参加者の声

★海外インターンシップ・ボランティア(短期)

参加者体験談(ポスター)   

国際教育センターでは、海外研修終了後に、各自が海外プログラム参加にあたっての目標や現地での経験、成果などをまとめたポスターを用いて「ポスターセッション」を実施しています。

✈ツーリズム・マネジメント・インターンシップ~海外拠点業務研修~(カナダ)

✈USA・LA"グローバルキャリア"インターンシップ~企業ビジネス研修~

✈USA・シアトル インターンシップ 

✈USA・サンディエゴ ボランティア研修

✈オーストラリア・シドニー 幼児教育ボランティア

★海外インターンシップ・ボランティア(長期)参加者体験談

国際地域学部 国際地域学科4年 熊澤亜未さん

参加プログラム:ワシントンセンター(TWC)

プログラム期間:2017年8月22日~12月12日 

プログラム参加のきっかけ

大学最後の秋学期をどのように過ごそうかと考えていた3年生の冬、国連ユースボランティアの報告会で畔上拓也さんの発表を聞き、私も海外インターンシップで大学生活を締めくくりたいと強く思いました。周囲からは、就職先も決まり、今更なぜ海外に行ってインターンシップをする必要があるのか、と尋ねられたこともありましたが、学生から労働者になる移行期だからこそ、正規社員の方と同じ環境で同じ時間を過ごし、貢献できることの幅を広げたいと思いました。また、これまでにもアメリカで一年間の交換留学やインターンシップなどの経験がありますが、同じアメリカでも地域によって全く色が異なるという気づきから、訪れたことのない東海岸、そして特に政治や経済の中心地であるワシントンDC で「働き」、「学び」、「暮らす」ことでより深くアメリカという国の理解に努めたいと思ったことも理由の一つでした。 

選考プロセス

 本プログラムは、東洋大学・ワシントンセンター(TWC)・インターンシップ受け入れ機関の3種類の選考があります。5月上旬の学内選考での提出物として英文履歴書(CV)やカバーレター、自分の関心のある学問分野や働きたい業種における現状課題についてのエッセイがありました。すべて英語による記述で、内容自体や文章構成、文法など書き上げるまでに心配な点は多くありましたが、ランゲージセンターで内容の深掘りや添削をしていただき、形にすることができました。TWCの提出物は学内選考と同じもので、審査に通過するとTWCスタッフとのSkype面談の連絡が来ます。この面談は学生がどのようなインターン先で働きたいのか、その方向性を見極めるためのもので、「自己紹介をしてください」「あなたの関心のある学問分野について話してください」「自身の強みを活かしてどのように貢献したいですか」といった質問で、日本でのインターンや就職活動の面接内容と似ているなという印象を受けました。その後、申請時に提出していた英文履歴書やカバーレターなどを使用し、TWCスタッフが私に合いそうな企業や団体にインターンの申請をしてくれました。


後日、インターン先から直接メールにて面接日程調整の連絡がありました。アメリカとは時差があるため、面接の時刻は夜中の12時から午前3時までのどこかになることが多かったです。私は教育関係のインターンシップで働きたいと考えていましたが、連絡をいただいた会社の中に、メディア業界の中でも急成長して市場開拓する時期にある「Shout!」という会社がありました。与えられた作業をこなすのではなく、チームで作り上げていくための創造力や行動力が求められました。顧客のニーズ把握のためのデータ分析や記事制作の業務から多くの新しい事を学び、私自身も大きく成長する最高の機会だと考え、その会社に興味を持ち始めました。また、卒業後の2018年4月からは東京にあるグローバル人材を育成する会社「アル―株式会社」で人材コンサルタントとして働く予定でしたので、顧客のニーズを把握する練習をするにはピッタリでした。それでも人の成長に関心があったため、Shout!の創設者との二度目の面接で教育をテーマに扱いたいとの意向を伝えたところ、プロジェクトを持たせてくれることになったため、Shout!でインターンシップをすることを決めました。

