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風間と歌川（BL）

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歌川「風間さん、もし嫌じゃなければ、俺にキスしてくれませんか。」風間は体を起こし、歌川にキスをする。

翌朝、風間がコーヒーを淹れている。

歌川「おはようございます。」風間「おはよう。体調はどうだ？」歌川「もう大丈夫です。」風間「ならよかった。洗面所は自由に使ってくれ。」歌川「はい。」

二人はリビングのテーブルに腰かける。風間「なにか食べたいものがあったら言ってくれ。」歌川「ありがとうございます。」風間「すこし話したいことがあるんだが。」歌川「はい。」

風間「俺は、家族や友人への気持ちと、恋愛的な感情との差違がわからない。誰かに対する好意を恋愛だと捉えるのが俺には難しいんだ。俺がおまえを好きということは嘘じゃない。でも、おまえが俺に対して抱いている感情とは違うかもしれない。こんなこと言って困らせて悪いな。考え方の違いでおまえを傷つけてしまう前に言っておきたかっただけなんだ。」歌川「風間さん。」

歌川「俺、風間さんの恋愛指向のせいで困ったり傷ついたりなんてしませんよ。むしろ教えてもらえて嬉しいです。」風間「そうか。おまえはいつも優しいな。」歌川「俺が高校生のとき風間さんにカムアウトしたの覚えてます？。風間さんは俺の話を一度も遮らずに真剣に聴いてくれて、最後にこう言ってくれましたよね。『俺はおまえの味方だ』って。だから俺もそうするんです。」

歌川「風間さん、俺、風間さんのこと知れてほんとうに嬉しいんです。ゆっくりでも少しずつでもいい。これからもっとたくさん風間さんのこと知りたい。」

風間「そうだな。俺もおまえのことをちゃんと知りたい。もう上司と部下ではない、お互いひとりの人間どうしとして、改めてよろしくな。」歌川「はい。」

二人が手を握る。その後、歌川が風間の自宅を出ようとする。歌川「そうだ、風間さん。」

歌川「俺、ゆうべキスを強要してしまいましたよね。」風間「あれは俺がしたくてしたことだ。心配するな。」歌川「あ、そうですか。」風間「ところで歌川、おまえがミカドを発つとき見送りに行ってもいいか？」歌川「見送りですか？…来なくても大丈夫ですよ。家族だって見送りに来ないですから。」風間「いや、今度こそちゃんと見送らせてほしい。」歌川「わかりました。じゃあ来週末、駅で待ってます。」

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