Mega Empires / 大いなる帝国(Mega Civilization / 大いなる文明の曙)
プレイ人数:3~18人
プレイ時間:360~720分
補足:当部は Mega Empires / 大いなる帝国(旧タイトルは Mega Civilization / 大いなる文明の曙)を西と東に分割したWestern Empires / 西方帝国(現在は Mega Empires: The West が販売)とEastern Empires / 東方帝国(現在は Mega Empires: The East が販売)を所持しており、それぞれ単体だと~9人のプレイが可能だが、これらを併せることで10~18人でのプレイ、大いなる帝国も可能である。
補足だが、2026年に東アジアや東南アジアを舞台にした拡張 Mega Empires: The Far East の発売が予定されている。これは North と South に分割されており、各々単体で3-5人プレイが可能となる。また、中央アジアの Mega Empires: The Silk Road の存在も発表されており、これが揃えば、全タイトルを併せて約30人までのプレイができるようになる。2026年4月末に Mega Empires: The Far East のクラウドファンディングが行われた。2026年後半に発売の見込みだ。
ルール:Downloads - Mega Empires | Board Game | Official Site[➚]
ホームページ:Mega Empires - Mega Empires | Board Game | Official Site[➚]
Facebookアカウント:Mega Empires Board Game | Facebook[➚]
Facebookグループ:Mega Empires Board Game | Facebook[➚]
紹介文:(第102回記念祭波瀾盤上小冊子より引用、一部改変)
このゲームは例年合宿にて行うゲームである。このゲームの最大の特徴はその規模であろう。最大プレイ人数は18人、プレイ時間は24時間超、マップも2mを上回り、トークンやカードに至ってはそれぞれ優に1000を超える数がある。AH社の「CIVILIZATION」を10年もの歳月をかけて再構築した「大いなる文明の曙」は、2015年に木箱入りの形で6000個限定販売された。合宿で使われたものは「大いなる帝国」で、「大いなる文明の曙」に改良を加えて2019年に発売されたものである。最後の氷河期から鉄器時代にかけての8000年間にわたる古代文明の歴史を舞台に各プレイヤーは自らが率いる文明の経済力、科学力、軍事力といった様々な分野を発展させ、最終的に自らの文明を最も進歩させることを目的とする。
ゲームはターン制で進み、プレイヤーたちは最低でも16の、幾つものフェイズによって構成されるターンを進めていくことになるだろう。最初にそれぞれプレイヤーは人口トークンを1つ、自分のマップ上にある文明の開始区域に置く。人口トークンは文明に属する人民の1単位であり、これ1つごとにマップ上で移動したり、増殖したり、消費したりといった行動を起こすことができる。マップは地域ごとに1エリアに区切られており、それぞれのエリアに決められた人口上限がある。ターンの最初に、自分の人口トークンのあるエリアに新しい人口トークンを更に置くことで人口拡大ができる。次に、その人口トークンを元あるエリアに隣接するエリアに移すことのできる移動フェイズがある。この際、人口トークンなどを消費することで船を建設できる。船は水のあるエリアで人口トークンを効率的に運搬することができるだろう。移動終了時には人口上限を超えていても問題ない。ここで他の文明の人口トークンが自分の人口トークンと同じエリアにあり、かつ人口上限を超えていた場合、紛争が起きる。紛争を処理するために、そのエリアにある人口トークンを人口上限を超えなくなるまで順に取り除く。紛争処理終了後、同じ文明の人口トークンが一定個数以上同じエリアにあった場合、その文明の都市を建設することができる。都市はゲーム勝利条件、ゲーム終了条件などに関わり、非常に重要な役割を持つ。建設された都市には他の文明が人口をそのエリアに一定個数以上移動させることで攻撃し、破壊することができる。その後、人口上限を超えたエリアの人口トークンを超過分だけ除去し、都市支援を確認する。都市支援とは、自文明の都市1つごとに2つの自文明の人口トークンが存在しなければならないという制限で、これが破られていた場合、任意の都市を衰退させることとなる。衰退とは都市をその場所の人口上限分の人口トークンに置き換えることである。これを都市支援を満たすまで繰り返さなければならない。ここまでの移動後の処理が終わったならば、交易のフェイズに入ることができる。条件を満たしているプレイヤーは交易カードを獲得する事ができる。交易カードは都市の数だけ毎ターン獲得でき、更に都市数が多いほどグレードの高い交易カードが得られる。