 出発前には英語での電話対応に不安がありましたが、TWC申請時にもお世話になった国際観光学部のロブソン先生にミニ講座を開いてもらい、スムーズな受け答えや素早くわかりやすいメモを残せるように何度も練習し、少しでも不安を無くしてから出発しました。

充実しているワシントンセンタープログラム


就労経験ができるプログラムは様々ありますが、TWCの特徴は、将来、自分がどこの地域・環境で、どのような分野で社会に貢献していきたいかを見極め、それを実現させていく方法を身につけていけることにあると思います。専門分野も出身国も年齢もばらばらな参加者(学部生・院生・社会人)約300人と寮で生活を共にし、各国の文化や政治状況、将来について議論しながら切磋琢磨していける環境も魅力の一つです。

 TWCはインターンシップを提供するのみならず、その経験を実社会に活かすために導き、キャリア形成をスムーズにするためのプログラムが組まれています。主なプログラムは以下の4つです。1つ目は自分の関心のある職に従事している正規社員と同じ環境での就業経験を持てること(インターンシップ)、2つ目は関心事について、より多くの知識を得て、より深い知恵を構築できるような授業が受けられること(アカデミック・セミナー)、3つ目はワシントンDCの中心地周辺にある国際機関やNPO団体、大使館を訪問し、職場の雰囲気を肌で感じたり、業務の模擬体験ができること(プロフェッショナル・トラック)、4つ目は自身の強みや嗜好を見つめ直し、一人の労働者として受け入れてもらえる範囲を広げていく準備や練習ができること(LEAD)です。

<TWCプログラムの内容> 

一週間のスケジュール

月曜日から木曜日までの9時から17時まではインターンシップ先で働きます。曜日は授業により異なりますが、週に一度、就労後の18時半から21時半までアカデミック・セミナーがあります。金曜日はプロフェッショナル・トラックまたはLEADクラスがあります。

 その他にも、火曜日には課外授業で社会正義について考えたり、別の日には一日限定の講座やイベントに参加して移民や教育、経営について学んだりしました。日曜日にはサルサダンスの課外授業も取っていました。主に平日は就労と学業、休日は観光やショッピングを楽しむなど、メリハリのある生活を送るよう心掛けていました。

<TWCプログラムの私の選択例>

1.インターンシップ:メディア会社「Shout!」
2.アカデミック・セミナー:From Ideas to Action: The Anatomy of Entrepreneurship(アイデアから行動へ:起業のための分析)
3.プロフェッショナル・トラック:International Affairs(国際学関係)

インターンシップについて~Shout!と1776~

私のインターンシップ先はShout!というメディアの会社でした。比較的新しいビジネスで、スタートアップという急成長して市場開拓する時期にあり、従業員も創設者とインターン2名の計3名と小規模でした。創設者がシリアの難民キャンプを訪れた際、難民の生の声を伝えたい、と思ったことから始まりました。寮から電車で30分弱の場所にある職場は、ワシントンDC最大のインキュベーター(ベンチャー企業や起業家を支援する組織)で投資会社の1776が提供する共有スペースにあり、様々な業界の起業家が同じフロアにたくさんいました。1776は全米で500以上の会社を支援しており、その一つが私のインターンシップ先のShout!です。

就業後には起業家たちが集まり、どうしたらそれぞれの会社がより生産性を上げることができるのかについて考えるグループがあったり、人脈を構築するイベントが度々開かれたりしていました。また、1776は起業したばかりの人々も支援しており、経営や営業の教育を提供したり、ピッチコンペティション(事業のプレゼンテーション大会)を開いたりしています。

ピッチコンペティションは新しいビジネスを始める人にとって、自社の特徴や製品を多くの人に知ってもらう絶好の機会であり、アイデア大会のようなものです。ここで優勝すると賞金がもらえ、自社をより改善するための資金にできます。また、観客としてきている投資家や様々な職の人と出会うことができ、そこでともに働いていくパートナーを見つける人もいます。このように、目の前でだれかのアイデアが実現に近づいていく様子を間近で見ていて、働くということは作業の連続ではありますが、自ら創造して誰かに貢献していくものなのだと思うようになりました。

