『植物の季節を科学する: 魅惑のフェノロジー入門』の刊行によせて
研究エッセイ本『植物の季節を科学する: 魅惑のフェノロジー入門』が発売されました!
植物は季節の移ろいと共に、新芽を広げ、花を咲かせ、実をつけます。こうした植物の季節的な変化は、非常にダイナミックであるにも関わらず、往々にして、日常生活における「風景」としか捉えられていません。その豊かさや複雑さ、面白さを知ってほしい! そんな思いで、本書を書きました。
本書は、堅苦しく言うと「自然科学の啓蒙書」に分類されますが、むしろ「研究エッセイ」と呼ぶ方が適していると思います。本書の前半では、植物の季節的な変化に関する基本的な説明から始まり、これまで私が取り組んできた調査や研究、後半では現在、私が所属する国立科学博物館の標本室やそこに収蔵されている標本群、私たち研究者が研究成果や専門的な知識を発信する活動を紹介します。それらの端々に、当時学生であった私と博士号を取得したばかりの新米研究者である私が率直に感じ、考えたことを書きしたためました。そして、本書は、「はじめに」から「あとがき」までの流れが、一つのストーリーになっています。
本書が、本書を手に取ってくださったみなさまの日常生活を彩る一助となり、植物の季節的な変化に興味を持つきっかけとなれば幸いです。
2024年11月16日
ACADEMIA イーアスつくば店様に作っていただいた本書のコーナー
コーチャンフォーつくば店様にも面陳いただきました