電気生理学とは、生体でおこる電気現象を解析することにより、身体の仕組みを理解していく学問です。パッチクランプ法により得られた「生の電気的波形」は、生体が発する物理的信号を直接的にあらわしており、生きている状態を正確に捉えることができます。わずかな変化が新しい発見につながった事例は枚挙にいとまがありません。
薬学分野においても、多くのイオンチャネルや起電性トランスポーター分子が薬物の標的であり、日本薬学会や日本薬理学会での演題も多くみられます。しかしながら、多くの聴講者は遺伝子やタンパク質の解析を中心に研究していて、電気生理学実験の生データをみせても議論が深まらないことも多くあります。そこで、電気生理学の研究室所属の学生・教員が集い、遠慮せずに最も重要なデータを示しながら議論する場が必要だと考えました。この意見に賛同する東海地区の薬学系研究室に声をかけ、2023年に「東海地区 薬学系電気生理学研究会」を発足しました。 第2回は、山村先生が財団のご支援も得て、富永真琴先生を特別講演にお招きする形で、大変盛況の会となりました。
そこで、第3回は、参加者同士の親睦を深めるという目的を堅持しつつ、他の学会では実現できないような細かい実験チップスについても存分にディスカッションすることに主眼をおいて企画することに致しました。皆様と自然豊かな森林公園にてお目にかかれるのを楽しみにしております。
第3回 東海地区 薬学系電気生理学研究会 実行委員長 黒川洵子