Shout!にはFacebook上に約20,000人のフォロワーがいますが、始めたばかりの会社に重要なのは、真の顧客を1,000人作ることだというセオリーから、初めの一カ月は顧客情報収集とその分析をしました。ニーズ把握のための顧客のデータ分析には、エクセルの技術やFacebook分析機能の操作が求められました。元々基本的な操作技術は習得して渡航しましたが、わからないことはインターネットで検索して試行錯誤したり、他の会社で働く年代の近い人にやり方を尋ねて教わったり、よりよい分析方法を相談したりしていました。Shout!内だけでなく、他の会社の人との関わりが多く持てることが1776という共有スペースに職場があることの利点であったと思います。

 Shout!はメディアの会社でしたから、ワシントンDCでの政治の状況や話題になっていることへの教養があまりなかったことに対して不安に思っていましたが、「The Skimm」という媒体を使いニュースを読む習慣をつけていました。毎朝ニュースが届きとても便利でしたので、寮から職場までの通勤時間に電車内でニュースを流し読みするということを日課とし、ニュースの内容はもとより、表現も気にするようにしていました。

 2か月目以降に記事の制作が始まりました。1つの記事を完成させるための業務内容は主に6つあります。投稿の日程計画、テーマの選択、インターネットやインタビューでのテーマに関する情報収集、インタビューの依頼や日程調整のメールのやりとり、インタビューで撮影した動画の編集、記事の投稿とSNS(FacebookやTwitter、Instagram)での発信です。また、1か月目に作成した分析データを利用して、出来上がった記事のテーマと関心事が似ている顧客に直接配信し、意見をうかがう、などといったことを行いました。

記事制作の際に最も大切にしていたのは「KISSの法則(Keep It Short and Simple)」です。これは「簡潔さが伝わりやすさの秘訣」といった意味ですが、作成側のチームとのコミュニケーションでも大いに役に立ちました。多忙な人々へいかに簡潔なメールで返信をもらうか、魅力的なタイトルを作るかなどインターネットで検索して試してみることもありましたが、仕事の相手先に送るメールは上司に添削してもらっていました。 

 企画、制作、広報活動と、なにからなにまで経験できたことがスタートアップで働くことへの期待だったため、初めは新しく覚えること、できないことが多くありましたが、記事が出来上がる過程を初めから最後まで主体的に取り組むことでき、1つのプロジェクトが終わる度に大きなやりがいを感じました。

フランス人の上司とメキシコ人の同僚

ワシントンDC出身の人に出会う方が珍しいほど、DCには世界から様々な人が集まっています。私のインターンシップ先も例外ではなく、上司はフランス訛りで早口の英語を話す(スペイン語、ノルウェー語など5カ国語が話せる)フランス人で、同僚はたまにスペイン語が混ざった英語を話すメキシコ人でした。

私の上司はShout!の創設者ですが、世界銀行で記者・経営コンサルタントとしても働いており、何事も端的に、効率よく行うことを好みました。一方、「記者は人脈が命」ということを教えてくれた同僚は、母国メキシコでは写真家兼報道記者として働いており、ミーティングでも時間をかけて詳しく質問をし、丁寧に物事をこなす人で、二人はコミュニケーションの取り方に違いがありました。 

 記事制作にはチームワークが欠かせないため、言語の壁がある中でスムーズなコミュニケーションを取ることカギで、同僚から「実は上司の英語が半分くらいしかわからない。」と打ち明けられた時にも「KISSの法則」が役に立ちました。上司は「インターン生も一労働者」と捉え、ミーティングや記事制作では意見や提案を柔軟に取り入れてくれたり、プロジェクトを持たせてくれたりしました。こうした中での私の役割は、記事制作において指揮を取ってテーマを設定し、インタビュー内容や記事の構造を考えることでした。ここでは、顧客目線であることはもちろん、一緒に仕事をする仲間の考えも重要なため、記事投稿の最終決定を下す上司がどのような記事を顧客に提供したいのかを考えたり、同僚がどのようなテーマで記事を書いたりしたいかを直接、伝わりやすい言葉で確認しながら仕事を進めました。 

