学術集会長
中村 裕美(埼玉県立大学 作業療法学科 教授)
このたび、埼玉県立大学保健医療福祉科学学会第14回学術集会を2023年11月25日(土)に対面形式で開催する運びとなりました。
今回の学会テーマは「多様な社会実装」とさせていただきました。社会実装は、2013年から使用されている新しい用語です。社会実装は、研究成果を社会に還元することで、人々の生活に便益をもたらすことであると説明されます。したがって、生活に便益を得たと感じる人々からの意見聴取は必要であり、クライエントや一般市民もまた、多職種連携の重要なメンバーです。幸いにも、埼玉県立大学の卒業生は、病院や福祉施設を離れて、多様な活躍をしてくださっています。 そうした卒業生や起業家を招聘し、多様な社会実装の実例を学んでいきたいと思います。さらに、日本では社会実装が十分はないとみられる領域もあります。例えば、高齢者や障害のある人の運転技術の評価や支援、そしてインクルーシブ教育です。
本学会の内容は次のようになります。一般の方々もご参加頂ける企画は2つあります。まず、基調講演では、Unworthy教授/博士 (Institute of Health and Wellbeing, Federation University Australia)に「豪州/米国/英国における地域在住高齢者/障害のある人の交通手段使用能力の評価と支援」として、ランダム化比較試験を含む最新の知見を紹介して頂きます。2つ目は、教育講演で、Forsyth教授/博士 (Queen Margret University)に「スコットランドでの子ども、養育者、教師との協業を通じたインクルーシブ教育」として、一般市民がアクセスできるプラットホームの構築を含めて、クライエントである子ども、養育者、そして教師を含めた協業をご紹介頂きます。
特別企画しては、パネルディスカッション「様々な領域で活躍する卒業生」で、卒業生を3名招聘しています。また、地域、企業、研究や教育の機関との連携により、社会実装を推進されている元廣惇さん(株式会社Canvas取締役)に「保健医療福祉の専門職のキャリアデザイン」として講演をしていただきます。
ポスター演題も募集しています。臨床家、卒業生、大学院生の方に、奮って登録して頂きたいと思います。
晩秋の時期の開催あることから、感染症の対策を十分に講じて開催してまいります。
今後とも引き続き、ご指導、ご鞭撻賜りますようお願いいたします。