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慢性呼吸障害に対する評価と理学療法

神津 玲
KOZU Ryo

長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 医療科学専攻 理学療法学分野 教授
長崎大学病院 リハビリテーション部 理学療法士


【講演概要】

 慢性呼吸障害における障害像の特徴は,労作時呼吸困難による活動制限と,それに伴う身体活動量低下に起因する二次的な運動機能障害によって生じる耐運動能の低下であり,これらの機序には呼吸困難の悪循環が関与しています。同患者の労作時呼吸困難の要因に占める「二次的な運動機能障害」の割合は大きいため,運動療法が呼吸困難の軽減に奏効します。評価による適切な運動処方に基づいた運動療法の実施は重要ですが,労作時呼吸困難を主訴とする慢性呼吸障害患者では「運動」の適用が困難であることも少なくありません。

 同患者に対してはまず,呼吸困難のコントロール(予防,対処,適応)が必要であり,呼吸調整や気道クリアランス,リラクセーションといった理学療法手段を適切に実施することが,その後の運動療法の進行や成否に関わります。こうした手段の適用によって,呼吸困難の即時的な軽減やコントロールが可能となるため,まさに理学療法士の腕の見せ所であると言えます。そのためには対象者の疾患特性や重症度に加えて,「呼吸状態の特徴」を把握することが不可欠であり,それによって適切な理学療法を適用することにつながります。

【受講者へのメッセージ】

 上記の概要に基づいて,この技術講習では,対象者の呼吸状態を確実に把握,理解するための身体所見(フィジカルイグザミネーション)の取り方について実習を行いながら学びます。加えて,先述の理学療法手段の代表的な方法についても実習を行います。参加にあたっては,これらの手技の習得はもちろんですが,その意義や解釈も理解できるように意識していただきたいと思います。

【略          歴】

【学歴】

【職歴】

【主な役職】