2025年度春学期の子島ゼミ「震災復興と地域ブランドについて学ぶ」
2025年度春学期の子島ゼミ「震災復興と地域ブランドについて学ぶ」
春学期の子島ゼミ(国際地域専攻、ならびに地域総合専攻の1年生)では、東日本大震災の復興プロジェクトをテーマにプレゼンテーションや調理会を行いました。ソーシャル・キャピタルの視点からボランティア活動を学び、その活動が人々のつながりを作る重要な役割を担っていることを理解しました。
具体的には、次のような流れでゼミを進めていきました。
・新聞データベースで東日本大震災について検索し、広域災害であったことを確認。
・テキスト『いわき発ボランティア・ネットワーク』を読み、震災直後ならびに復興時のボランティア活動、特にオリーブ・プロジェクトについての理解を深める。
・オンライン参加の松崎康弘さん(オリーブ・プロジェクト)に、グループごとに考えたオリーブ商品のプレゼンテーション。
・終盤、アカデミー向丘(文京区の施設)で、オリーブ商品に加えて、いわき産の米、魚、野菜を使った調理会を実施。
地域ブランドの創出をテーマにしたグループワークでは、新たな商品アイデアを考案し、いわきで実際に復興プロジェクトを行なっている松崎康弘さんにオンラインで参加してもらい、プレゼンテーションをしました。
また、いわきの食材を使った調理会を通して地域ブランドの魅力を学びました。新鮮な食材を使った料理からは、いわきの豊かな食を五感で実感することができました。
以下、地域総合専攻のゼミ生2名の感想です。
春学期のゼミでは、東日本大震災と復興に向けた福島県いわき市での取り組みについて、子島先生の著書『いわき発ボランティア・ネットワーク』をもとに学びました。読むだけでも胸が痛く、心が重くなるような被災地の状況から、どのようにして新たな特産品が生まれたのかを、オリーブ・プロジェクトを通して知ることができました。授業では特産品を用いたオリジナル商品を自分で考え、プレゼンする授業が印象的で楽しかったです。
特産品であるオリーブを使った調理実習では、各班が協力し合い、楽しみながら料理を作りました。調味料にまでいわきのオリーブを活用するなど、「特産品祭り」のようで楽しい時間となりました(田中匠海)。
1年春学期の最初のゼミでは、福島県いわき市のオリーブ・プロジェクトを題材に、地域づくりについて学んだ。中でも印象的だったのは「内部性・外部性」の視点である。内部性とはその地域に住み、コミュニティに属している立場、外部性はそこに新たに参入する立場を指す。地域づくりには、どちらの視点も必要であることを学んだ。
学びの締めくくりとして、いわきのオリーブ商品を使った調理実習を行った。そのとき、「自分の作ったオリーブ料理は美味しい」と感じ、私の中に内部性が芽生えていることに気づき、驚きと喜びを覚えた。わずかながら自分も地域に関わり始めているという実感を得られた経験となった(峯崎真優)