油絵やアクリル画の魅力は、なんといっても表現の幅広さです。


どちらの画材も、写実的な表現はもちろん、水彩画のように薄塗りで仕上げたり、逆に絵具を塗り上げて重厚感を出したりと自由自在に楽しめます。


たとえば、これは数年前に私が油絵具で描いた作品です。

フランスのラスコー洞窟にある先史時代の壁画(「首から上が黒い雌ウシ」)をモチーフに、15×27センチほどの板に描きました。


ここでは特に表面の質感にこだわってみました。

砂を混ぜた絵具をペインティングナイフや筆で荒く盛り上げ、あえて凸凹のマチエール(絵肌)を作っています。


画材店では砂や炭酸カルシウムが市販されており、これらを絵具に混ぜると岩壁や漆喰のような表情を簡単に再現できます。

塗る作業そのものも、まるで左官職人になったような気分になれて楽しいです。

とくに普段は筆だけで描いている方にこそ、一度体験していただきたい面白さです。


また、絵具に混ぜるだけでなく、下地からザラザラした質感を作る方法もあります。

「ジェッソ」と呼ばれる水性塗料に砂やセラミック粉末などを混ぜて、描く前のキャンバスやパネルに塗っておくのです。

リキテックスなどでは、あらかじめ砂やガラスビーズが混ざっているジェッソも販売されています。


もちろん市販の材料に限らず、身近な素材を組み合わせて「オリジナルマチエール」を探求してみるのも、この画材ならではの醍醐味です。


新しい描き方や素材を試すと、思いがけない表現に出会えるものです。


「こんな下地で描きたいけれど、どうしたら良いかわからない」という方はいつでもお気軽にご相談ください!

失敗を恐れず、思いついたアイデアにどんどん挑戦してみましょう。