Shout!の広報活動としてFacebookのMessenger機能を利用していましたが、一日に約60社に対しホームページや記事のリンク付きのメッセージを送り、Facebookにスパムと思われて使用できなくなってしまったこともありました。また、オンライン記事の作成ソフトが重く、ダウンロードに大幅な時間がかかるなどデジタルの時代ならではの様々な問題が発生しました。

 使用していたソフト開発会社に追加してほしい機能を提案として伝えることで、より使いやすい状態に改善していただけたり、取材時に日程変更が起こるという、急を要する対応が求められたりすることもありました。目的は何かに着目し、シンプルに捉えることでその時にするべき仕事が見え、柔軟に対処できるようになるのだと思います。

 Shout!で難民問題に対する国や団体の支援状況を知ったり、記者としてどのように伝えるかを考えたりしたことで、人との接し方について思いをめぐらせることが多くありました。Shout!を支えている1776で働く他の会社の方々とランチの時間や休日に交流を深められたこともインターンシップの思い出の一つです。普段私は家からお弁当を持っていっていましたが、ほとんどの起業家は昼食の時間を決めておらず、手が空いた時に簡単なものを口にするという様子でした。水曜日だけは特別で無料の昼食が提供され、毎回座席を変えて様々な人と話をし、起業を始めたきっかけや経験についてうかがうことができました。 

水曜日のランチをきっかけにして出会った韓国人女性のハンナは母国にいたときから起業を成功させ、中国人起業家の夫とともにDCでビジネスをしています。彼女は度々ランチや祝日に私を誘ってくれたので、私もTWCの韓国人学生を連れて、交流の輪を広げました。 

また、教育をテーマにした記事制作をしているときに出会ったエジプト人起業家のマルワは、子どもの学びへのモチベーションを上げるために試行錯誤しており、教育に対する情熱や問題意識に強く共感しました。また、彼女と心理学や教育学について話を進めている内に、将来大学院で心理学を学び、教育関係のビジネスを始めたいという思いが強まりました。 

アカデミック・セミナーについて

週1回、インターン後の夜間授業では、起業をするために必要なことを学びました。起業家・実業家でありニューヨークタイムスやワシントンポストでも特集されたことのあるJohnetta先生から指導を受けました。履修学生はアメリカ、中国、ベトナム、インド、パナマ、プエルトリコから来た学生で全員合わせて18名で、学部生や院生、すでに自分のビジネスを持っている学生もいました。ビジネスの分野もスポーツ医療やIT、教育、化粧品、環境など、様々でした。講義とプレゼンテーション、ゲストスピーカーを招いての講演会の他、クラス全体でピッチコンペティションを企画し、運営することも現実社会と関わりの強い学びの一つとして行われました。 

授業課題について

 授業でJohnetta先生は毎回私たちに、「今週あなたたちが一番いらいらしたことは何でしたか」と質問をされたのですが、身近にある問題とその現状をなんとか変えたい、という強い思いこそが人を行動に移させる源になるのだとおっしゃっていたことが印象的でした。先にも述べたように、ピッチコンペティションを企画し、運営することがクラスの課題の一つで、最終課題としても社会をよりよくする事業計画の作成があり、アイデアをより具体的で実践的な形にしていく取り組みがありました。

事業テーマは自由なので、私は日本の待機児童の社会問題を取り上げたところ、アメリカ人2名、中国人1名の計3名がピッチコンペティションの仲間として加ってくれました。隠れ児童や認定こども園など特殊な用語や定義があり、日本での現状をグループメイトに説明するのが一番難しかったのですが、議論に必要なデータはなにかを考え、複雑に見えていたものをシンプルに伝えることで、より議論を進めやすくなり、アイデアもたくさん出し合うことができました。 