しかし交易カードの中には災害カードが入っており、持っていると時に自文明に壊滅的な被害を与えることもあるだろう。交易カードを全員が獲得し終えたら、交易が開始される。交易カードは様々な種類があるが、交易ではこのカードの種類をできるだけ揃えてカードの価値を高めることを目標とする。交易は1対1で行われ、お互いが3枚以上のカードの種類を明言し、提示する必要がある。その中で3枚目以降は宣言したカードと違ったカードを渡すこともできるということには注意すべきだろう。自分の得たいカードを得るために、災害カードを押し付けられないようにするために相手の嘘を見破る事が必要になる。交易フェイズ中は制限時間内に多くの人と交易するためにそれぞれの人が歩き回り、自らの欲する交易カードを持つ他プレイヤーをさがすべきであろう。交易が終了したら、災害解決フェイズへと移行する。災害の規模の小さい順に被災した文明の都市を3つ衰退させるといった災害の効果を実行していく。中には周りの文明にも被害を与える災害や、むしろ他の文明には利益を与える災害なども存在する。すべての災害を処理したら、特殊能力の使用を行う。特殊能力は後述する文明進歩の1要素として、アクティブな能力のことを言う。使用できる特殊能力のある文明進歩カードを持つプレイヤーがいた場合、このフェイズを実行する。その後、災害や特殊能力によってできた余剰人口を削除し、都市支援の確認をする。次に、文明進歩カードの購入がある。交易で揃えたカードをコストに変換して、それによって文明進歩カードを購入することができる。文明進歩カードを購入することによって次の文明進歩カード購入時に幾らかコストが割引されることもあり、同じ文明進歩の種類に対するコスト軽減を重ねることによって、ゲーム終盤には殆どノーコストで文明進歩カードを購入することもできるだろう。最後に、ASTの更新がある。ASTランクはゲームの進行を確認するもので、スタート時には全プレイヤーが横並びとなっているが、毎ターン更新されてランクごとの目標を達成しているプレイヤーのみ1マス進行する。ASTの更新が終了した時、そのターンは終了し、また、人口拡大から次のターンが始まる。プレイヤーのうちのひとりがターン終了時に確認されるASTランクの最終段階をクリアしたとき、ゲームが終了し、その時点での各プレイヤーのポイントを計算し、最も高かった者が勝利する。
このゲームの最も面白いところといえば盤外の交渉であろう。勿論、交易での災害カードの押し付け合いなども非常に面白いのだが、私はそれらを包括したヘイト管理などの戦略が面白いように感じる。初めの方のターンは人口が少なく、都市もほとんど建設されていないために人口拡大と移動のみを繰り返すような形になるのだが、これが非常に面白い。現実にそれぞれの文明が治めていた土地によって本来の陣地というものが定められているのだが、それをまるきり無視して周囲の文明との交渉によって大まかなテリトリーが決まる。自分が目標とするエリアを取るため、その段階で明らかに有利なプレイヤーを作らないために非常に考える必要がある。その後も、口約束によって各文明の陣地の境界が定まるのだが、ゲームのルールとしてはそれを確約するものはないのだ。しかし、ゲーム内ではこういった約束は幾つもあるため、他のプレイヤー全員に対する信頼をお互いに担保にして交渉が成立しているのだ。これは本来のルール内での交易も関わっていて、交易で多少損を被っても嘘をつかないという印象を手に入れるという選択肢がある。自分の印象操作については幾つかの事例が挙げられるが、最も大きいものは自分が如何にゴールに近づいているか、であろう。誰かがASTの条件をクリアして試合を終了させてしまうと勝利できないであろうということがわかっているプレイヤーは多く、そうでなくてもASTを最後まで進行させたプレイヤーにはポイントが入り、それが単独であれば更にポイントを得ることができるのだから、他プレイヤーは躍起になってトップをあがらせないように、と都市を潰そうとしてくるのだ。更に、優位なプレイヤーは交易で足元を見られることも多く、そもそも誰からも交易してもらえなくなるといったこともあるのが辛い。そのため、自分を弱く見せることや、それができなくても自分と同列程度のプレイヤーたちを目立たせることでヘイトを分散させる事が必要だろう。自分のスタンスを過剰に演出するのもいい。自分は周りと紛争を起こす意思がない、自分は攻撃されたら徹底的にやり返すといった自分の性格を示すことで、紛争を起こすかどうかをコントロールすることもできるのだ。また、文明同士の同盟もなかなか難しい。同じ文明を一斉に攻めようという約束であったり、ゲーム終了時までの不可侵条約であったり、はたまた一時的な停戦であったりと選択肢は多い。その約束を本当に破るべきなのか、破るならば何時破るのが最も効果的なのか、考えることは非常に重要であろう。自文明が直接は関わらない紛争であっても、他文明を削るために説得をして回るのは非常に楽しい。自分が直接盤面の駒を動かしているときではなくても、様々な手段で自分を勝利に近づけることのできることがこのゲームの魅力であるように思う。