行動センシングシステム

「見えない力」の「見える化」をめざす。

インターネットの高度化が著しく進む現代、多くの情報を簡単に手に入れられるようになりました。この現状は教育分野にも及びはじめ、過去の多くの生徒のテストの間違いパターンを学習し、いま勉強をしている子どもの間違い方から理解不足のポイントを推定し、適切な学習課題を示してくれる人工知能(AI)は、いまでは塾だけでなく公教育にも導入されようとしています。

一方で、教育の目指すものは知識などの見える能力の育成だけではありません。それは「心情・意欲・態度」といった学習の背後にある人間性の基盤的能力、つまり「人間力」の育成です。「人間力」は解釈が難しく、数値化も困難な「見えない力」です。例えば、問題にぶつかったとき、めげずに挑戦し、工夫して、相談して、協力して、最後までやりとげる力。このような能力は、「非認知能力」とも呼ばれ、人の生涯に大きく影響する能力としていま注目されています。

玉川大学大森研究室では子どもの非認知能力の育成、そして子どもの「見えない力」を育てる教育環境の理解と解明への探求、つまり「見えない力」の育ちの「見える化」を目指し、 子どもの行動をデータ化するための人工知能センサー「行動センシングシステム」と呼ばれる装置を開発しました。

この装置から個々の子どもの行動データを取得して、分析することで、未来の保育・教育実践および研究支援に役立てることを目指しています。