疼痛のメカニズムとそのアプローチ
松原 貴子
MATSUBARA Takako
一般社団法人日本ペインリハビリテーション学会 理事長
神戸学院大学総合リハビリテーション学部 教授
神戸学院大学研究支援センター 所長
【講演概要】
2020年以降,疼痛の定義が改訂され,新たな疼痛分類も追加されたことで,疼痛の発生機構が整理された。また,急性痛と慢性疼痛の区別がより明確になり,慢性疼痛が国際疾病分類第11回改訂版ICD-11(WHO)に収載され,治療すべき疼痛の疾患病態も整理された。現在では,疼痛理学療法は多くの疼痛治療アルゴリズムでfirst-lineに位置付けられるほど重要な役割を果たすようになっている。そこで本研修会では,理学療法士が知っておくべき疼痛理学療法について,疼痛の病態,発生メカニズム,評価・介入方法などを概説する。
【受講者へのメッセージ】
疼痛は,年齢や性別、疾患の種類に関係なく、非常に一般的な病態であり、適格な対処が必要です。現在,疼痛は理学療法士・作業療法士国家試験出題基準の大項目として位置付けられていますが,卒前教育が不十分な状況は深刻な問題です。近年,疼痛医療を取り巻く環境は大きな変化・発展を遂げており,特に理学療法士が疼痛治療の先鋒として重要な役割を果たすことが求められています。疼痛の最新かつ正確な知識を学び,積極的に疼痛医療を推進する理学療法士を目指すために,本講演が役立つことを期待しています。
【略 歴】
【学歴】
1991年 神戸大学医療技術短期大学部理学療法学科 卒業
2006年 神戸大学大学院医学系研究科博士後期課程修了 博士(保健学)
2007年 厚生労働省 死体解剖資格
【職歴】
1991年 医療法人愛仁会千船病院 理学療法士
1997年 神戸大学医学部保健学科 助手
2006年 名古屋学院大学人間健康学部リハビリテーション学科 講師
2007年~愛知医科大学学際的痛みセンター(現 疼痛緩和外科・いたみセンター)理学療法士
2008年 日本福祉大学健康科学部リハビリテーション学科 准教授,2011年 教授
2017年~愛知医科大学医学部 客員教授
2018年~神戸学院大学総合リハビリテーション学部理学療法学科/大学院総合リハビリテーション学研究科 教授
2023年~神戸学院大学研究支援センター 所長
【学会・社会活動】
日本ペインリハビリテーション学会 理事長
日本疼痛学会 理事
日本運動器疼痛学会 常務理事
日本慢性疼痛学会 理事
日本ペインクリニック学会 特任評議員
日本痛み関連学会連合 監事
日本いたみ財団 評議員
厚生労働行政推進調査 慢性の痛み政策研究事業班 他