公開シンポジウム

「野生生物と社会」学会第30回大会・早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター共催

大学生が地域を知る、命を考える

ー狩猟系学生サークルの可能性ー

日時：12月20日(土)　15:00～17:30

場所：早稲田大学国際会議場井深大記念ホール

参加費：無料

大会参加費を払わなくても、どなたでもご参加いただけます

　近年の野生鳥獣問題の深刻化にともない、野生動物管理の専門家育成は優先すべき喫緊の課題であるが、その一方で、今年のクマ市街地大量出没のように、都市部住⺠にとっても野生鳥獣問題は無縁ではなくなっている。専門家だけではなく、一般市⺠もこの問題に向き合う必要性が高まっている。そして同時に、出没個体の殺処分や有害鳥獣捕獲に対して賛否があったり、ジビエや菜食主義への関心が高まっていたり、「人間がほかの動物の命を奪うこと」に対して、改めて社会の注目が集まっている。さらに、地域連携や地方創生の側面からは、野生鳥獣問題やジビエを入り口とした地域おこし活動（関係人口の創出）が活発に事業化されるようになっている。

　このような社会的潮流は、大学生が自主的におこなうサークル活動にも影響を与えており、近年は、狩猟やそれらに関連する活動をおこなう「狩猟系学生サークル」が、全国各地で生まれている。当然ながらサークル活動は、野生動物管理の専門家育成プログラムとは異なるし、各サークルの活動目的は多様である。農業被害対策支援による地域貢献や、狩猟解体体験による命の教育など、特色ある展開を見せている。このような活動をとおして、大学生は何を感じ考え、変容しているのだろうか。また、その活動は、社会とどのように関連・接続しているのだろうか。　

　本シンポジウムでは、「狩猟」を入り口とする点が特色である「狩猟系学生サークル」に着目して、大学生の可能性を考える。野生鳥獣問題、さらに広くは「人と野生生物の共存」の観点から、大学生の活動の位置づけを議論したい。