 クラスメイトの中にはすでに起業家として活躍している学生や、将来起業をすることを視野に入れている学生がほとんどでした。私たちはそれぞれの母国での社会問題について真剣に解決していきたいと考えており、そうした問題意識を持った友人たちとともに実際の起業家から話をうかがったり、ケーススタディーしたりしたことで私自身の社会に対する問題意識も高まった気がしています。先生の言う通り、自らの問題改善が目的であったり、自身が問題に居合わせた経験をしていたりする起業家は、より切実で、より具体的に、より高い意識を持って自身のビジネスに取り組んでいくことができるのだと感じます。 

プロフェッショナル・トラックについて

 このプログラムは、いわゆる会社見学のようなもので、どのような職場や業務があるのか、実際に訪問し話を聞きに行くことができます。TWC生それぞれの関心に応じた機関を訪問することができます。私は国際問題に関心があったため、DCの政治機関に講演を聴きに行ったり、フィンランド大使館を訪問しました。中でも印象的だったのは米国外交センター訪問で、実践的な模擬外交を経験したことです。テーマは「国際移住危機:人権と国境の安全保障」で、実際に参加学生が、国際機関や国、NPO団体の一員としての役割を持ち、外交シミュレーションをしました。反対意見を持つ団体にどのような解決策を提案するか、交渉技術が試されました。この経験から、国同士だけでなく、家族や友人間などの日常生活にもコミュニケーションはどこでもあり、お互いが心地よく住めるように本音で話をすることがどれだけ重要かを実感しました。

LEADについて

 プロフェッショナル・トラックが働く場所を知ることが目的だったことに対し、LEADクラスは自分自身がどのような環境でどのように社会に貢献していきたいのかを見つめ直す時間でした。初対面の人にどのように自己紹介するか、インターン先で上司や同僚とのジェネレーションギャップから発生する問題など、インターンシップの経験をもとにしたものや、これからのキャリア形成に向けて考えを共有し合いました。TWC生はそれぞれの会社で様々な経験をしているので、ここでの時間はとても興味深いものでした。自己紹介はTWC生や職場などDCに来てから日常的に行っていたことでした。相手の関心事によって、私自身のことでも話す内容は変わるので、最も大切なのは自分自身が何に関心があり、どう扱いたいのかを明確にしていくことであると考えるようになりました。

暮らしの様子

 ワシントンDCの中心地から近く、職場までは徒歩と電車で約30分のアクセスのよい寮で暮らしていました。寮にはTWCのプログラムに参加している学生が住み、私のルームメイトはアメリカ・ペンシルベニア州、プエルトリコ、メキシコからの女の子でした。部屋にはキッチンがあり、平日は主に自炊、休日はルームメイトや友人と料理をしたり外食をしたりしました。ルームメイトとの距離はとても近く、部屋だけでなく食べ物も共有し一緒に映画を観たり、お互いの国の料理を振る舞い合ったりしました。TWC生は様々な人がいるので、食事の席でも3、4ヶ国語が飛び交うというのは日常的に起こり、話の内容も豊富でした。 

 TWC内でも外部でも、毎日イベントが行われており、教育系、起業家、記者向けのカンファレンスや交流会に参加しました。また、休日には無料の国立美術館やスミソニアン博物館群(航空宇宙、アメリカ歴史、ホロコーストなど)へ行き、観光も楽しみました。 

プログラムを終えて

インターンシップや授業でたくさんの起業家の在り方を間近で見てきたことで、「人の成長」をテーマに私が携わっていく一つの方法として起業の道も視野に入れるようになりました。まだまだ教育分野の現状を把握し、知識と知恵を深めていく時期であると感じるため、卒業後は就職先で教育分野にある課題を解決できるように成長していきたいと思っています。 

