氏名:金子 栞 さん(国際地域学科 国際地域専攻)
留学形態:交換留学
留学先:ダブリンシティ大学(アイルランド)
留学期間:2021年9月~2022年5月
氏名:金子 栞 さん(国際地域学科 国際地域専攻)
留学形態:交換留学
留学先:ダブリンシティ大学(アイルランド)
留学期間:2021年9月~2022年5月
コロナによる留学延期
私はもともと2020年秋学期から留学の予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で留学が一度延期になりました。2021年春学期からの留学の話もありましたが、最終的に1年延期が決まり、2021年秋学期から1年間の留学となりました。今年秋学期への延期が決まった後もコロナの状況次第とのことで渡航許可を待つ状態でした。去年味わった留学延期の悔しさから、今年の留学に過度な期待はしないようにしていました。春学期の授業を受けながら、このまま本当に行けるのだろうかという不安を抱えていましたが、夏になり状況が好転し、留学が決定となったことが当時の私は信じられず、あたふたしたことを覚えています。心の中でつねに中止の可能性を考えるようにしていた分、嬉しい反面、渡航することに対する不安が大きかったです。しかし、こうして今無事に留学先で大学に通えていることが何より幸せで、東洋大学の関係者のみなさんに感謝しています。
コロナ渦での渡航
渡航1ヶ月半前に渡航許可がおり、急ぎ手続きを進めました。アイルランドは入国前に取得する学生ビザなどはないため、現地で外国人登録をする際の書類のみ揃えるといった準備で通常の留学の準備(自分の英語スキルアップのための勉強や荷物の準備など)に加え、渡航するにあたりコロナ関係でやらなければならないことがたくさんありました。まず、行ったこととしては早期のワクチン接種、ワクチンパスポートの申請、PCR検査と陰性証明書の予約、乗り継ぎで入国する国や渡航先の入国制限に伴う必要書類を揃えることでした。特に入国制限については情報が日々更新されるので、よく調べるように心掛けていました。飛行機に搭乗する際や、乗り継ぎのみであっても入国する際に必要なpassenger formなど、手続きの確認は重要でした。しかし、各空港で提示するはずだった書類も確認されずに終わってしまうなど、実際は予想外なところもありましたが、無事にロンドンのヒースロー空港で乗り継ぎ、アイルランドへの入国を終えた時は、本当にほっとしました。
コロナ渦のアイルランド
私が渡航した2021年9月のアイルランドは感染者数がそれほど多くはなかったのですが、日本にいる時から感染対策を徹底していましたし、つねに危機感をもって行動していたので、アイルランドについてからもそれなりに緊張感を持って過ごしていました。しかし、屋外ではほとんどの人がマスクをつけておらず、コロナ前と変わらない様子に到着当初は驚きました。しかし、飲食店でイートインする際にはワクチンパスポートの提示を求められたり、屋内ではマスクの着用が徹底されており、出歩く際には必ずワクチン証明書を持ち歩いています。大学は原則対面授業で行われ、クラスの人数制限を設けての授業が行われています。教室では学生はマスクを着用していますが、前に立つ教授は基本的にマスクを外しての授業でした。しかし、生徒との距離が保たれるよう床には目印がつけてあり、そこを出る際にはマスクをつけるという決まりになっています。初めは慣れなかったこの生活もだんだんと慣れ、自分では手洗いうがい、体温を測るなど体調管理に気をつけて生活をしています。ここ最近はまた感染者数が増え、図書館や学食などの規制が厳しくなり始めたと感じています。感染状況や季節に応じて国の対応が変わりそうなので、適宜確認を怠らないようにしていきたいと思います。
ダブリン市内・屋外ではマスクをつけていない様子(2021年9月)
対面で授業が行われるキャンパス内
友人とハイキングに行った際
授業
現在はちょうど1学期が終了したところで課題・試験期間中なのですが、1学期には5つの授業を履修しました。
English for Academic Purposes(アカデミックエッセイの書き方について)
Intercultural Communication(各文化圏の違いについて)
International Children’s literature(児童文学について)
Issues in Multiculturalism(多文化主義について)
