分野は、海洋生態学、水産資源生物学(藻場の群集生態学、海産無脊椎動物の生態学)。現在取り組んでいる主な研究は三陸の沿岸生態系における地震・津波の影響とその後の二次遷移に関する研究並びにアワビ類などの底生無脊椎動物の分類・生態と資源変動機構に関する研究。
詳細は以下のウエブサイトを参照ください。
http://www.shigenseitai.aori.u-tokyo.ac.jp/kawamura.html
2/20(月)10:00〜10:10
開会挨拶
名古屋大学大学院理学研究科大気水圏科学専攻修了 博士(理学)。専門は生物地球化学。海洋研究開発機構地球環境部門長を経て現職。北太平洋の高緯度域を中心に海底堆積物に記録されたバイオマーカーを用いた過去の環境(水温など)を解析する研究を行ってきた。現在は、北極海の海氷減少にともなう海洋生物の生産や生態系の応答を明らかにする研究などを実施。博士課程1年の時、第33次南極地域観測隊夏隊(文部技官)として南極に初めて赴き、極域の魅力にはまり2018年、第60次南極地域観測隊副隊長兼夏隊長として再び南極へ。
2/20(月)10:10〜10:20
国連海洋科学の10年シンポジウム趣旨説明/進行
北海道大学大学院地球環境科学研究科大気海洋圏環境科学専攻修了 博士(地球環境科学)。アラスカ大学国際北極圏研究センター,カナダ漁業海洋省海洋科学研究所を経て2010年11月東京海洋大学准教授に着任。海水中の様々な化学成分をトレーサーとして用いた海洋循環・物質循環研究を行っている。主な研究対象海域は極域。北極海と南大洋での航海観測経験は合わせて20回を超える。これらの航海で得た現場データをもとに温暖化による物質収支の変化や海洋酸性化を明らかにしてきた。日本海洋学会による「海洋学の10年展望2021:極域」の筆頭著者。
2/20(月)10:20〜10:40
「変わりゆく北極海の今とこれから」
北海道大学大学院地球環境科学研究科大気海洋専攻修了 博士(地球環境科学)。専門は海洋物理学、気候力学。気候系における海洋の役割に注目し、海洋循環の変動が海面水温変動を通じて大気へ及ぼす影響を主に数値モデルを用いて研究してきた。海洋研究開発機構アプリケーションラボにおいて気候の季節予測とその予測情報の応用に関する研究を行うグループをリードするとともに、文部科学省科学研究費補助金新学術領域研究「変わりゆく気候系における中緯度大気海洋相互作用hotspot」(令和元年度‐令和5年度)領域代表として中緯度域の大気海洋相互作用研究を進めている。
2/20(月)10:40〜11:00
「中緯度域の海洋と大気の相互作用」
東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻修了。博士(理学)。専門は海洋物理学。2005年に海洋研究開発機構にポストドクトラル研究員として就任,研究員を経て現職。大学院生の時より日本南岸沖を流れる黒潮の流路変動の研究を始め、西部北太平洋を中心に海洋、特に黒潮が気候変動に果す役割について観測データの解析をもとに研究を行ってきた。現在は、研究海域を赤道域から亜寒帯域まで広げ、海洋の気候変動への影響について研究を行い、黒潮源流域の変動の研究で国際観測プロジェクトであるCSK-2に参加している。
2/20(月)11:00〜11:20
「最近の黒潮研究と国際観測プロジェクトCSK-2の必要性」
東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻博士課程修了 博士(理学)。専門は海洋物理学・気候力学。東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻の研究拠点形成特任研究員、特任助手、特任助教、助教を経て2011年より現職。主に熱帯域から中緯度にかけて発生する様々な気候変動現象(エルニーニョ現象やインド洋ダイポールモード現象等)とその成長に寄与する大気海洋相互作用過程に関する研究や海洋表層循環に関する研究などを行っている。
2/20(月)11:20〜11:40
「熱帯域の気候変動現象のメカニズムと予測可能性」