ワシントンDCでの生活は日々選択の連続で、今までの大学生活で感じていた”Time is money”(時は金なり)ということわざを強く実感することとなりました。私にとって初めての長期留学であったアメリカ・ケンタッキー州での生活で、人生最も重要なのは“Be in the moment”(その瞬間に在ること)であるのではないかという気づきから、帰国後東洋大学の国際会館で共に暮らすRA(レジデントアシスタント)として交換留学生をサポートする立場となり、その言葉を念頭に彼らの生活に寄り添いました。ワシントンDCでは様々な立場の人々に出会い、様々な学びの機会を与えられ、私が何に時間を費やすべきかを軸に生活をしていました。DCという地の利を活かしてカンファレンスやイベントに参加するのか、様々な国の学生と議論を深める時間にするのか、友人とリラックスした時間を過ごすのか、様々な選択肢がありました。「なぜ私はここにいて、どう在りたいのか」を考え、一つひとつ決断し続けた日々でしたが、それは帰国後の生活でも変わりのないことです。限りある人生でどれだけ人のために在ることができるか。これからもその量や質を少しずつ増やしていけるように時を過ごしていきたいと思います。これまで出会ったみなさん、支えてくださったみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。 

<在学中の活動> 

Tolo Global Leader(TGL)プログラムの取り組み>

 入学時より長期留学を視野に入れ、語学力向上のために英語の講座や英語開講の通常授業を受講して英語に触れる機会を増やすようにしていました。特に交換留学の応募条件であったTOEFL試験に向けてLEAPや課外講座を受講し、点数を伸ばしたり英語での授業に慣れる準備を行いました。

 TGLの認定条件には交換留学や海外インターンシップ、キャンプなど「体験からの学び」を推進してくれる様々なプログラムがあります。思い立ったらすぐに挑戦してみる性格の私にとって、実際に現場で活動できるプログラムが充実していたことは大学生活の中で自分がしたいことを実現するための魅力的なものでした。経験より得た新たな要素から一層深く考え、また行動してみるというサイクルを回すことにつながりました。 

ワシントンセンターでのプログラムで出会った起業家たちが共通して行っていたことですが、最新情報にアンテナを張り巡らすこと、小さなことでも周りからヒントを得ることは、学生生活を通して非常に重要だと感じていることの一つです。 

初めての長期留学であった交換留学・インターンシップで積極的に人へ働きかけることの大切さに気づきました。帰国後は受講者の過半数が留学生である国際政治の授業を受け、TWCプログラムへの準備をしました。留学したケンタッキー州やカリフォルニア州とは別の州や他の国の出身留学生と話をすることは、より広い視野で物事を見つめるきっかけになりました。 

 また、渡航前に元世界銀行首相のゼーリック氏を迎えたセッションで世界の政治や経済、外交などのお話しをうかがい、より世界情勢への関心と意識が高まりました。TWCの授業やインターンシップと並行して起業家についての卒業論文を執筆し、これから進みたい道がはっきりとしました。 

「海外販売戦略」がテーマであったTGL キャンプでは国々の文化や習慣に最も気を配りました。日本には便利なグッズがたくさんありますが、中でもより多くの人に使ってもらえる一般向けの日用品に目をつけました。販売候補に挙がっていた入浴剤はそもそも浴室のある家庭が一般的でない国が多く、あったとしてもホテルや高級志向のため価格帯が見合わないとして、最終的にカイロをカナダのアイスホッケー会場で販売するという戦略を取りました。キャンプでは5~6時間という短い時間の中でテーマ設定から商品・消費者のニーズ調査、また発表までを行うため、時間配分や業界調査の練習ができる内容の濃い時間であったと感じます。

 卒業後の進路としても、異なる文化背景を持つ世界の人々が仕事において円滑なコミュニケーションを取り、活躍していけるよう、まずはグローバル人材を育成するコンサルタントとして日本の企業の方々に貢献できるよう努めて参ります。これからも周囲から学び・尊重し、自ら行動する姿勢を保ちながら様々な方と接していきたいと思います。

                       (2018年 2月取材) 

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