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柿崎と影浦

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当真が鳩原と絵馬を連れてやってくる。　当真　「よう、楽しそうだな。俺も混ぜてくれ。ヒマしてんだ。」　北添　「ユズルおかえりー。」　絵馬　「ただいま…。」　北添　「訓練どうだった？」　鳩原　「ユズルは筋が良いよ。そのうち私のこと追い抜いちゃうかも。」　北添　「そっかあゾエさん嬉しいよ。」　絵馬　「そんな…、褒めすぎだよ。」　鳩原　「本当のことなんだから素直に受け取りな。ねっ。」

鳩原に褒められている絵馬を、影浦が見つめる。　当真　「なあ、カゲさー。またC級隊員のこと一方的に殴ったんだって？」　影浦　「あいつらがうるせーのが悪い。殴ってビビらせれば静かになるだろうが。」　当真　「まあ、カゲのそーゆーとこ嫌いじゃねぇけど、暴力はダメだろー。」　荒船　「今は見逃してもらえててもそのうちペナルティくらうぞ。」　村上　「俺たちにできることがあれば何でもするからな。」

影浦がイラつきながら言う。「うっとうしいな、おまえら。俺のことはほっといてくれ。」　村上　「カゲ、待てよ。」　影浦　「コウ、俺のために何でもしてくれるって言うなら、頼むから黙ってろ。」

影浦が一人で立ち去る。　村上　「あんなに怒らなくてもいいのに。」　宇井がその様子を遠くから見ている。

宇井　「ザキさん、影浦先輩ってザキさんにはよく懐いてますよね。仲良いんですか？」　柿崎　「懐くって…。そんな猫みたいに言う…。　　仲…良いのかな。たまにメシ食いに行くだけだぞ。」　宇井　「じゅうぶん仲良しですよー。ザキさんには心を許してる感じなんですかね。」　柿崎　「いや、カゲはたしか同い年のやつらともよくつるんでるな。」　宇井　「へー。影浦先輩ってとっつきにくい印象ありました。暴力沙汰もちょこちょこ起こしてますし。」　柿崎　「ああ、まあな。」　宇井　「初めて会ったとき怖くはなかったんですか？　ザキさんから見て影浦先輩ってどんな人ですか？」　柿崎　「そうだなあ…。」

柿崎　「あいつは…。」　場面が変わり、柿崎と影浦がラーメン屋で食事をしている。影浦はイラついている。

柿崎　「ふてくされてないではやく食えよ。」　影浦　「ふてくされてねぇよ。」　柿崎　「はいはい。今日なんかあったのか？」　影浦　「あいつら…、俺に干渉してきて腹立つんだよ。こっちは構ってほしくねーのに。…ザキさんは俺に小言言ったりしねーから一緒にいて楽だわ。」

柿崎が気まずそうに言う。「あー…、まあいいや。」　影浦は不思議そうな顔をする。　柿崎　「そういえば今日、宇井が言ってたんだけど、おまえけっこう怖がられてるみたいだぞ。」　影浦　「はぁ？」　柿崎　「あんま他人に噛みつくなよ。」　影浦　「余計なお世話だっつの。」　柿崎　「あと、カゲのことどう思ってんのか聞かれたな。カゲが俺に懐いてるのが意外なんだとさ。」

影浦　「なんて答えたんだよ。」　柿崎　「ん？」　影浦　「俺のこと何て答えたんだ。」　柿崎　「ああ。『あいつは素直でいいやつだよ』って言っといた。」　場面が変わり、ボーダーのラウンジで嵐山が話す。「影浦くんが問題を起こして影浦隊がB級に降格になったそうだ。」

柿崎　「え、本当なのか？それ。」　嵐山　「ああ、いま通知がきた。」　生駒　「二宮隊も降格、影浦隊も降格でA級は寂しくなるな。」　嵐山　「そうだな。生駒隊と弓場隊がA級に上がってきてくれたらにぎやかになるんだけどな。」　弓場　「言ってくれんじゃねぇか、嵐山。」　考え込んでる柿崎に弓場が声をかける。「オイ、大丈夫か。」　柿崎　「ああ、なんでもない。」

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