この度は秋田公立美術大学4年アーツ&ルーツ専攻つちのこの成果展『曖昧模糊模糊茫洋茫洋(あいまいもこもこぼ〜よぼよ)』にお越しくださいまして、誠にありがとうございます。

4年アーツ&ルーツ専攻つちのこの成果展『曖昧模糊模糊茫洋茫洋』は、新型コロナウイルス拡大防止の観点により会場での一般公開中止との運びとなりました。

つきまして、今回はオンラインでの公開という形となりましたが、そもそも曖昧模糊模糊茫洋茫洋なんてケッタイな言葉、聞いたことないですよね。


これは我々、アーツ&ルーツ専攻4年の面々がジェットスキーでパタゴニアにひとっとびした時、太平洋の真ん中で拾ったラッパのマークの正露丸の瓶に入っていた言葉です。

ひどく魔訶不思議な言葉ですよね。文献によれば盗賊がお宝を隠した洞窟の前で、「曖昧模糊模糊茫洋茫洋!」と叫ぶと洞窟の入り口は開くそうだし、どこか心細い晩秋の日暮れには「曖昧模糊模糊茫洋茫洋」に火を灯して過ぎし年月を偲ぶ風習がある地方もあるそうです。

曖昧模糊はあやふや で、ぼんやりとしている様子を意味し、茫洋は広々として限りの無いさまを表現する言葉です。あんまり、良い意味では使いませんよね。だけれど、あやふやなことや答えのないことは、本当にいけないことでしょうか。一つの答えなんて、この世界のどんな隅っこをつついたって本当は、どこにもないのかもしれないし、曖昧であるということは、どんな形にだってなれるということです。


私たちは曖昧模糊模糊で、茫洋茫洋。時には水のように流れ、風のように千里を走り、どんな形にだってなれるのです。そんな、ちょっと正露丸臭い言葉を大切にして、私たちはこの展覧会を作っています。再びこの言葉をラッパのマークの正露丸の瓶に詰めて大海へ放つとき、私たちの背中がちょっぴり大きくなっていることを祈ります。

今回『曖昧模糊模糊茫洋茫洋』はたくさんの方々のご厚意と手助けを得て無事に開催することが出来ました。最後とはなりましたが、多くの手助けと助言を下さったすべての方々に深く感謝申し上げます。

曖昧で、模糊模糊で、茫洋茫洋な現代に向けて、私たちからひとつの流し手紙です。





秋田公立美術大学4年アーツ&ルーツ専攻
つちのこ一同

展示風景

360度カメラで、実際の展示会場の180度の動画を制作しました。
木星がラッパに模糊模糊したせいで正露丸が混ざってしまったため、本来は360度撮影できるカメラなのに、180度の動画を制作してしまったことをここにお詫び申し上げます。