2026/02/02|Fitness / Wellness Trends
2026年の新年フィットネスキャンペーンは、従来の「決意・目標設定」から離れ、運動による“気持ち良さ=感情的メリット” にフォーカスし、心理的障壁の解消やAIをテーマにした新しい表現へとシフトしている。
2026年の年明け、世界のフィットネスブランドは例年よりも戦略的かつ感情に訴えるプロモーションを展開しました。従来の「新年の決意」「痩せたい」といった目標訴求から一歩踏み込み、「運動による感情的メリット(気持ち良さ・自己肯定感)」「心理的障壁の解消」「AIをテーマにした表現」 まで、新たな表現が増えています。特に欧米主要ブランドはこの潮流を象徴するキャンペーンを打ち出しました。
PureGymは、運動後の高揚感をキャラクター「Glow」で表現。従来のトレーニングの単なる価値提案にとどまらず、“心地よさ”をブランド戦略の中心に据えています。
ポイント
ポジティブな気分・高揚感を象徴
ブランド体験価値へシフト
Crunchは “Feel Good, Not Bad” の延長として、「Feel More」キャンペーンを展開。
「運動が気持ちを解放する体験である」とコミュニティ性や肯定感を前面に出した戦略です。
ポイント
体験価値中心のクリエイティブ
ジム参加に対する心理的障壁を軽減
高級フィットネスブランドのEquinoxは、AI生成ビジュアルを使い**“疑いの時代に身体体験こそ真実”**と訴求する前衛的広告を展開しました。これにより、ブランドのアイデンティティを「リアルな身体体験」に据えています。
ポイント
AIという社会的コンテキストを訴求に活用
体験自体の真実性・価値を強調
英国を中心に、Anytime Fitness はジム初心者の検索行動を分析し、「不安」や「疑問」に真正面から対応する施策を導入しました。
例:「自分は運動不足すぎる?」などの不安への共感と解消。
最終的には “始めることそのもの” に価値を置くメッセージ です。
短期トライアルが溢れる中、Retro Fitness は 15ヶ月で3ヶ月無料 という大胆な長期価値提案を打ち出しました。
「短期目標ではなく継続行動を形成する」という戦略が新しい潮流です。
海外キャンペーンは「運動体験の感情価値」を訴求しており、「目標達成」「痩せたい」といった従来訴求から差別化されています。これには 消費者心理の成熟 が影響していると考えられます。
日本の新春キャンペーンは現在、主に 価格的訴求・体験導入優先型 が中心です。一方で海外では体験や心理価値を前面に出すキャンペーンが増えており、将来的な訴求価値の違いが浮かび上がります(特に「gymtimidation 対策」「AI・文化表現」)。
※日本の市場データ例としては、日本市場が2026年も全体的に成長傾向にあると予測されています。
6-1. 感情価値を訴求するための3つのフレーム
運動後の気持ちよさ を視覚化するビジュアル
不安や疑問に寄り添うコミュニケーション
社会的コンテキスト(例:テクノロジー/文化)とリンク
2026年の新春キャンペーンは、
✔ 感情価値(気持ちよさ・一体感)を中心に訴求
✔ 心理的障壁の解消にフォーカス
✔ 長期価値提案・AI表現などで差別化
という特徴が浮かび上がりました。
従来の「決意中心」から「体験価値中心」へのシフトは、フィットネス業界全体の成熟を示す兆候といえます。
主なメッセージ: 運動後の “良い気持ち” を強調するストーリー。
Crunchは「Feel Good, Not Bad」というブランド哲学をさらに進化させ、“Feel More” を打ち出しました。これは、トレーニング体験そのものの高揚感やコミュニティの一体感を訴求するものです。
有名楽曲 “This is How We Do It” をBGMに、まるで音楽ビデオのような広告を制作。
「運動する場所」ではなく、「感じられる体験」としてジムを表現。
メンバーがただ運動するだけでなく、コミュニティとして繋がることを強調。
PureGymは、運動後の爽快感をキャラクター “Glow”(汗をかいた後の高揚感を象徴)とともに打ち出しています。
「我々が売るのは世界クラスのジムだが、 人々が求めているのは自分を良く感じたいという気持ちだ」
— PureGym 担当者コメント(意訳)
多くの人が「新年の目標への疲れ(resolution fatigue)」を感じているという洞察から、Retro Fitnessは大胆な長期割引を実施しました:
15か月に渡って使える、合計3か月分の無料利用権を提供。
一般的な「7日間トライアル」や「短期割引」でなく、長期的な行動変化と継続参加の促進を狙っています。
Solidcoreは、外からの雑音(比較・競争・評価)を排除し、自身とトレーニングに集中する空間を提供するキャンペーン “Quit the Noise” を展開。
Bodybarは、会員が「自分に合った選択をできる柔軟性」を訴求するキャンペーンを実施:
長期コミットが前提になりがちな業界ルールを打破し、
選べるオファー形式で、自分のライフスタイルに合った利用方法を選択できるようにしました。
Anytime Fitnessは、**“ジムに行くのが怖い”という心理的障壁(gymtimidation)**にフォーカスしたプロモーションを展開:
加入前に人々が検索するトップ100の疑問を分析し、
「自分は運動不足すぎる?」「何を着ればいい?」「みんなに見られる?」などの不安に対応。
新規メンバー向けに、コーチ主導のミニセッションや質問箱などの支援を導入。
高級フィットネスブランド Equinoxでは、人工知能(AI)をテーマに据えたキャンペーンを展開:
AI生成イメージ(例:金のチェーンを付けた赤ちゃんが水上スキーするなど)を用い、
「すべてを疑え。ただし自分自身は疑うな(question everything but yourself)」というメッセージを打ち出しました。
「テクノロジーでは決して提供できない“生きている実感”を、身体は教える」という主張へ誘導。
Zumbaは、音楽の力で運動を楽しく感じさせるキャンペーンを実施:
グローバルヒット曲 “Gasolina” をBGMに、
生活の中の一瞬を振り切って、楽しくクラスに参加する姿を描写。
Zumbaのブランドとしての高揚感と文化的結びつきを強調しています。
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Mai Cherrington (チャーリントン真衣)
アメリカでインストラクターとして活動。
日米のフィットネス・ウェルネス業界をつなぐ視点で、
クラス指導・企画・情報発信を行っています。