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柿崎と影浦

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生駒　「ザキはお人好しやから、カゲのことが心配なんやろ。」　嵐山　「様子を見に行ってあげようとしてるんだろう。いいと思うぞ！」　柿崎　「全部見透かされてる…。相手にしてもらえないかもしんねーけど、話を聞きに行ってみるよ。」　生駒　「がんばれザキー。」　その夜、柿崎はお好み焼き屋『かげうら』にやってくる。

影浦が入店してきた柿崎に気づく。「あ、ザキさん。」　柿崎　「よっ。」　影浦　「何しに来たんだよ。」　柿崎　「ちょっとカゲと話したいなーと思って。」　影浦　「俺がペナルティくらったの知って、何か聞き出そうとしてんだろ。」　柿崎　「あ、バレた？」　影浦　「俺は何も言わねーからな。詳しいことは他人に漏らすなってクギ刺されてんだ。」

柿崎　「それでもいいよ。このあと俺とちょっと歩かないか。気分転換に。」　影浦　「もうすぐ店閉めっから、外で待っててくれ。」　柿崎　「わかった。」

店から影浦が出てくる。「終わった。」　柿崎　「ん、じゃあ行くかぁ。」　二人は静まり返った商店街を歩く。

影浦　「ザキさん、俺に何か言いたいことあるんだろ、どうせ。」　柿崎　「無理に聞こうとは思ってねぇよ。俺はカゲが大丈夫か見に来ただけだ。まあ、愚痴なら聞いてやるけど。」　影浦黙り込む。

影浦　「大丈夫じゃない、って言ったら、あんたはなんとかしてくれんのか。今まで何度も説教は食らってきたけど、今回のはキツかったな。」　影浦の回想。城戸司令官が影浦を見下ろしている。「影浦隊長、君は感情を抑えることを学んだほうがいい。この先苦労することになるぞ。」

城戸　「自分の行動に責任を持てるようになれ。」　回想が終わる。　影浦　「どいつもこいつも好き勝手言いやがって。俺がどう振る舞おうがどう生きようが勝手だろうが。もう誰にも口出されたくねーんだよ。」　苛立って近くの壁を殴る。　影浦　「でも…。」

影浦　「このままじゃだめだって…、ほんとは俺が一番よくわかってる。変わんなきゃなんねーのは、俺だ。」　影浦はその場に座り込む。

柿崎が影浦のそばに寄って座る。　柿崎　「おまえはどう変わりたいと思ってる？」　影浦　「俺が誰かに手をあげそうになったとき、荒船やコウに助けを求められるようになりたい。」

影浦　「できると思うか？」　柿崎　「うん。」　人を殴って赤く腫れてしまった影浦の手を柿崎が握る。

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