諸事情あってドゥシェと契約関係を結んでいる遊び人
独りで生きる強さも欲しいし、運命の人との出会いもしたい
強気だが人思いでもある。周囲に比べて人間らしさがかなりある。
強くなりたい、という闘志に燃える反面、乙女な部分もあり少しロマンチスト。紳士的な人が好き、でも面食い。
強くなりたい、と思うようになったのは家族を失ってからだった。この残酷な世界で生き残り、幸せを掴むには強くあらねばならないのだと、察したのだ。
しかし、家族のことはあまり記憶になく、物心つく前から離れ離れになったのだと察している。だが、家族がいたのは確実だ。
ドゥシェの元に行く前は、孤児院のような保護施設におり、そこでのうのうと生きていた。だが何かを受信したかのようにシェウォンは動き出す。
———このままではいけない!
自由時間にひっそりと外に抜け出し、案も何もなかったが、とりあえず強そうな組織に入れてもらおうと歩みを進めていた。
———まぁ、勇気など出なかったが。
自分の精神力の弱さにも気づき、どうにもできずとぼとぼ帰る、が、その帰り道に何やら妖しい雰囲気を感じ取った。言語化できぬ、そんなものを感じ取ったのだ。
ドゥシェと名乗る男性に声をかけられ、正直者なシェウォンは事情を話す。ドゥシェは、手を差し伸べた。
彼は人ならざる者らしい、そして、過去に討たれたかの有名な妖怪でもある、と。
半信半疑でついていくと、その嘘のような事実を受け入れざるを得なかった。
「シェウォンと言ったか。オマエのその願いを叶えることに協力をしよう。契約というものだ」
シェウォンは、もうこれしかないと思い、すぐに諸諾をした。
「あたしはシェウォン!ふっふーん、ただの人間じゃないからね、強いんだから!」
「わっ!あの人かっこいい……俳優さんとかかな?」
「バカにしないでもらえる?あたしは子供じゃないの。あなたなんて一瞬でボコせるんだから」
「すごいこと浮かんじゃった!聞きたい?えー、どうしよっかな〜!」