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風間と歌川（BL）

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風間「この世界は、俺にはすこし速すぎる。」場面が現在に戻る。部屋の外で待っていた風間に、歌川が声をかける。「風間さん。」

幹部の数人とともに歌川が立っている。歌川「わざわざ待っていてくれたんですか。」風間「ああ、おまえを出口まで送ってやりたくてな。」歌川「ありがとうございます。」寺島「そんじゃ、歌川くんのトリガーちゃんと受け取りましたんで。」忍田「元気でな。」歌川「お世話になりました。」風間「じゃあ、行くか。」歌川「はい。」

出口に到着する。歌川「それじゃ、俺はこれで。」

風間「待ってくれ。まだ俺は話したいことがたくさんある。今日だけは、このままおまえを帰したくない。」歌川「俺も、今夜はひとりになりたくない。どこか二人で落ち着ける場所に行きませんか。」

風間の住むアパートに着く。風間「ほんとうに俺の部屋でよかったのか？」歌川「はい。」風間が歌川の様子に気づく。「どうした？」歌川「本部を出たときから少し頭が痛くて。」

風間「休んだほうがいい。俺のベッドを使え。」歌川「ありがとうございます。」ベッドに腰かける。風間「痛み止めは必要か？」歌川「いや、大丈夫です。」風間「つらかったら横になっていいからな。」歌川「はい。」

歌川がベッドの上に横たわる。「風間さんも一緒に休みましょう。最近ずっと本部に泊まり込んでましたよね。」風間「わかった。」二人はベッドに横になったまま向かい合う。歌川「風間さん、俺と話したいことたくさんあるんですよね？」

風間「ひとつ聞いてもいいか？」歌川「はい。」風間「ボーダーにいるあいだ、なにかお前の中でいい思い出はあったか？」歌川「そうですね。風間隊のみんなでよくご飯食べに行きましたよね。そのとき話してたくだらないこととか、食欲にまかせて頼んだたくさんの料理とか、みんなの笑い声とか、そういう記憶はずっと鮮明に残ってて。いまでもときどき思い出します。どうしてそんなこと聞くんですか？」風間「いや、ボーダー隊員として生活していくのは大変だったんじゃないかと思っていたんだ。」

風間「でも、今おまえの話を聞けてよかった。つらい記憶ばかりではなかったとわかったから。」歌川「風間さん、俺、風間さんのそばにいられたこと、ほんとうに良かったと思ってます。でも、風間さんと一緒にいられる機会を失いたくなくて、今まで言えなかったことがあるんです。俺、ずっと風間さんのことが好きでした。」

風間「歌川、俺もずっとおまえを好ましく思っていた。ほんとうは上司という立場ではなく、対等な人間として隣にいたかったんだ。いまやっと面と向かって言える。おまえが好きだ。」

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