学校支援による人づくりとして次の事業を行っています。
SDGs活動への支援
三反田小、前渡小、美乃浜学園、津田小、勝倉小
まちづくりへの参加支援
ひたちなかリーダーズクラブと協働活動
虎塚古墳一般公開支援
勝田TAMARIBA横丁への出店
かつて本校の北から西にかけては、竹や樹木が繁茂し人が足を踏み入れることのない斜面地であったそうです。二十数年前、正門東側の道路に歩道を整備する工事を始めるにあたり、本校の敷地測量が行なわれました。その結果、北から西にかけての傾斜地が学校の敷地であること、小さな池が2つあることが分かりました。そこで、当時の校長が、「子供たちが自由に行ける、そして遊べる『学校観察園』」を発案し、整備を行いました。
現在、砂押園芸さんにご協力をいただき、毎年5月に2年生がホタルの幼虫を放流しています。7月初旬には、本校のおやじの会である「遊学会」が中心になりホタルの鑑賞会が行われています。「ホタルの森」という名前は、将来ホタルが飛んでほしいという児童の願いから付けられた名前です。
ところが、ここ数年の高温多湿による樹木の成長、巨大台風による倒木、東日本大震災の影響等により森が荒れてきました。当初の願いであった「子供たちが自由に行ける森」を取り戻そうと整備プロジェクトが始まりました。下草を定期的に刈ったり、茂ってしまった樹木の伐採をしたりと子供たちが自由に出入りできる学校観察園の復活を目指しています。今年度は、春には3年生が理科の学習で虫を探したり、植物の観察をしたり、夏には2年生が生活科の学習で、池でザリガニを釣ったりしました。自然と触れ合うことが、環境を大切にしていくことへの第一歩だと考え、今後、この森が「地域の森」となって、誰もが自由に楽しむことができるように子どもたち、学校、保護者、地域が一体となって取組を進めていきます。
この活動は、平成13年、阿字ヶ浦中学校3年生が「千々乱風」の伝説のことを調べ、絵本にまとめたことがきっかけとなって始まりました。その翌年からは伝説の中に登場する「沢田湧水地(国営ひたち海浜公園内)」の現地観察を通した植生調査や湧水量調査、そして、スカシユリの増殖や阿字ヶ浦海岸への植栽活動と活動が広がっていきました。
昨年度からは美乃浜学園として、阿字ヶ浦地区の生徒だけでなく、平磯磯崎地区の生徒もメンバーとして加わり、現在、沢田スカシユリ自由研究班として活動を続けています。本年度の主な成果としては、沢田湧水地の現地観察では、源頭部に見られていた外来種であるクレソンが除草作業により減少しましたが、それに伴ってヨコエビやヤゴ、カワニナにも減少が見られました。外来種とは言え、ただ減少すればよいという訳ではないということが考えられました。さらに、源頭部入口のエノキの葉の調査から、沢田湧水地では初めてオオムラサキの幼虫を発見することができました。スカシユリの研究では、育成中のプランターから121本の発芽を確認することができ、開花率も43.2%と大幅に向上しました。本年度は、ひたち海浜公園スクールパートナーとして、活動を広報ジュニアに掲載していただいたり、2月〜3月にはニホンアカガエルの卵塊調査にも協力をしたりしています。今後もこの研究を引き継ぎ、更に発展できるよう環境保全活動に取り組んでいきます。
これからの時代を生きる子供たちに、平和な世の中の創り手として成長してほしいとの願いを込め、昨年度に引き続き、「平和のための集会」を行いました。昨年度、ひたちなかユネスコ協会の後援を受け、広島市より譲り受けた「被爆アオギリ二世の苗木」を、本校の平和の象徴として大切に見守り育てています。
今年度は、「被爆アオギリ二世の苗木」の様子から、より好適な場所への移植を兼ね、10月に「アオギリ集会」と題して、改めて「平和」について思いを馳せる機会をもちました。子供たちは、「平和を築くためには、自分たちにどのようなことができるのだろうか。」との問いをもち、各クラスで話し合ったことを報告し合いました。平和は誰かが創ってくれるものではなく、自分の心の中から築いていくものであることや、一人一人が身近なことから行動を起こしていくことの大切さ等について語られ、それは、「平和と公正をすべての人に」に向けての決意表明でもありました。具体的な取組として、「誰もが安心して楽しく遊べるように校庭の使い方を見直したい。」との健康委員会からの発信により、校庭の使い方について各クラスで話し合い、新たなルールのもと、休み時間には楽しく遊ぶ子供たちの姿が見られるようになりました。これからも平和を愛し、自ら平和を築いていく社会の一員として、子供たち一人一人がアオギリとともに大きく育っていくことと信じています。
2005年に阿字ヶ浦中学校がまとめた冊子です。→ダウンロード