第1日 5日(火)
1.界面活性剤の概要(分類・特性と用途) 10:00~11:00
花 王(株) 森井 紀行 氏
界面活性剤には様々な種類があるが、いずれも疎水部、親水部などから構成され、構造的に二面性のある物質と言える。ここでは、種々界面活性剤の分類について述べると共に特性と用途についても解説する。
2.分散系の科学 11:10~12:10
小林分散技研 小林 敏勝 氏
コロイド分散系の定義、分類、生成法、特性について解説する。物体間相互作用の立場から分散系安定性の支配要因を挙げ、安定性制御のための基本的指針を示す。
3.界面活性剤の構造と機能 13:00~14:00
大阪大学 木田 敏之 氏
界面活性剤は、起泡、乳化、洗浄、分散・凝集などの現象制御になぜ必要なのであろうか。様々な表面や界面における界面活性剤の作用や機能を理解するために、界面活性剤の分子構造とその溶液の性質、さらに界面活性剤の種類と用途などについて実用的観点から具体的な例を挙げて理解し易く簡潔に講義する。
4.バイオ由来の界面活性剤 14:10~15:10
産業技術総合研究所 北本 大 氏
微生物が作り出す界面活性剤(バイオサーファクタント)は、合成界面活性剤には見られないユニークな特性を示す。本講では、こうした界面活性剤の微生物による量産、構造と物性、機能と用途展開などについて解説する。
5.ベシクル・リポソーム・マイクロカプセル 15:20~16:20
姫路獨協大学 岡村 恵美子 氏
リン脂質の関与するコロイド分散系微粒子(ベシクル・リポソーム・リピッドマイクロスフェア)の新規調製法、物理化学的ならびに生理的特性などを界面科学的な見地から解説していく。
第2日 6日(水)
6.生活・香粧品用界面活性剤と乳化 10:00~11:00
三洋化成工業(株) 川口 幸治 氏
水と油を混ぜることを乳化と呼ぶが、これは界面活性剤の重要な機能の一つである。乳化に関与している界面活性剤の役割について、生活・香粧品用界面活性剤の応用例を中心に交え、乳化のメカニズムなどを解説する。
7.可溶化の科学 11:10~12:10
(地独)大阪産業技術研究所 懸橋 理枝 氏
可溶化は、溶媒に溶けない不溶性物質を溶媒中に安定に存在させる有効な手段である。本講では、可溶化の機構と可溶化量を制御する方法の基礎について解説する。
8.泡の科学 13:00~14:00
日油(株) 嶋田 昌彦 氏
“シャボン玉は美しい。そして、それが空中に浮かんで揺れ動く姿は誠に面白い。”このような泡を意のままに操り、そして制御するには、我々はどうすればよいのだろうか?
9.ぬれと洗浄の科学 14:10~15:10
元 京都工芸繊維大学 川瀬 徳三 氏
ぬれとはどのような現象か?ぬれの尺度は、そしてぬれをどのように計るか?種々の物質のぬれについて、また、ぬれ易くしたり、ぬれ難くしたりする方法や様々な洗浄技術と洗浄の評価および汚れ剥離のメカニズムなどを解説する。
10.界面活性剤と環境 15:20~16:20
第一工業製薬(株) 城藪 将虎 氏
界面活性剤の環境へ与える影響、リスクの考え方、また環境中での分解機構とそれらの評価方法について述べる。さらに、どのような構造の界面活性剤が環境に適しているかについて解説する。