■技術の革新や情報化の進展にともない,複数の業種,市場,技術等がそれぞれ相互に交流することによって新しい価値を生み出していく時代になり,将来的にも益々その傾向は強くなると考えられます。そのため、各地で異業種交流会をはじめ種々の研究会グループの活動が活発化し,多くの成果も報告されています.
現在,理化学研究所ならびに東京都立産業技術研究センターの表面技術の研究グループを中心に,イオン注入やイオンプレーティングなど真空を利用した表面改質に関する応用化研究を推進しております.表面改質技術は,従来もしくは通常の素材のみでは得ることのできない新たな特性を付与することを目的として,古くから多くの分野で利用されています.
特に近年,コーティング技術により耐摩耗性や耐食性,離型性,生体適合性等の特殊機能を有するトライボロジー特性付与の要望が強い,金型や工具をはじめとする各種機械・機構部品の開発,インプラント開発や,PVDやCVDを主体とした新しい表面改質手法やDLCほか多数の膜種の開発が活発に行われており,今後もその傾向は増大して行くものと思われます.それらを製品や部品に応用する際には,最適な成膜手法や膜種の選定が重要課題になりますが,ハード面での研究開発が先行しており,ソフト面での研究開発も含めたユーザーフレンドリーな総合的な新表面改質技術の実現へとつなげて行くための課題が多いと認識しております.
このような背景のもとで,平成6年度からコーティング技術とトライボロジー技術との双方向の相乗効果に留まらず,将来的にファブリケーション技術をも含めた新表面改質技術を目指して,技術情報収集,情報交換,研究協力等の活動を実施し,相互の技術力の向上,経営力の向上や技術者の養成を目的として定期的な研究会,シンポジウムを中心に活動して参りました.
さらに平成19年度からは,トライボコーティング技術とファブリケーション(ものづくり)技術との協業化を視野に入れた発展的な活動を展開しております.
この過程で,東京都板橋区を始め,ドライコーティング研究会,ものづくり指南塾や学協会と連携して各種イベントを活発に開催して参りました.
■「光学のまち」板橋区との連携
光学技術発祥の地として広く知られる板橋区.歴史に裏打ちされたその技術は昨今,要素技術として新たな産業分野で活用されているなど,着実に進化を続けています.
光学関連の技術者・研究者の更なる連携を生み出し,光学産業のイノベーションを促すべく「板橋オプトフォーラム(IOF)」を開催しています.
板橋区は,今後も成長が期待される光学産業に焦点を合わせ,地域産業全体の一層の活性化を推進していきます.
さらに,板橋区は以下に示す新産業・ベンチャー支援にも力を入れています.光学を始めとして,輝かしい歴史と技術力・製造力を持つ板橋の町工場と,新しいニーズを捉えるベンチャー・開発企業をつなぐ架け橋となることで,新産業の創出を図ります.
・ベンチャーの誘致
・いたばしベンチャーフォーラム・海外ベンチャーとの交流
(出典:板橋オプトフォーラム資料より)
•ドライコーティング研究会との連携
近畿高エネルギー加工技術研究所のドライコーティング研究会とはこれまで,13回の合同研究会を開催して参りました.
•ものづくり指南塾との連携
前橋商工会議所ものづくり指南塾と連携して,視察研究会や合同研究会を開催して参りました.
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