春日学園 科学部

(背景画像は研究学園ができた1980年時点の春日学園の周辺の航空写真です)

春日学園科学部では、複数年にわたって一つのテーマを継続して調査する活動を行っています。「バーチャル吾妻まつり」では、そのうち2つのテーマを紹介します。

それぞれ、ポスターは画像になっていますので、画像の下のボタンからPDFをダウンロードして、研究成果をご覧ください。

研究1:急速に発展するつくば市中心の公園で,在来種タンポポが群生する理由を明らかにする。PART III

研究期間:2019年~(継続中)

(「1.研究の動機」より)

 外来種のセイヨウタンポポは,在来種のカントウタンポポやシロバナタンポポの生育環境場所を奪い,日本全国で繁殖していると言われていた。しかし,近年の研究から,私たちが身近に目にしている外来種のセイヨウタンポポであると思っていたタンポポは,外来種の花粉が在来種の柱頭につき,運良く受精してできた雑種のタンポポであるということが分かってきた。さらに,雑種のタンポポが,近年,急速に日本全国に広がっていったということも研究論文で書かれている。

 本研究は,TXの開通によって,急速に発展しているつくば市中心の春日地区において,急速に拡大したといわれている雑種タンポポ,そして外来種と在来種のタンポポの分布地図を作成したいと考え,3年前より研究,調査を行っている。昨年までの研究を通して,春日学園の隣にあるかつらぎ公園の中心部に在来種のカントウタンポポが特定の範囲にのみ群生しているとわかっている。

 どうして,かつらぎ公園の特定の範囲にのみ,在来種のカントウタンポポが群生しているのかの理由を探りたいと考えた。

 よって,かつらぎ公園における雑種セイヨウタンポポ,外来種のセイヨウタンポポ,在来種のカントウタンポポが群生している場所の環境要因の違いを明らかにするために,それぞれの場所の水分量,pH等の土壌の性質や温度,照度などを調査し,タンポポの生育場所と環境要因との関連性を知りたいと思った。

 そうすれば,在来種のカントウタンポポの群生の理由が分かるかもしれない。

 さらに,土地利用との関係,雑種の生育場所が急速に広がった理由,在来種のカントウタンポポが群生している理由も知りたいと思う。

活動風景

研究対象となったかつらぎ公園

研究2:生態系を脅かすマイクロプラスチックに関する研究 ~ 水質調査・発生源の解明・除去方法の開発~

研究期間:2020年~(継続中)

(「1.研究の背景・動機」より抜粋)

 現在,海洋プラスチックごみが海洋汚染や生態系に影響を与えることやごみが細分化されたマイクロプラスチックが高次消費者に蓄積し,生物に悪影響を与え,生態系を脅かしていることが問題となっている。そして,海洋マイクロプラスチックの発生源は,陸域や河川と考えられている。しかし,河川や沼のマイクロプラスチックに関する研究はあまり行われていない。よって,本学園科学部は,2018年度から継続的に調査してきた春日学園地区の自然環境・蓮沼川の水質調査・動植物の生息調査に加え,2020年度より,河川や沼におけるマイクロプラスチックに関する研究を行うこととした。

 水中マイクロプラスチックを効率的に安価で回収する方法を探ったり,除去方法の開発を行ったりしていきたい。

試料採取(蓮沼川)

研究対象の一つ、蓮沼川