かなりヤンチャな性格、強気。しかし筋は通っており、正義感もそれなり。無意味に暴力は振るわない。
普通の喧嘩も強い上に、口喧嘩も強いためかひっそりと恐れられていたりする。
その恐れがいつか誰かを守れるのなら……と思っているので、実はかなりの善人である。
晴は今でこそ不良となっているが、中学まではかなり真面目な優等生であった。
小学生の頃から塾に通い、成績もそれなり。しかし、悪くはないが特別ずば抜けているわけでもなかった。
でも成績に関しては褒められてばかりだったので、正直悪い気はしていなかったのである。高校も偏差値が高いところを薦められ、無事に合格だってした。
———しかし、合格がゴールではないのは、本人もどこかで分かっていた。
授業はついていけた。たまに分からない箇所もあったが、まぁまだ出だしだ。そう焦ることはない。
———。
高校生になり初めてのテストが配られた。分からないところがあり———いや、分からないところだらけだ。
赤点は回避したものの、点数はかなり低い方。周りも難しいなど言っている者は見かけなかった。
いや、言っていないだけかもしれないが———。
ふと、斜め前の生徒のテストが見えてしまった。———、
自分は、いわゆる井の中の蛙だったのだろう。
テストを親に見せれば怒られるだろう、頑張ったなど言っても認めてもらえないだろう。
今までの好成績は、のちの自分を苦しめることを知らずに、調子に乗っていたのかもしれない。
瞬間、何かが切れた。
何もかもが嫌になった。
”優等生”の面影は、この時に消え失せたのである。
勉強も成績も、何も考えたくない。高校3年生になっても、この恐怖心は消えないままだ。
「あーはいはい、毎度ご苦労様だな、わざわざ俺を探し出してさ。で、今日のお言葉はなんでしょうかね」
「うわっ高いなこのチョコ。んだよ……デパ地下じゃねぇんだぞ……」
「赤点回避〜!はは、授業は出れる時に出てるからな。案外話聞けば余裕」
「かったりぃ……ほんと。あーあ!どうしようもねぇな!俺って、さ」