Ireland, Sex and Text(アイルランドの性について)
基本的には東洋大学の所属学部の分野の授業を履修しましたが、英語のスキルアップのための授業や、個人的に興味のある授業も履修しました。単位数は1授業5単位で、最大30creditだったところ私は25credit分履修をしました。その理由としては学校生活以外に、他の時間も楽しみたいと思ったからです。私がとった授業は全て1時間授業で週に2コマずつありました。留学生の履修者がメインになっているものもあれば、現地の学生と一緒に受けた授業もありました。印象に残っているのはIreland, Sex and Textという授業です。アイルランドの性の歴史や現在の活動に至るまで幅広いトピックを扱った授業だったのですが、特に印象的だったのはクラス全体の雰囲気です。日本で受けたジェンダーの授業とは違い、かなり明るくユーモアある形で講義が進みました。ゲストスピーカーの方の講義で、トランスジェンダーの方に使われる名称(あだな)をあげてみるワークにおいて、これは言って良いのかと思うネガティブな内容も、講師と生徒どちらもが明るくオープンに対話している姿を見て衝撃を受けました。その他の授業も生徒と講師のディスカッションがメインで進むことが多く、様々な文化圏の学生の意見に刺激を受ける毎日でした。
英語力
現在ちょうど渡航して3ヶ月を迎える時期ですが、日常会話での問題はほぼ無くなったと思っています。まだ講義やグループワークでは英語力の不足を感じることはありますが、少なくとも英語でのコミュニケーションには慣れました。最初の数週間は英語でなんと言って良いかというよりも、そもそも何を話せばよいのかが全くわからないという苦しい時間を過ごしました。それでも自分で英語を喋る機会を作り、だんだん英語に“慣れて”いくことに成功しました。その次の壁は、英語に慣れたからこそ喋りたい話題が増え、どのように表現するかわからない、英語が口から出てこないという状況でした。対策としては周りの子たちが話している言い回しをとことん真似して自分で使ってみることです。そのうちに周りから盗めるものも多くなり、表現の幅が広がりました。今はボキャブラリーの問題に直面しており、様々な話題を話すことで相手から学んだりその場で調べながら言葉集めをしています。英語力の課題には終わりがなく、試練続きですがその都度自分の成長をしっかり見つめることが大切だと思っています。英語がきれいに話せなくても周りの人はなんとなく汲み取ってくれるので、助かる時もあります。しかし、このことは同時に、自分でもっとうまくなりたいと思わなければあまり上達しないままだと気づいたので、向上心を持って生活をしています。
親友
私は幸運なことにシェアメイト(キッチンやラウンジを共有している学生)ととても仲良くなることができました。彼女とは同じプログラムの留学生同士で、ドイツ人の同い年です。他の友人たちも羨ましがるほど気が合い、ほぼ毎日一緒に過ごしています。同じプログラムなので同じ授業も多く、朝から一緒に学校に通って、。放課後のクラブ活動にも一緒に参加し、夜はキッチンで料理をしてご飯を食べます。彼女はとても英語が流暢なので、彼女の英語から学んでいることが多いです。授業で私がわからなかった英語の部分を丁寧に教えてくれたりもします。英語の面だけでなく精神面でもいつも話を聞いてくれ、支えてくれる彼女は尊敬できる部分が多く、私の留学生活の中心的存在になっています。留学にきてから既にたくさんの人との出会いがありましたが、勉強面でも、精神面でも私の一番の支えになっているのは彼女だと思っており、素晴らしい出会いに感謝しています。
今後の抱負
私が留学の大きな目標として持っていることは、自分が将来、何をしたいかというそのイメージの“きっかけ”を作ることです。将来について明確に何か決まらなくても、自分の中にイメージが持てれば良いなと思っています。この漠然と大きな目標の中にはいくつか自分で定めた小さな目標があり、それをひとつひとつこなしていこうと考えています。今の段階では、自分の中で将来の可能性の幅が広がっていることを感じています。そのため、“きっかけ”を掴むことに苦戦しています。これまでの留学生活では、日本での自分の力(人とのコミュニケーションや授業への参加など)を発揮することに精一杯でした。しかし、留学にきたからにはさらにレベルアップをした自分になりたいので、これからも様々なことに挑戦して新しい価値観や考え方を身につけていきたいです。