ要素を組み込むという意味で影響を受けていないわけがないと思っています(槇原敬之的なわかりにくい表現ですみません)。
また、メンバーに女性がいる点もなんとなく似ている気がします。
なお、山口一郎は、シングル『多分、風。』の初回盤DVDに収録されている「Kikidroom Session featuring LUKA」(モデルのLUKAを迎えた『「聴きたかったダンスミュージック、リキッドルームに」』のセッション映像)において、2016年のNew Orderの来日公演に行った(そこで以前サカナクションの「スローモーション」のMVに出演経験のあったLUKAと偶然会ったのがきっかけとなり、Kikidroom Sessionへの出演をオファーした)と語っていました。
この選曲は単純に個人的に好きな曲を入れただけではありますが、“Crystal”以降はエレクトロ要素が薄くなっている(最新アルバム(2015年)を除く)ので、サカナクションとの類似性という意味でそれより前の楽曲を選びました。
特に岡崎が影響を受けているようで、「ボイル」のAメロや「シャンディガフ」のシンセにJames Blakeの影響があらわれていると山口一郎が語っていました(前者は2020/6/5のInstagram Liveアーカイブから、後者はこの1年半ほどの生配信で度々言及しています)。
岡崎は特にメディア露出が少ないメンバーですが、ファンクラブの動画コンテンツでは高木正勝、Nujabesをよく聴いていると語っていました。
また、2022年に発行されたファンクラブ向け会報誌(本)『NF BOOK 01』において、コロナ禍に聴いていた音楽として、BLACKPINKも挙げていました。
サカナクションはグルーヴ感を非常に重視していると思うのですが、特にその源泉となっているのがベースだと思います(コロナ禍でYouTube Liveでの生配信楽曲解説が度々行われていましたが、そこではProToolsの画面を共有しながら特定の楽器の音だけを流していました。その際にベースの音だけを聴いているとグルーヴが強く感じられる気がしました)。
ここからは、草刈が影響を受けていると語っていた楽曲を集中的に流していきたいと思います。
この曲はTravis Scottというより映画『TENET』のサウンドトラックからの一曲として入れました。
2022年に発行されたファンクラブ向け会報誌(本)『NF BOOK 01』において、草刈はコロナ禍に聴いていた音楽として、その当時にリリースされたSilk SonicやTaylor Swiftを挙げていました。
また、コロナ禍で印象的だった音楽以外の文化的活動として映画『TENET』を挙げており、「音響的にも刺激になり、ダイレクトにサカナクションの作品に影響している」と語っていました。(自分は見ていないのでよく分かりません)
Nirvanaのカバー。
Robert Glasper Experimentはジャズ・ピアニストのRobert Glasperのプロジェクトです。
Robert Glasperに関しては草刈が影響を公言しているほか、2021年に発行されたファンクラブ向けの雑誌『NFMG 003』の中の今聴いている曲をプレイリストとして公開するコーナーで、山口一郎がこの楽曲を挙げていました。
また、江島はこの曲にも参加しているドラマーのChris Daveが叩いている楽曲を追って聴いていたそうです。Chris Daveは宇多田ヒカルの『初恋』やAdeleの“21”“30”にも参加していました。
山口一郎が「2019年に出会った曲ベスト5」の企画で挙げていました(https://www.tfm.co.jp/lock/sakana/index.php?itemid=14100)し、当時のInstagram Liveでもこの曲に言及していたと思います。
特にホーンを取り上げていたのですが、このホーンセクションはBeyoncé feat. Nicki Minajの“Flawless (Remix)”でサンプリングされていました。
したがって山口一郎はBeyoncéにも並ぶ世界水準のセンス(ただしこの曲に言及したのはBeyoncéがサンプリングしたのより随分後)を持っているのではと感心していました(?)。
Ariana Grandeによるカバーでも有名な曲です。
Thundercatはベーシストで、草刈が直接影響について言及している情報はないのですが、ベーシストとして影響を受けていないわけはない気がするので入れました。
ThundercatはドラマーのChris Daveが参加している楽曲もありますし、他のメンバーも聴いていそうな気はします。
ファンクラブの動画コンテンツで草刈は産休時にこの曲が収録されたアルバム“Black Messiah”(とD’Angeloのソロでの“Voodoo”)を聴いており、復帰後の演奏はこの影響を受けていると語っていました。
江島が影響を受けているドラマーのChris Daveも参加しています。
この曲は個人的にはリリース当時FMラジオでよくかかっていた印象がありますが、当時は良さがよく分からなかった気がします。
この曲は特に影響が明言されているわけではないのですが、サカナクションの「マッチとピーナッツ」に似ていると以前から思っていたので入れました。
Washed Outは、2019年にNF(山口一郎主宰のクリエイティブプロジェクト)が共同プロデュースしたNF in MIDNIGHT SONIC(サマソニの深夜イベント)に出演していた(つまり、NF側が出演者として呼んだ)ので、少なくとも多少は聴いているのではないかと思っています。
同イベントにはFloating Points(昨年の宇多田ヒカルのアルバムを共同プロデュース)も出演していて結構驚いた記憶があります。
ファンクラブの動画コンテンツとして公開されている当時のバックステージ映像では、Floating Pointsが“I’m a big fan of (this) band”と言っていました。
9月に発売されるサカナクションのカップリング&リミックス集にもリミキサーとして参加しています。
ミュージカル「CATS」のサントラからの一曲。草刈はファンクラブの動画コンテンツで、「小学生の時に観て歌詞を全部覚えるほどハマった」「(サカナクションの)(バック)コーラスを作るときに時々これ(「CATS」)を思い出して作る」と語っていました。
コーラスで言えば「ナイトフィッシングイズグッド」は(楽曲構成も含めて)“Bohemian Rhapsody”の影響が強く、この曲をきっかけにそれ以降もQueenからの影響を受けたコーラスワークが度々登場しているように思います。
サカナクションが(どのメンバーも)Daft Punkやフレンチハウスと同じくらい多大な影響を受けているのがRadioheadだと思っています。
実際「目が明く藍色」の曲構成は明らかに“Paranoid Android”の影響を受けていて、「壁」のサビのギターは“Creep”の影響を受けていると以前山口一郎が言っていた気がしますし、「新しい世界」のBメロのベースラインは“The National Anthem”を連想します。
ロックバンドがエレクトロミュージックを取り入れるという点ではアルバム“Kid A”の影響も感じます。
また、サカナクションのレコーディング・ミキシングを手がけるレコーディング・エンジニアの浦本雅史(サカナクションの6人目のメンバーとも呼ばれる)も『NF BOOK 01』の中で「(Radioheadのプロデュースを手掛ける)Nigel Godrichが好きで、特にNigel Godrichがプロデュースを担当するようになった“OK Computer”以降の作品に(個人的に)影響を受けている」と語っていました。
直接的に影響を受けていそうなRadioheadの曲は上で挙げたように色々とあるのですが、今回の企画では曲順の都合上(影響の大きさ的にも)ここにRadioheadを入れるしかなく、企画の最後に流して締まりそうな曲がこの曲しか見つかりませんでした。
この曲に直接影響を受けているかは微妙です。
本来ロックバンドなのでロックの楽曲がもう少し多くても良かったかもしれない(特に影響を受けていそうなのはOasis, Beckなど)と思うのですが、時間的にあまり入れられませんでした。
「普通のロックではない」というところがバンドとしてのメインテーマになっているような気もするので、普通のロックの楽曲は入れづらかったような気もしました。