2024年度は前年度に引き続き海外でShIP (Short Intensive Program) を実施し、マレーシアサインズ大学(マレーシア)、サンカルロス大学(フィリピン)、トンプソンリバーズ大学(カナダ)での5週間のプログラムに計67名が参加しました。以下、各コースの参加学生に現地で苦労したこと、実習を経て自分の中で成長したと思うこと、思い出エピソードを聞きました。(順次公開予定)
サンカルロス大学(USC)コース
1年 飯沼輝優
1. プログラムの中で最も力を入れたこと
私がプログラムで最も力を入れたことは、色々なことにチャレンジをしてみるということです。私は今回のShIPで初めてフィリピンに行きました。フィリピンは日本の文化とは違う点が多く、出発前からその文化に馴染めるかどうか不安でした。しかし、怖がってるだけでは何も変わらないと思い何事も挑戦してみました。現地の人に積極的に話しかけたり、バディと一緒に食事に行ったりする中で、少しずつ距離を縮めることができました。最初は戸惑いや不安もありましたが、自分から行動を起こすことで、多くの新しい発見や学びが得られました。この経験を通じて、知らないことに挑戦する勇気を持つことの大切さを実感しました。また、現地の人々との交流を通じて、異文化を理解するだけでなく、相手の考え方や背景を尊重することの重要性も学ぶことができました。このような挑戦の積み重ねが、自分自身の成長に大きくつながったと感じています。
2. 自分の中で成長した点
このプログラムを通じて、私は積極性が大きく成長したと感じています。元々、引っ込み思案な性格で、自分から他人に話しかけたり、グループ活動で意見を伝えたりするのが苦手でした。しかし、そんな自分を変えたいと思い、このプログラムでは積極的に行動することを心がけました。初めは言語の壁に苦労し、相手の話を理解できなかったり、自分の意見を英語でうまく伝えられなかったりする場面が多くありました。それでも、バディや先生方が私の拙い英語を真剣に聞いてくれたり、ゆっくり話してくれたりしたおかげで、次第に英語での会話に対する抵抗感が薄れていきました。その結果、英語でコミュニケーションを取ることが楽しいと感じられるようになり、自分から積極的にバディに話しかける機会も増えました。また、グループ活動においてもグループの発表をより良いものにしたいと思い、積極的に自分の意見をグループメンバーに伝えられるようになりました。この経験を通じて、言語だけでなく、自分から行動を起こす勇気を身につけることができたと実感しています。
3. 印象深いエピソード
このプログラムで最も印象深かったのは、バライサマリターノという施設を訪れたことです。この施設は、路上で生活する子どもやお年寄りがシャワーを浴びたり、日中を安全に過ごしたりできる場所です。私はそこで、お年寄りへのインタビューや子どもたちとの交流を通じて、多くのことを学びました。インタビューでは、相手の抱える悩みや背景に触れることができ、自分がイメージしていた貧困問題と現実との違いに驚かされました。一方で、子どもたちと一緒に遊んでいた際、彼らの明るさやエネルギッシュさに元気をもらい、彼らとの時間はとても貴重なものとなりました。また、この経験を通じて、貧困問題に対する私の考え方が大きく変わり、新たな視点を得ることができました。バライサマリターノでの体験は、私にとって忘れられない学びと気づきの機会となりました。実際に貧困問題が起きている現場に自ら赴くことで、よりその問題に対する理解を深めることが出来ました。社会の中で自分にできることを改めて考えさせられる、貴重な時間だったと思います。
トンプソンリバーズ大学(TRU)コース
1年 高須大地
1. プログラムの中で最も力を入れたこと
このプログラムを通じて私が最も力を入れたことは、英語力を伸ばしつつ、日本との違いや共通点を学び、異文化を楽しむことでした。初めての海外経験ということもあり、自分が見たことのない世界に非常にワクワクしていました。実際に現地の生活に溶け込んで異文化を体験することで、異なる視点から自国の文化を見ることができました。また積極的にコミュニケーションをとることで英語力も確実に伸びました。正直、このプログラムに参加する前は、たった5週間のうえ日本人が周りに多いのであまり英語力は上がらないのではないかと不安に思うこともありました。しかし、初めての海外で仲間がいてくれたことはとても心強かったし、同じ苦労を共に乗り越えた仲間だからこそとても仲良くなれたと思います。英語力が上がるかどうかは自分の心がけ次第です。カナダでの留学生活を楽しみながらも、英語を学びに来ていることを忘れず、自分を奮い立たすことができれば、5週間という短い時間でも必ず英語力は向上すると実感しました。
2.自分の中で成長した点
私がこのプログラムで成長したと感じている点は主に2つあります。1つ目はリスニング力です。初めの1週間は独特な発音の癖やスピードの速さで、“英語が英語に聞こえない”という状況でした。しかし、聞き返したり、わからないことをしっかり伝えたりすることで少しずつ会話が理解できるようになりました。またこれに伴い、しっかり自己主張をすることの大切さを実感しました。2つ目は精神面の自律です。カナダでは個人主義が根付いており、基本的に自分のことは自分でやるため、スケジュール管理や身の回りのことを自分でやる必要がありました。一大人として行動しなくてはいけない状況に置かれたことで自己管理力が定着しました。また、異国の地で直面した問題を自分で判断し解決した経験は、将来にわたって役立つと感じています。
