木村明洋 B研 助教
名古屋大学大学院 理学研究科
理学専攻 物理科学領域 B研
Akihiro Kimura, Assist. Prof., B Lab.
Department of Physics, Graduate School of Science, Nagoya University
木村明洋 B研 助教
名古屋大学大学院 理学研究科
理学専攻 物理科学領域 B研
Akihiro Kimura, Assist. Prof., B Lab.
Department of Physics, Graduate School of Science, Nagoya University
植物や光合成バクテリアは、太陽光のエネルギーを効率よく物質の化学エネルギーに変換する事がよく知られています。自然、あるいは生物は、進化という「頭脳」を用いることによってきわめて優れたエネルギー変換システムを作り上げてきました。現代の自然科学の発展によって少しずつその機構がわかってきましたが、あまりにも巧妙に仕組まれたこのような生体装置が、どのようにして作られ、どのようにして働くのかについては、まだまだ謎があまりにも多いのです。
(旧TB研HP googlesites版より)
最新情報:
第33回「光合成セミナー2026」(6月27-28日 於 神戸大学)でポスター発表予定。(2026/06/19)
日本物理学会2026年春季大会(3月23-26日 オンライン)でY., N.氏が口頭発表しました。(2026/03/24)
第67回日本植物生理学会年会(3月13-15日 於 明治大学 )で口頭発表しました。(2026/03/13)
Photosynthesis Researchに研究論文 が掲載されました。(2026/01/28)
研究プロフィール
タンパク質の3次元立体構造から光合成のエネルギー変換の仕組みを理解する
植物や光合成細菌は、太陽光を吸収し、そのエネルギーを生命活動に必要な化学エネルギーへと変換しています。この過程では、光を吸収したクロロフィルなどの色素分子で生じた電子励起エネルギーが、光捕集タンパク質の中を移動し、最終的に反応中心タンパク質内で電子移動を引き起こします。
私たちは、反応中心や光捕集タンパク質中の電子励起した色素分子がどのように相互作用してその電子励起状態を変化させていくかを調べています。特に3次元色素配置の構造情報に基づいて電子状態やエネルギー移動の経路を解析することで、光合成が高効率で機能しくみを分子レベルで理解することを目指しています。
多様な光合成システムのしくみと進化を探る
光合成のしくみは、生物の種類や生育環境によって大きく異なります。可視光を利用する一般的な光合成系だけでなく、遠赤色光や近赤外光といった波長の長い光を利用する生物もいます。
私たちは、さまざまな光合成システムを比較し、使われる色素、反応中心の構造、エネルギー移動の経路の違いが機能にどのような影響を与えるのかを調べています。これにより、光合成生物が環境に対してどのように適応し、進化してきたのかを理解することを目指しています。
量子散逸系の物理で多様な光合成反応初期過程を解析する
光合成で起こる励起エネルギー移動や電子移動は、量子力学的な性質をもつ分子が、周囲のタンパク質や熱揺らぎと相互作用しながら進む過程です。つまり、エネルギーは孤立した分子の中だけで動くのではなく、環境との相互作用を受けながら流れていきます。
私たちは、このような現象を 量子散逸系 として捉え、理論モデルと数値解析を用いて研究しています。色素分子間の相互作用、エネルギー準位、タンパク質環境による揺らぎや緩和をモデル化し、反応中心内の色素系で励起エネルギーがどのような経路を通って移動し、なぜ効率よく反応中心へ到達するのかを解析します。
この研究では、基礎的な量子力学/統計力学/反応速度論/数値計算を組み合わせます。物理・化学・生物の基礎を活かしながら、光合成反応初期過程の生命現象を数理的・計算科学的に研究しています。
(参考:一般社団法人 日本生物物理学会 HP / 教育 / 生物物理について/ 電子移動・励起移動)
研究紹介:
名古屋大学研究者プロフィール , researchmap, Google Scholar, Kudos, ResearchGate
博士(前期、後期)研究指導実績
2025年度
Y., N. 「多様な光合成光捕集過程における励起エネルギー移動解析の新たな近似手法の開発」(M論)
2023年度
S., W. 「光合成 I 型反応中心の励起子モデル 修正法の確立と光捕集機構解析」(M論)
2022年度
N., Y.「遠赤色光に適応したクロロフィル fを含む光化学系 I における 光捕集機構の解析」(M論)
2017年度
T., H.「励起移動・電子移動反応系での非線型量子マスター方程式の導出と応用」(M論)
I., K.「光合成アンテナ複合体の 単一分子励起スペクトルの形状に関する理論的研究 」(M論)
2016年度
M., T.「LH2 複合体の励起スペクトルの形状 に関する考察 」(M論)
2014年度
F., Y.「励起移動における変分マスター方程式理論の改良」(D論)
2010年度
F., Y.「光化学系II二量体における励起移動の理論的解析」(M論)
H., T.「Photosystem I内におけるRed Chlorophyll間の励起エネルギー移動についての解析」(M論)
学士、修士、博士取得後の主な就職先
電気・ガス業、製造業、銀行業、情報・通信業、大学院進学、研究職
The figure of LH2 has been rotating clockwise since 1998.