東京大学大学院理学系研究科地球惑星物理学専攻修了 博士(理学)。専門は海洋物理学。東京大学気候システム研究センター助手および准教授を経て現職。海洋と海氷の数値モデルを開発しながら、グローバルな深層循環や極域海洋を中心に研究を行ってきた。大気海洋結合系や海洋物質循環の研究にも手を広げつつ、現在は、沿岸海域と外洋域の相互作用や陸域から海洋への影響を広領域で統合的に扱う研究を志向している。数年前に一念発起して機械学習を結構頑張ったが、実際の研究への応用を思い悩むうちにかなり忘れてしまった。
2/20(月)13:10〜13:30
「陸域および外洋域との相互作用の場としての沿岸海洋の普遍的理解に向けて」
気象大学校卒業。函館海洋気象台での2年間の勤務の後、現在まで気象研究所に勤務。在職中に京都大学博士(理学)を取得。専門は海洋データ同化。当初の気象研究所への配属理由はアルゴフロート観測データを同化する新たな海洋データ同化システムの開発であった。以後、継続的に海洋データ同化システムの開発に携わり、その成果は気象庁の海況監視予報および季節予報業務に活用されている。また、海洋・季節予測に対する観測データインパクトの検証に関する国際研究協力に長年参画し、2021年に「国連海洋科学の10年」プロジェクトSynObsの提案を主導。2022年6月の採択後は、代表として活動を推進。
2/20(月)13:30〜13:50
「海洋予測研究と海洋観測ネットワークへの貢献」
東北大学大学院理学研究科地球物理学専攻中退 博士(理学)。東北大学助手、講師、准教授を経て2009年より現職。オーロラや雷放電、スプライトなどの放電発光現象、自ら開発したセンサーを搭載した探査機や地上望遠鏡を用いた惑星観測、独自開発の50kg級超小型衛星を用いた農業・気象観測などを推進してきた。最近は、海洋プラスティックのリモートセンシングにも興味があり、五島列島でサンプルのゴミを拾い集める。衛星の開発・利用を途上国に広めるアジアコンソーシアムを設立し、フィリピンの1号衛星などの開発に貢献している。
2/20(月)13:50〜14:10
「超小型衛星による次世代海洋観測とその国際連携」
京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻修了。博士(理学)。専門は気象学。ハワイ大学国際太平洋研究センターポスドク研究員、横浜国立大学教育人間科学部准教授を経て現職。台風内部構造変化の力学的な研究や、台風発生メカニズムを解明する研究を行ってきた。現在は、台風研究専門の機関を設立し、人為的介入による台風制御の可能性を探る。修士課程1年の時、アジアモンスーンエネルギー・水循環研究観測計画(GAME-IOP)のチベット高原に参加して、気象観測を行ったことで研究の面白さにはまる。
2/20(月)14:10〜14:30
「台風制御研究と台風科学技術研究センターの紹介」
多摩美術⼤学卒業後ソニーに入社。ゲーム、ウェアラブル、スマートフォン、IoTデバイスをはじめ数々の商品企画を担当。現在はソニーグループ株式会社R&Dセンター先端研究部で研究員を務める。2020年からイベントベースビジョンセンサ(EVS)を用いた海洋粒子センシングの実証実験を開始。その後、文部科学省の主催する公募「海洋生物ビッグデータ活用先端技術」で採択されJAMSTECとソニーの合同プロジェクトで代表研究者を務める。
2/20(月)14:30〜14:50
「イベントベースビジョンセンサ(EVS)による海中粒子定量化技術開発」
北海道大学農学部卒業、帯広畜産大学大学院修士課程修了、東京都立大学理学部大学院博士課程修了 博士(理学)。専門は生態学。世界中の森林生態系を巡る長期フィールドワークと、ビッグデータやAIを活用したデータサイエンスによって、生物多様性の保全科学を推進する。研究チームでスタートアップ「株式会社シンクネイチャー」を起業し、日本の生物多様性地図化プロジェクト(J-BMP)やネイチャーリスク・アラートをリリース。2030年ネイチャーポジテイブを実現するためのテクノロジープラットフォームを構築し、生物多様性市場を創出することに挑戦している。
2/20(月)15:10〜15:30
「生物多様性ビッグデータを活用した海洋保護区の空間計画:30by30 目標とOECMの観点から」
