大会長 島原 範芳
道後温泉病院リウマチセンター リハビリテーション科
RA診療のパラダイムシフトから四半世紀,T2Tの厳格化と新規薬剤により診療の進歩は止まることを知りません。
本邦における臨床的寛解の達成率は約50%,機能的寛解の達成率は約75%にのぼっています。この現実はRA患者にとって間違いなく福音であります。その一方で,寛解達成後の残存疼痛や疲労,社会参加に対する制約や心理社会的問題が世界的な課題となっています。
欧州では,これらを疾患活動性に対する「Disease-oriented Care」と分離し,「Life-oriented Care」として,PTやOT,看護師,薬剤師等のコメディカルを中心としたHealth Professionals in Rheumatology(HPR)での対応,その重要性が明確化に打ち出されています。しかし,本邦のRA診療,リハビリテーション治療においては,このような治療体系・体制の整備は不十分であり,リハビリテーション治療施行件数は減り続けています。この様な治療機会の現象には,セラピストの治療技術の退行のみならず,RAのリハビリテーション治療の役割と意義の喪失に繋がりかねないといった大きな危惧を感じています。
2027年の本研究会では,メインテーマを,「RAリハビリテーションの新機軸」としました。寛解達成後の諸問題に対応出来るリハビリテーション治療体制の確立,セラピストの教育は喫緊の課題です。本学術集会では,これらの課題解決に向けた未来的思考の共有とともに,RA診療におけるリハビリテーション治療の意義再構築,日本版HPRの確立も含めた包括的な議論を充実させたいと考えています。
この学術集会が、その機会となれば幸いです。皆様と会場であるいはオンラインでお会いして、意見交換できるのを楽しみにしております。