3. 印象深いエピソード
最も思い出に残っているのはホストファミリーと過ごした時間です。夕食時には日本のことカナダのこと、食文化のこと、政治のことなど様々なトピックで盛り上がり、非常に濃密で有意義な時間を過ごせました。私以外にインドからの留学生がいたこと、ホストマザーがメキシコ人だったことから、日本、カナダ、インド、メキシコの4か国の異文化交流ができ、かけがえのない経験となりました。Thanksgiving Day (感謝祭)では祖父母の家に親戚が集まり、初めてターキー(七面鳥)を食べたことも思い出深いです。日本文化に興味を持ってくれて、簡単な日本語や箸の持ち方を教えることもありました。帰国前日にはお寿司を食べたり、ボーリングやカードゲームをしたりしました。本当に優しく温かく迎えていただき言葉では言い表せないほどの感動を味わいました。ホストファミリーとの出会いは私にとって人生の宝物になりました。
マレーシアサインズ大学(USM)コース
1年 佐々木藍里
1.プログラムで最も力を入れたこと
私はこのプログラムの中で向上心を持って学ぶ努力をしました。毎日現地学生のバディーズや教授、チューターの方々に自ら英語で話しかけることでよい関係を築くことを目指しました。語彙や表現の知識が足りず、自分が伝えたいことをうまく伝えられないことも多くありました。以前の私なら、そこで諦め翻訳ソフトに頼っていたと思います。しかし、今回は自身の言葉で伝える努力をしてからどのような表現が適切だったのか相手に尋ねることを繰り返し、新たな表現を学び、その表現を使って話すということにつなげていきました。英語で話す度に自身の英語力の向上を実感しました。またプログラムの参加者同士でも英語で会話することや、友人と使ってみたい英語の表現を決めて日々生活することでお互い向上心を持って学び続けることができました。このような学び方は同じ目標を持った仲間とプログラムに参加したからこそできたものだと思います。
2.自分の中で成長した点
自分の中で特に成長した点は2つあります。1つ目は異文化理解力です。マレーシアは様々な民族や宗教が入り混じる国です。このプログラムが初めての海外経験であった私にとって、この5週間はそれぞれの習慣やタブーについて考え、配慮し、実感する日々であり、互いの文化を否定することなく尊重しあう素晴らしさを体験する日々でした。異文化理解を進めるためには自身の文化について理解して伝える力と、他者の文化について知ろうとする傾聴力の両方が必要なのだと知る良い機会になりました。この知見は日本で想像しているだけでは得られなかったと思います。2つ目は自主的なコミュニケーションです。プログラムに参加する前もある程度社交的だったと思いますが、英語でとなると、仲良くなりたい、話したいと思った人に話かけることをためらい、機会を失うことが多くありました。しかしプログラム中のバディーズやチューターとの交流やPBLで行った現地調査での経験が自信となり自ら話しかけることでたくさんのことを知り多様な価値観に触れ多くの気づきを得ることができました。そして、英語で話すことへのためらいも少なくなりました。マレーシアで築いた関係性と経験は国際学部の学生としてグローバル化する社会で何者になるのかを学ぶ上で大きな糧になると思います。
3.印象深いエピソード
このプログラムを通して印象に残っているのは日々出会う人々とのコミュニケーションです。特にPBLでの経験が印象に残っています。私はPBLでSDGs目標11「住み続けられるまちづくりを」について調査する一環で公園の利用者を対象にアンケートを行いました。アンケートへの協力を求めるために話しかけようとすると、さっと私から逃げていった家族がいました。その時は大きなショックを受け、初対面の人に話かけることが怖くなりアンケートの進行にも不安を覚えました。一方で日本の学生だと伝えると心よくアンケートに答えてくれたり、知り合いにもアンケートを共有してくれたりする人もいました。「不審な外国人」「がんばっている日本人学生」など私がどのように相手に捉えられたかは様々だったと思います。しかしすぐさま客観的に自身をとらえこれらの印象を認識できていたら、私のアプローチの方法も変えることができたと思います。一見対照的な経験ですが、どちらも相手から自分はどのように捉えられているのかを考えることは、特に異文化者同士のコミュニケーションをとるときには重要だと気づくきっかけになりました。マレーシアでの5週間の経験、特に英語でのコミュニケーションや築くことができた今までになかった人々とのつながりは、今後の人生をより豊かにしてくれると確信しています。帰国直前には帰りたくなくなるほど充実した生活をおくることができたのは、共にプログラムに参加した仲間はもちろん、現地で出会ったバディーズやチューターの方々、USMの先生方のおかげだと思います。語学的な成長だけではなく、人間力の成長やそれ以上のことを多く学ぶことのできた貴重な5週間だったと思います。