プログラム
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研究発表Part1
矢野勝也(市大M1)
タイトル:N=1ゲージ理論の有効作用の考察
概要:DijkgraafとVafa達によって,4次元N=1のゲージ理論のスーパーポテンシャルとゲージ結合定数が行列模型を用いて計算できることが予想され,Cachazo, Douglas, Seiberg, Wittenらによって特別な形をしたスーパーポテンシャルをもつ4次元N=1のゲージ理論の有効ポテンシャルが,対応する行列模型を用いて計算できることが証明された[arxiv:hep-th/0211170]。今回はどのようにして有効作用が決定されるのかを場の理論の考察を中心の論文を紹介する。
研究発表Part2
松本信行(京大 M2)
タイトル: モンテカルロシミュレーションにおける配位間の距離の導入
概要: モンテカルロ法を用いた数値計算では、考えている作用のギブス分布を生成するため、これを平衡分布とする緩和過程が用いられている。しかし、配位間にポテンシャル障壁がある場合には、緩和に非常な時間がかかってしまう問題がある。我々は、系の配位間に新たに距離を定義し、配位間の遷移の難しさを定量的に扱う手法を与えた。さらには、この配位間の距離から配位空間の計量が定義できるので、配位空間に幾何構造を入れることができる。この発表では、Tempering法という緩和を促進させる方法が、配位空間の AdS的な幾何的性質によって理解できることを紹介し、Tempering法のパラメータを設定する際に、我々の距離が新たな指標となることを説明する。
松野皐(市大 M2)
タイトル:AdSと沈め込みとブラックホール
概要:AdS(Anti de Sitter)空間とは負の宇宙項をもつ真空のEinstein方程式の厳密解のひとつである。 AdSは現実の物理モデルとしては、ただちには受け入れがたい特異な性質をいくらか持っていることにより、非物理的な対象であるとみなされてきた。 しかし近年、弦理論においてAdS/CFT対応が示唆され、重要度が増してきている。 本発表では前半はAdS空間のよく知られている幾何学的な性質や特異な性質を解説する(幾何学を専門としない人が理解できるように努める)。 後半は発表者の研究結果を紹介する。 統一場理論において、しばしば用いられる手法にリーマン沈め込み(Kaluza-Kleinリダクション)というものがある。 AdS空間にリーマン沈め込みを施して得られる時空がブラックホール構造を持つことがある。この現象について簡単な例を直感的に理解できるように解説する。
研究発表Part3
石橋啓一(市大 M1)
タイトル: KP階層とGrassmann多様体
概要: ソリトンとは粒子性を持った孤立波である。 ソリトン方程式として様々なものが知られているが、今回はKdV方程式、そしてその拡張であるKP方程式を扱う。KP方程式の解全体はGrassmann多様体をなす。そのことをフェルミオンの成す代数の表現空間と多項式空間の対応を用いて見ていく。
古川友寛(市大 M1)
タイトル: Introduction to Sato Theory
概要:主にSato Theoryの紹介を行う。まずKP階層の構成とその解の求め方を簡単に触る。次にτ関数でそれの解を書く事ができることを紹介する。最後にτ関数の満たす双線形恒等式がPlucker relationになっていることを見る。