高水準の数学的リテラシー教育研究会

本研究会は、大学における「現実世界で数学を活用する能力の育成」を目的とする教育の研究に継続して取り組んでいます。「現実世界で数学を活用する能力」は初等・中等教育ではしばしば「数学的リテラシー」と呼ばれ、OECDのPISA調査による国別比較が有名です。本研究会が掲げる「高水準の数学的リテラシー」とは、この「数学的リテラシー」を大学レベルに延長したものですが、より明確には、「大学水準の教育内容とされる数学的知識・技能を活用して現実的な諸問題を解決する、認知領域と非認知領域を統合した能力」として捉えています。本研究会では、この「高水準の数学的リテラシー」の教育 (非理工系の学生も対象に含む) を「高水準の数学的リテラシー教育」と呼び、科学研究費補助金の支援を得て、その指導原理や授業デザイン原理の確立、教育実践の蓄積・普及に取り組んでいます。

[研究代表者]: 川添　充（大阪公立大学）、[研究分担者]: 落合洋文（名古屋文理大学）、五島譲司（新潟大学）、小松川浩（公立千歳科学技術大学）、高木悟（早稲田大学）、西誠（金沢工業大学）、羽田野袈裟義（山口大学名誉教授）

•  「学士力の基盤としての数学的能力の評価と育成」 (科研費基盤研究B, 代表：水町龍一, 2013～2015年度)

• 「「高水準の数学的リテラシー」概念下の教育デザイン・実施・継続的改善とその理論」　(科研費基盤研究B, 代表：川添充, 2016～2018年度)

• 「「高水準の数学的リテラシー」概念に基づく大学数学教育の教授法の開発」　(科研費基盤研究B, 代表：川添充, 2019～2021年度) 

• 「「高水準の数学的リテラシー」概念下の大学数学教育の実践的展開に関する総合的研究」　(科研費基盤研究B, 代表：川添充, 2022～2025年度)

関連する過去の科研費の成果も含め、順次、本研究会の成果を掲載していきます。

•  「大学教育の数学的リテラシー」（東信堂, 2017）

• 国際研究集会「高水準の数学的リテラシーのための大学数学教育」(2018.1.7-8開催) の報告集

• 科研費研究成果報告『「高水準の数学的リテラシー」概念下の教育デザイン・実施・継続的改善とその理論』

• 「高水準の数学的リテラシー教育ハンドブック」

• ICMI (International Commission on Mathematical Instruction) : International Mathematical Union (IMU) 傘下の数学教育に関する国際委員会。 

• ICME : ICMIが4年に一度開催する数学教育の国際学会。 

  • ICME-13(2016.7.24-7.31@ハンブルグ) ICME-13ウェブサイト
    ICME-13は発表論文が非公開となったため、ICME-13のウェブサイトで論文を閲覧することはできないが、 招待講演のビデオなどが公開されている。 

  • ICME-14 (2021.7.11-7.18@上海) ICME-14ウェブサイト
    当初2020.7.12-19の予定だったがCOVID-19により1年延期。2021年に対面とオンラインでのハイブリッドで開催。 

  • ICME-15 (2024.7.7-7.14, Sydney, Australia) ICME-15ウェブサイト

  • ICME-16 (2028.7.9-7.16, Prague, Czech Republic) ICME-16のウェブサイト

• ERME : European Society for Research in Mathematics Education。CERMEを主催。過去のCERMEの情報も公開されている。 

• CERME : ２年に１度行われるヨーロッパでの数学教育研究学会CERMEの定期大会。 テーマごとに分科会が立てられるが、TWG14が大学レベルの数学教育をテーマとしている。 次回CERME14は、2025.2.4～2.8にイタリアで開催。

  • CERME10 (2017.2.1-2.5, Dublin, Ireland)

  • CERME11 (2019.2.5-2.10, Utrecht, The Netherlands)

  • CERME12 (2022.2.2-2.6, virtual Bolzano, Italy)

  • CERME13 (2023.7.10-7.14, Budapest, Hungary)

  • CERME14 (2025.2.4-2.8, Bozen-Bolzano, Italy) ※2022がvirtualだったのでリベンジ開催だそうです。

• EARCOME：ICMIのregional conferenceとして、原則3年に一度開催される東アジアの数学教育国際会議。次回EARCOME9は、2025.7.18〜22に韓国ソウルで開催。

  • EARCOME7 (2015.5.11-5.15, Cebu, Philippines)

  • EARCOME8 (2018.5.7-5.11, Taipei, Taiwan)

  • EARCOME9 (2025.7.18-7.22, Seoul, Korea)

