"ナギナタアリ" Opamyrma hungvuong Yamane, Bui & Eguchi, 2008
In Pu Hoat Nature Reserve, Vietnam
"ナギナタアリ" Opamyrma hungvuong Yamane, Bui & Eguchi, 2008
In Pu Hoat Nature Reserve, Vietnam
山田 藍生の個人ウェブサイトです。東南アジアのアリ類の多様性生物学・分類学的研究を行っています。
Latest News
2025/4/10: ベトナム北部におけるムカシアリ亜科の4新種の記載を含む共著論文がEuropean Journal of Taxonomy誌に掲載されました。
2024/12/29: 台湾におけるカタアリ属の一種Dolichoderus thoracicusの外来系統の侵入と在来系統との交雑について、ゲノムワイドデータで調べた共著論文が Journal of Economic Entomology誌 に掲載されました。
2023/1/30: 琉球列島に生息するサカグチオオヒラタコメツキAnthracalaus sakaguchiiの幼虫期を初めて明らかにした共著論文がEcology誌に掲載されました。佐藤臨さん(都立大・筆頭著者)、岡宮久規さん(ふじのくに地球環境史ミュージアム)との共著です。私は主に幼虫形態の観察の部分で協力しました。プレスリリースはこちら。
2023/12/11: ベトナム北部~中国南部から知られている、極めて稀な一属一種の謎めいたアリ、”ナギナタアリ” Opamyrma hungvuong (ムカシアリ亜科Leptanillinae)のムカデを狩る生態について初めて観察した論文がAsian Myrmecology誌 に掲載されました。
2023/11/16: 東南アジアのジャワヒゲブトアリRhopalomastix javanaの隠蔽種について幾何学的形態測定(Geometric Morphometrics)とDNA解析(COIバーコーディング・MIG-seq)を用いて調べた共著論文がPeerJ誌 に掲載されました。Wendy Y Wangさん(シンガポール、リー・コンチェン自然史博物館)との共著です。
2023/11/10: これまでアフリカ・マダガスカルからのみ知られていたモンクビレハリアリ属 Eburopone(サスライアリ亜科Dorylinae)の新種をベトナムから記載した論文がZookeys誌 に掲載されました。東洋区・アジアにおける本属の初の記録となります。
E-mail: aiki.ymd@gmail.com
Ph. D.
Visiting Researcher at Systematic Zoology Laboratory, Department of Biological Sciences, Graduate School of Science, Tokyo Metropolitan University, Tokyo, Japan
Reserchgate: https://www.researchgate.net/profile/Aiki_Yamada2
ORCiD: https://orcid.org/0000-0002-2141-0661
1993年
出生
2009年4月-2012年3月
神奈川県立松陽高等学校
2012年4月-2016年3月
首都大学東京 (現・東京都立大学 )都市教養学部 理工学系 生命科学コース
動物系統分類学研究室/学士(理学)
2016年4月-2018年3月
首都大学東京 (現・東京都立大学 ) 大学院 理工学研究科 生命科学専攻 博士前期課程
動物系統分類学研究室/修士(理学)
2018年4月-2022年9月
東京都立大学(旧・首都大学東京) 大学院 理学研究科 生命科学専攻 博士後期課程 (単位取得後退学)
(2020年4月-2022年3月 日本学術振興会 特別研究員 DC2)
2022年9月-2023年3月 東京都立大学 理学研究科 生命科学専攻 リサーチ・アシスタント(RA)
(2023年3月 博士 (理学) 取得 (東京都立大学))
2023年4月-2023年3月 東京都立大学 理学研究科 生命科学専攻 特任研究員
2023年4月-現在 東京都立大学 理学研究科 生命科学専攻 客員研究員
*現在、アリとは関係のない分野で研究職についており、以下の研究は個人的な趣味として余暇に行っています。現在の仕事に関わる内容は本サイトには載せていません。
東南アジア、特にインドシナ半島東部をフィールドとしたアリ類の多様性生物学・自然史研究
Biodiversity of ants (Hymenoptera: Formicidae) in the south-east Asia, especially focusing on the eastern Indochina
アリ類(膜翅目アリ科)は地球上で最も進化的・生態的に繁栄しているといわれる真社会性昆虫であり、その生き様や姿かたちには驚異的な多様性が見られます。アリ類の多様性・自然史は温帯地域においては比較的解明が進んでいますが、その多様性が集中している熱帯地域においては解明が遅れています。私は生物多様性の宝庫である東南アジア、特にインドシナ半島東部(ベトナムとその周辺)をフィールドに、アリ類の多様性・自然史の解明を目的とした研究を行っています。現在は特に、ムカシアリ亜科Leptanillinae、サスライアリ亜科Dorylinae、フタフシアリ亜科Myrmicinaeの一部の属に焦点を置いた研究を進めています。
形態的に分化した有翅の女王と無翅のワーカー(=働きアリ)を同じゲノムから生み出すことのできるカースト多型は、アリ類が獲得した種々の特性の中でも最も顕著なものです。アリ類ではしばしば形態的に極端に分化したカーストが進化していますが、このような現象はワーカーが飛翔能力を保持している他の真社会性膜翅類(スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチ等)では見られません。ワーカーの無翅化によって飛翔に係る制約から解放されたことが、アリ類におけるカースト形態の特殊化・多様化を大きく促したと考えられています。また、飛翔能力を完全に喪失した女王が様々なアリで繰り返し進化しており、これも他の真社会性膜翅類では見られない興味深い現象です。非飛翔性女王の進化はコロニー創設時の女王の移動分散を制限し、系統分化・種分化にも大きな影響を与えてきた可能性があります。こうした現象に着目した研究にも取り組んでいます。