東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻修了、博士(理学)。専門は気候力学。ハワイ大学国際太平洋研究センターポストドクトラル・フェロー、カリフォルニア大学スクリプス海洋研究所プロジェクト・サイエンティスト等を経て現職。大気循環変動や大気海洋相互作用の観点から、気候変動のメカニズムを観測データ解析や気候モデルシミュレーションにより研究してきた。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書第1作業部会報告書主執筆者を務めた。
2/20(月)15:30〜15:50
「気候変動の要因分析」
北海道大学大学院地球環境科学研究科大気海洋環境科学専攻修了、博士(地球環境科学)。専門は海氷リモートセンシング。タスマニア大学客員研究員を経て現職。衛星データでの海氷生産量推定手法に基づいた両極での海氷生産量マッピングの研究を行ってきた。現在は、温かい海が南極氷床を下面から融かすプロセス「氷床・海洋相互作用」を明らかにする現場観測研究を実施。博士課程1年の時、豪州主催の国際南極海氷観測に参加して以来、豪州南極観測隊に3回、日本南極観測隊に2回参加。2019年度には、東南極トッテン氷河沖において、「しらせ」による大規模海洋観測を指揮した。
2/20(月)15:50〜16:10
「氷床海洋相互作用」
東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻修了 博士(理学)。専門は大気海洋化学。名古屋大学大学院環境学研究科博士研究員、金沢大学環日本海域環境研究センター博士研究員、東京大学理学部助教、広島大学大学院生物圏科学研究科助教を経て2019年より現職。大気中に浮遊する微粒子「エアロゾル粒子」が海洋生態系や気候に与える影響について研究している。研究船を利用した外洋での大気観測の他、最近は広島の地の利を生かした瀬戸内海域でのフィールド研究に取り組んでいる。
2/20(月)16:10〜16:30
「大気海洋境界における物質循環:有光層から対流圏まで」
東北大学 大学院理学研究科 地球物理学専攻修了 博士(理学)。専門は海洋環境科学。日本学術振興会 特別研究員(RPD・PD)、国立環境研究所 特別研究員、海洋研究開発機構 研究員を経て、現職(仙台で、十数年ぶりの単身生活を満喫中)。世界中の海で測られたデータを数多く集めて統計解析することで、海洋環境の変動を調べる研究に従事。過去数十年間の間に、水温、栄養塩濃度、クロロフィル量などが、どのように分布しており、いつどこでどのくらい変化したのかを、全球規模で明らかにしてきた。近年は、海が吸収する二酸化炭素量見積もりの国際比較プロジェクトにも参加している。
2/21(火)10:00〜10:20
「データの蓄積が明らかにする海洋環境変化」
東京大学大学院農学生命科学研究科修了 博士(農学)。専門は海洋生物地球化学。学位所得後は東京海洋大学にて非常勤職員、助教を経て現職に至る。これまで高感度栄養塩分析法の開発と亜熱帯海域におけるナノモルレベル栄養塩動態に関する研究を行ってきた。2022年度より、東京海洋大学練習船を用いた西部北太平洋における海の砂漠化モニタリングをはじめている。地球温暖化により、海洋表層の昇温、成層強化、貧栄養化、生物生産弱化(海の砂漠化)が起こると予想されているが、実海域では本当にどうなるのか、物理・化学・生物海洋学を融合した最先端の現場観測により明らかにする。
2/21(火)10:20〜10:40
「実海域における海の砂漠化モニタリング」
京都大学情報学研究科社会情報学専攻修了 博士(情報学)。専門は水中生物音響学。中国、メキシコ、タイ、インド、デンマークなどで、水中の大型生物、主に小型鯨類(イルカ類)を対象とし、生物を定量的に観察する手法の開発および手法を用いた生態解明と環境影響評価に取り組んできた。現在は、生物が発する音を利用した受動的音響観察、動物に直接機材を装着して行動データを得るバイオロギング、ドローン等によるフィールド調査を、マレーシア、日本沿岸などで実施するとともに、水族館等の飼育施設における生物のストレス評価も行っている。
2/21(火)10:40〜11:00
「水中音響技術による海洋観測と生態系の可視化」
東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻修了、博士(理学)。専門は水産海洋学。JSPS特別研究員、JSTさきがけ専任研究者を経て、2020年より現職。シミュレーションを主な手法として、温暖化などの気候変動に応答する小型浮魚類の資源量変動メカニズムに関する研究や、定置網の入網量予測、養殖生簀中の魚のバイオマス計測手法開発など、沿岸部から外洋、養殖漁業から漁獲漁業まで、魚と海に関する様々な研究に取り組んでいる。
