質問コメントQ&A

Q.貴重な講演ありがとうございました。自分自身も実際の臨床場面でSDMを実践する際、どうしても理学療法士個人の意見が先行してしまい、患者様自身のことを尊重することは重要なことだと思います。今後、SDMを実践する際は用紙を用いて患者様とコミュニケーションを行う方が実践しやすいのでしょうか。先生のご知見も踏まえて教えて頂けたら嬉しく思います。

Aご聴講、ご質問いただきありがとうございます。 私も臨床でSDMを実践する際、「個人の意見が完全に入っていない」ということはないですので、気を付けながら実施していただければよいかと思います。 また、用紙ですが理学療法(リハビリテーション領域全般)では、SDMを実践するために活用できる資料が乏しく、私個人としては、講義の中で紹介した個人意思決定ガイドを応用しながら行うことが多いです。 私もSDMを実践する際は、ある程度、対象者から情報(希望しそうな治療や目標など)を収集した後、用紙に軽くまとめ、その用紙を使ってSDMを実践することが多いです。 事前に用紙を使って情報を整理することで、理学療法士個人の意見が先行していないかの自己チェックにもなります。 こういった視点から、結論としては用紙を使用した方がよろしいかと考えています(特に慣れるまでの間は)。

Q.貴重なご講義ありがとうございました。SDMプロセスを評価する方法として3つ挙げられていましたが、評価するタイミングとしては再評価のタイミングで実施するという解釈でよろしいでしょうか? プロセス評価が低かった場合はSDMの見直しを行っていくということに繋がるのでしょうか?

Aご聴講、ご質問いただきありがとうございます。SDMのプロセスを評価する場合、可能であれば目標や治療内容が決まった直後(もしくは翌日)に確認することをお勧めします。理由としては、再評価時期(1か月後や3ヶ月後など)だと、早期バイアスが入ってしまうため、各要素を適切に採点することが難しくなってしまうためです。
また、再評価を行い、目標や治療内容の変更を伴った際に再度SDMプロセスの評価を行うこともよろしいかと思います。評価結果の解釈の方法としては、総合点の低さよりも、どの要素ができていないかのチェックをすることで、追加の情報提供を行ったり、以降の意思決定場面で役立ちますので、ご活用いただければと思います。