脳卒中患者のバランス障害
〜エビデンスから解き明かす問題点の解釈と治療アプローチ〜
〜エビデンスから解き明かす問題点の解釈と治療アプローチ〜
犬飼 康人
INUKAI Yasuto
新潟医療福祉大学 リハビリテーション学部 理学療法学科 准教授
【講演概要】
脳卒中発症後の患者の多くが呈するバランス障害は,歩行能力やADL能力の低下を引き起こす主要因の1つです.また,バランス障害は転倒を引き起こす危険因子であることも明らかになっており,脳卒中患者のリハビリテーション・理学療法に関わるセラピストは脳卒中患者が呈するバランス障害を理解し,改善に向けた治療アプローチを提供することが重要となります.
本講演では,
脳卒中患者のバランス障害と歩行能力との関連
脳卒中患者の改善すべきバランス機能
セラピストが提供すべき治療アプローチ
上記,3点を中心に根拠に基づき論理的に理学療法を実践する上で必要なエビデンスを提供します.
【受講者へのメッセージ】
脳卒中患者のリハビリテーションに携わる理学療法士にとって,「脳卒中患者のバランス機能は低下している」という問題点は共通認識と言ってよいかも知れません.しかしながら,「脳卒中患者はどのようなバランス機能が低下しているのか?」,「どの程度のバランス機能が保たれていれば歩行は可能になるのか?」などの質問に対して明確な答えを持っている人はどの程度おられるでしょうか.今回の講演では,これまでのエビデンスに基づき,脳卒中患者のバランス障害についての理解を深め,アプローチすべき問題点を整理していきたいと思います.また,日々の臨床に活かせるような治療アプローチの視点やヒントを得て頂けるような内容を提供したいと考えています.
【略 歴】
【学歴】
2005年 川崎医療福祉大学医療技術学部 リハビリテーション学科理学療法専攻 卒業
2012年 大阪大学大学院人間科学研究科 博士前期課程修了
2017年 新潟医療福祉大学大学院医療福祉学研究科医療福祉学専攻 博士後期課程修了
【職歴】
2005年 星ヶ丘厚生年金病院(現:JCHO星ヶ丘医療センター)リハビリテーション部
2015年 新潟医療福祉大学 医療技術学部 理学療法学科 助教
2018年 新潟医療福祉大学 リハビリテーション学部 理学療法学科 講師
2021年 新潟医療福祉大学 リハビリテーション学部 理学療法学科 准教授(~現在に至る)
【主な学会活動】
一般社団法人 日本神経理学療法学会 評議員
公益社団法人 新潟県理学療法士会 理事
神経理学療法学 副編集委員長
理学療法学 査読委員 など
【主な著書】
標準理学療法学 神経理学療法学第2版(医学書院)
標準理学療法学 神経理学療法学第3版(医学書院)
運動学・神経学エビデンスと結ぶ脳卒中理学療法(中外医学社)
リハビリテーション神経科学(メジカルビュー社) など