2/21(火)11:00〜11:20
「未来の水産業 −予測と漁業効率化−」
愛媛大学大学院工学研究科修士課程修了、博士(理学)。専門は海洋物理学。愛媛大学沿岸環境科学研究センター教授などを経て現職。海洋観測やモデリングによる全球海洋プラスチック汚染の動態研究を行ってきた。現在は数百μm以下の微細マイクロプラスチック(科研費/基盤S)や東南アジア海域の海洋プラスチック汚染(SATREPS)に関する研究プロジェクトなどを主宰している。国連/海洋環境専門家会合(GESAMP)海洋ごみWGメンバーや、海洋研究科学委員会(SCOR)海洋ごみWGフルメンバーなど。2019年/環境大臣賞、2020年/内閣総理大臣賞、2021年/文部科学大臣表彰、2021年/西日本文化賞を受賞。近著に「海洋プラスチックごみ問題の真実―マイクロプラスチックの実態と未来予測」DOJIN選書/化学同人。
2/21(火)11:20〜11:40
「海洋プラスチック研究における異分野や市民科学との連携について」
東京大学大学院農学生命科学研究科水圏生物科学専攻修了 博士(農学).2021年より現職.専門は分子生態学.分子マーカーやゲノム情報を用いて,ウナギやサケなどの回遊魚を中心に海洋生物の分子系統学的,分子生態学的研究を行ってきた.現在は所属する同センターの大槌研究拠点(岩手県大槌町)で三陸サケの研究を進める.また,同拠点では,三陸沿岸を中心に研究・教育プロジェクト「海と希望の学校 in 三陸」を展開しており,地元小中高等学校,自治体,企業等,地域と広く連携し,地域の海を識るための様々な体験学習・イベントを実施している.
2/21(火)11:40〜12:00
「海と希望の学校 in 三陸」から始まった
東京大学大学院農学生命科学研究科農学国際専攻修了 博士(農学)。海洋社会科学、特に住民参加型沿岸生態系管理論、地域発展論を専門とする。研究を研究だけで終わらせるのでなく広く社会に伝えるサイエンス・コミュニケーションの活動、それによる多様なセクターとの協働、超学際研究も重視し、自治体、民間企業、デザイナー、アーティストらと海の持続可能性について共に探索・発信している。また北太平洋海洋科学機関(PICES)のサイエンス・コミュニケーション委員会、ECOP(若手海洋専門家)委員会などに所属し、日本独自の人と海のつながりについて国際的にも広く発信している。
2/21(火)13:15〜13:35
「海洋科学と社会のコミュニケーションに関する可能性と課題」
京都大学大学院情報学研究科博士後期課程単位取得認定退学。全国水産技術協会研究専門員、早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構規範科学総合研究所招聘研究員。これまで、主に水中音響を用いた海洋生物や人間活動のモニタリングを実施。現在は海上衛星通信を含む海洋におけるデジタル化推進や社会との関わりについて、調査研究を行っている。また、海洋若手専門家(ECOP: Early Career Ocean Professionals)の一員として、日本を拠点として活躍するECOPの分野を超えたネットワーク拡大や、他国/他地域との橋渡しを進めるべく活動を行っている。
2/21(火)13:35〜13:55
「海洋若手専門家 ECOP のネットワーク拡大に向けて」
東京大学理学部物理学科卒。日経BPで日経エレクトロニクス記者、ナショナルジオグラフィック日本版副編集長、日経エコロジー編集委員などを経て、日経ESGシニアエディターを務める。2021年度から東北大学教授を兼任。生物多様性や自然資本、地方創生、SDGsとビジネスや金融などの分野を専門とする。持続可能な水産物に焦点を当てたアジア最大級のサステナブル・シーフードの国際シンポジウム「東京サステナブル・シーフード・シンポジウム(TSSS)」のプログラム・プロデューサーを2015年から務める。環境省中央環境審議会委員、ネイチャーポジティブ経済研究会委員。
2/21(火)13:55〜14:15
「生物多様性のネイチャーポジティブ実現に、企業や科学者、市民が連携を」