関東陸軍衛生部に属する軍医中佐
過去に下士官を引き連れて事件の未遂をしたことがある
自身の好奇心に素直。人間観察が何よりも好きで、故に奇行を繰り返している変人。
善人とも悪人とも言えないが、彼は相手を否定することは滅多にない。人、事象を肯定的に捉えがち。
特に冴賀玲都には異常とも言える感情を抱いているようだ。
庶民の家庭に産まれる。両親は当時から影響力のあった軍隊に息子を配属させようと、珠李に医者の道を強制させた。
子供として愛されている、というより、貴重な出世材料として重宝されいるようだった。親の機嫌も、珠李の勉強具合、成績により大きく変動するのが証拠だろう。
親の機嫌取りは本人も意識したもので、顔色をその都度確認し、無意識のうちに観察力も鍛えられていた。
その延長か、若しくは楽しみを与えられなかった結果か、彼は人間観察に楽しみと喜びを覚えるように。暇さえあれば周囲の人間を観察した。
子供の頃は周囲の家庭との差に絶望し、人間の汚さに嫌悪を覚えたものだが、今となっては人間を肯定的な目で見ている。
様々な人間がいて、様々な生き方があって、時に勇敢と愚直さは紙一重。
そんな人間が面白くて、大好きだ。
陛下でさえ恐れた関東陸軍。そんな彼らと共に過ごしていた珠李は、ふと思い立ってしまった。
(現人神は、本当に恐れを成すのだろうか……?)
彼の好奇心は誰にも止められない、それを抱いた本人でさえ。
国のトップに不満を覚えている兵士たちはよく見かけ、接触する機会もあったため、珠李は彼らに提案をした。
「その不満、溜め続けるのもよくないだろ? 俺が先導しよう。我が国を変えるんだ」
しかし彼らは無念にも未遂という結末を迎え、同時に珠李は危険視されることになる。軍に属せているのも、奇跡と言っていいだろう。
「戦争は究極の外交だって……面白いよなぁ。ははっ、”究極”の先にあるものを俺は見たくてさ」
「俺自体はどうでもいいんだ。ふふっ、ただ……もうちょぉっと人間様を見ていたいなぁ」
「あー…何歳だったかな、俺。数えるの忘れててさぁ……多分30ぐらいかな」
「あんたほんっと……その傷口、触れていい?……ああ、治療もするからさ」
「いろんな人の話が聞けるからさぁ、軍医って案外楽しくて。……ああ、そうそう。俺が今軍に所属できてるのって奇跡なんだってね。確かに上官たちとは距離が近くなったし、なんか特別なんだろうな〜、俺」(※監視されてるだけ)