• INDRUM :２年に１度行われる大学数学の教育研究に関する学会(ERME topic conferenceとして開催)。

  • 正式名称は、Conference of the International Network for Didactic Research in University Mathematics。 2016年4月に第1回が開催された。各回の論文集はウェブサイトから入手できる。 次回は2026.6.15-19にクロアチア・ドゥブロヴニク(Dubrovnik)で開催。 

  • INDRUM2016 (2016.3.31-4.2, Montpellier, France)

  • INDRUM2018 (2018.4.5-7, Kristiansand, Norway)

  • INDRUM2020 (2020.9.12-19, Cyberspace (virtually from Bizerte), Tunisia)

  • INDRUM2022 (2022.10.19-22, Hannover, Germany)

  • INDRUM2024 (2024.6.10-14, Barcelona, Spain)

  • INDRUM2026 (2026.6.15-6.19, Dubrovnik, Croatia)

• DELTA : ２年に１度行われる南半球での大学レベルの数学・統計教育の学会。次回は2023年開催予定。

• RUME (Research in Undergraduate Mathematics Education) : MAA (Mathematical Association of America) の大学数学教育をテーマとするSIG (Special Interest Group) のウェブサイト。 

• CRUME : RUMEが毎年開催している大学数学教育の国際学会CRUMEの開催情報。 

• ICTCM (International Conference on Technology in Collegiate Mathematics) : 毎年アメリカで開催されている大学数学教育でのテクノロジー利用に関する学会。次回は2023年3月16〜19日、Denver, COで開催。 

• NCTM : NCTM (National Council of Teachers of Mathematics) のウェブサイト。 

• ICTMA (The International Community of Teachers of Mathematical Modelling and Applications) : ICMI傘下の数学的モデリングと応用に関するコミュニティ。2年に1回国際会議を開催。2022年はオンライン開催。2023年日本で開催予定(ICTMA21ウェブサイト)。次回は2025年スウェーデンで開催(ICTMA22ウェブサイト)。

• ICTMT (Internatonal Conference on Technology in Mathematics Teaching) : 数学教育におけるテクノロジー活用に関する国際会議。2年に1回開催。 

  • ICTMT13 (2017.7.3-7.6, Lyon, France)

  • ICTMT14 (2019.7.22-7.25, Essen, Germany)

  • ICTMT15 (2021.9.13-9.16, Copenhagen, Denmark)

  • ICTMT16 (2023.6.7-6.10, Athens, Greece)

• IGPME (The International Group for the Psychology of Mathematics Education) : ICMI傘下の国際グループ。1976年発足。国際会議PMEを毎年開催。次回2024年はニュージーランドで開催予定。

• MERGA(Mathematics Education Research Group of Australasia) : 毎年コンファレンスを開催。過去の論文集はWebに掲載されている。

• "The Learning and Teaching of Calculus Across Disciplines" conference (5-9 Jun 2023 Bergen, Norway)

• FAME (Feedback and Assessment in Mathematics Education): 評価に関するERME topic conference

  • FAME1 (2024.6.5-6.7, Utrecht, The Netherlands)

• MEDA (Mathematics Education in the Digital Age): テクノロジー活用に関するERME topic conference

  • MEDA1 (2018.9.5-9.7, Copenhagen, Denmark)

  • MEDA2 (2020.9.16-9.18, Linz, Austria)

  • MEDA3 (2022.9.7-9.9, Mitra, Slovakia)

  • MEDA4 (2024.9.3-9.6, Bari, Italy)

• 数学教育の国際学術誌(大学レベル含む) 

  • International Journal of Research in Undergraduate Mathematics Education
    大学数学教育に特化した学術誌 

  • Educational Studies in Mathematics
    数学教育全般 

  • International Journal of STEM Education
    STEM(Science-Technology-Engineering-Mathematics)教育に関する学術誌 

  • Journal of Research in Mathematics Education
    NCTM(National Council of Teachers of Mathematics)発行 

  • International Journal of Mathematical Education in Science and Technology
    Delta conference (the biennial Southern Hemisphere Conference on Teaching and Learning Undergraduate Mathematics and Statistics) の特集号が出る 

  • Épijournal de Didactique et Epistémologie des Mathématiques pour l’Enseignement Supérieur (EpiDEMES)
    大学レベルの数学教育研究を対象とする、数学教育研究者と大学の数学教員向けのopen access journal。2019年創刊。

  • Hiroshima Journal of Mathematics Education (HJME)
    大学レベルの数学教育研究の論文も掲載される。Online journal (open access)。

  • Asian Journal of Mathematics Education
    ICME-14後に創刊された学術誌。