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柿崎と影浦

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柿崎　「みんな今日はよくやってくれた。大変だったな。」　巴　「そうですね、でも今は安心してます。」　照屋　「街への被害が想定より抑えられましたから。」　柿崎　「怖かったよな。」

照屋と巴が黙り込む。　柿崎　「たくさんの隊員がさらわれて、たくさんの人が傷ついた。街も壊された。しんどいよな。つらい気持ちとか悲しい気持ちとか、溜めたままにしてほしくないからさ、吐き出したくなったら俺に言ってくれ。」　巴　「ありがとうございます。」　柿崎　「ん。みんな帰りはどうする？　家族とは連絡とれたか？」　宇井　「あ、それなんですけど。道路が復旧してなくて帰るのは難しいので、私と文香は本部に泊まっていきます。」　柿崎　「そうか、はやく帰れるようになるといいな。」

柿崎　「虎太郎は？」　巴　「被害の少なかった地区の親戚が迎えに来てくれるので、今日はそっちに泊まります。」　柿崎　「んじゃ、途中まで俺と一緒に帰るか。これから報告書あげなきゃいけねーから少し待っててほしいんだけど…。」　宇井　「じゃあこないだ買ったお菓子開けましょうよ。」　柿崎　「それいいな。みんな食欲あるか？」　照屋と巴　「はい。」

柿崎と巴がボーダーの建物から外に出る。　柿崎　「うお、さみー。」　巴　「ですね。」　柿崎　「あ、あれ迎えの車か？」　巴　「はい。」　柿崎　「じゃあな、ゆっくり休めよ。」　巴　「はい、おつかれさまでした。」

立ち去ろうとする柿崎に向かって巴が声をかける。「ザキさん。」　振り向いた柿崎に巴が抱きつく。

柿崎は巴の背中に腕を回す。

遠くから「虎太郎」と呼ぶ声がする。巴は柿崎から体を離す。　「ザキさんも気をつけて帰ってください。じゃあ、次のシフトで。」　巴は親族のもとへ走っていく。

暗く静まり返った街を柿崎が歩いていく。

暗い中を歩いていると、遠くから急に会話が聞こえてくる。　「オメーそれちゃんと貼れよ。」「うるせえ、口出しすんな。」「曲がってんだろうが。」　柿崎が顔を上げると「かげうら」の店の前にいた。

影浦と兄が店の入り口に立っている。影浦がこちらに気づく。　柿崎　「カゲ…。」　影浦　「ザキさん。」

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