■演者:旭丘高校の現役天文部6名・・・岡田 颯仁さん、 石橋 鷹義さん、鈴木 陽仁さん、砂田 祐来さん、西松 幸世理さん、山本 峻也さん
■タイトル:「67代天文部活動紹介:世界一宇宙に近い高校へ」
■司会:市之瀬 敏勝さん (303・天文部)
今回のZoom講演は、最近の活躍がNHKなどでも取り上げられている旭丘高校天文部の現役高校生の皆さんを招待しました。本講演の開催にあたっては、元天文部員である谷 徹さんと市之瀬 敏勝さんの二人の大学教授が母校を訪れ、後輩たちに特別講義を行ってくれて実現しました。先輩から後輩へと受け継がれる思いが、今回の講演につながっています。(市之瀬さんには本講演開催の案内や司会も担当してもらいました)
谷 徹(307)元天文部長
市之瀬 敏勝(303)司会
旭丘高校天文部の紹介
天文部は、「世界一宇宙に近い高校へ」をテーマに活動を展開しており、アクティブな部員が数十名もいて、部員登録数は300名にのぼるそうです(300 ???・・・これは校内の一大勢力ですね)
部員たちはそれぞれの興味や専門性を活かして、下のスライドで紹介する三つのプロジェクトを精力的に進めています。そして、その自分たちの活動をホームページやSNSで発信しています。是非アクセスしてご覧ください
[1] スペースバルーン(SB) プロジェクト 2025
2024年にはスペースバルーン打ち上げに成功し、成層圏から「丸い地球」の撮影と観測を達成しました。この成果は部員たちの大きな自信となり、次なる挑戦へとつながっています。今年のプロジェクト2025では、さらに性能高め、地球の夜景の撮影を新たな目標に掲げています。そのPJT達成のために、外部との連携も活発にしており、大学研究室に出かけて機器の試験、企業からの機材の提供、自治体との調整などをし、さらにクラウドファンディングを通じて広く支援を募っています。SNS発信や地域イベント参加といった広報活動も行っており、今回の講演を含め、校外に開いた活動をしている姿勢が印象的です。
このスペースバルーン プロジェクト2025について、岡田さん、石橋さん、鈴木さんが説明してくれました。スライドは前半がPJTや機体の説明で、多くの工夫が詰まっています。後半はPJTの進行状況です。改良を重ねて8月には打上げ準備を完了したものの、風向からの航行シュミレーション結果を見て断念し、2026年春の打ち上げを計画しています。
岡田 颯仁 79期 / 高校二年生 67代部長
SB project 2025 PM
今年度の天文部を引っ張ってきた部長
石橋鷹義 80期 / 高校一年生
SBプロジェクト2025 通信系ディレクター
運航系も(飛行シミュレーション・航空局申請)
鈴木陽仁 79期 / 高校二年生
SBプロジェクト2025 運航系ディレクター
今年度の数理科学部を引っ張ってきた部長
スペースバルーンPJT2025は、成層圏までバルーンを打ち上げ、宇宙に近づく挑戦です。機体は三つの主要部分から構成されます
• バルーン部:耐寒性と浮力を兼ね備えた素材でヘリウム注入で成層圏まで上昇。上空でバルーンは膨らみ、計算した高さで破裂して落下する
• 搭載機器部:GPS、カメラ、センサーを収め、飛行データと映像を記録。回転を抑える装置も
• 回収部:パラシュートを備え、安全に地上へ戻す仕組み。前回は不具合があり、2025では改良
今年2025年8月に打上げ準備を完了したが、飛行経路が一部陸の上を通過する可能性が予測されたため涙をのんで延期しました。現在は2026年春の再挑戦に向け、経路解析や気象データの蓄積を進めています
今年の改良点として、機体の軽量化と耐久性の向上をしました。これにより、より安定した飛行と高精度の撮影が可能となります。特に夜景撮影に向けた赤外線カメラの調整を進めており、地球の新たな姿を記録することを目指しています。
[2] プラネタリウム プロジェクト
砂田祐来 79期 / 高校二年生 67代副部長
プラネタリウムプロジェクト PM
SBでは本体系パラシュート班長も兼任
西松幸世理 80期 / 高校一年生
プラネタリウムプロジェクト
SB2025の運航系(航空局への飛行認可申請を行う)
砂田さんと西松さんが中心となるプラネタリウムPJTは、手作りのドームと投影機を使い、保育園などで出張プラネタリウム公演をし、地域の子どもたちに星空の魅力を伝える活動です。
宇宙に触れられる体験を提供することで、子どもたちが目を★★にして科学への興味を持つ場となっています。
大昔からある古いの投影機と手製の段ボールのドーム型スクリーンによるプラネタリウム。それをより良いものにして、校外でも行えるようにする。そのための制作面での苦労が語られました。
投影機の精度を高めるための試行錯誤、ドーム内スクリーンの素材選びや光源調整、設置環境に合わせて簡単で丈夫にするための改良など、工夫しました。
科学館や教育委員会との協力も進めらるようになり、今後はより多くの地域でのプラネタリウム活動の展開が期待されます。
[3] TOP (望遠鏡・天天文台 プロジェクト)
山本峻也 80期 / 高校一年生
TOPプロジェクト
SB2025実験系で主にパラシュート実験を行った
望遠鏡や天文台の製作を目指すTOP(Telescope & Observatory Project)では、山本さんが設計から試作までの工程を紹介。部内での技術研修や専門家との交流を通じて、実践的な学びを重視した活動を行っています。小型望遠鏡の完成を目前に控え、将来的には自ら設計した天文台(山の家で!)観測を行うことを目標としています。
今回の講演会は、旭丘高校の今の天文部の活動とそれを行う現役高校生たちの情熱を伝える貴重な機会となりました。
形は違うけれど、旭丘のあの校風は受け継がれている気がしました。まあ、あの頃の私たちより遥かに大人で、社会に受け入れられる活動をしていて頼もしい限りです。
天文部の先輩から後輩へと受け継がれる思いと、空と宇宙をつなぐ彼らの挑戦は、今後も多くの人々の心を動かし続けることでしょう。これからの活躍が楽しみですね。まずは来年2026年のスペースバルーンの打ち上げ成功を祈っています!