ご挨拶

 第11回中部日本ハンドセラピィ研究会 世話人代表 古田裕之(飯田市立病院)


 このたび、第11回中部日本ハンドセラピィ研究会を2023年1月27日に長野県松本市のホテルブエナビスタにて開催させていただくこととなりました。当研究会は第41回中部日本手外科学会会長の内山茂晴先生(岡谷市民病院 院長、信州大学 特任教授)のご厚情を賜り共催と相成りました。内山先生ならびに中部日本手外科学会の諸先生方の格別なご高配に厚く御礼申し上げます。長野県で開催された第29回中部日本手外科研究会においてハンドセラピィのセッションを設けていただき、その後に中部日本ハンドセラピィ研究会が発足しており、この地で代表世話人を務めさせていただけることを大変光栄に思っております。

 さて、本研究会のテーマは「外傷手のハンドセラピィ-伝承と挑戦-」と致しました。外傷手のハンドセラピィは修復組織の治癒を阻害せず、癒着を最小限に抑えるための戦略と戦術が求められます。近年、労働環境の改善に伴い、重度の外傷手のハンドセラピィを経験する機会は減っております。しかし、実際にハンドセラピィを担当することとなると、若手のハンドセラピストは経験がないことから苦難に直面します。プロトコル通りの治療は困難であり、ハンドセラピィプログラムを建てる知識と経験,そしてスプリントを含めた技術が求められます。そのため、ベテランから若手のハンドセラピストへの知識と技術の「伝承」が必要であり、本研究会がそのきっかけとなればと考えております。そして、新たな挑戦・ハンドセラピストに求められる使命を提言できる機会になればと考えております。

 COVID-19が5類相当へと区分が変更となってからはじめての中部日本ハンドセラピィ研究会の開催となります。知識と技術の伝承、そして手外科医とハンドセラピストのより強固な信頼関係の構築の機会となることを願っております。長野県松本の地で皆様にお会いできることを楽しみにしております。