子島ゼミ2年秋学期「いわき」活動報告
子島ゼミ2年秋学期「いわき」活動報告
2024年度秋学期の子島ゼミでは、東日本大震災当時の福島県の状況、さらにその後の復興についてボランティアのネットワーク形成を学びました。そして、春休み中の2月中旬、いわき市と双葉郡へ向かい、震災遺構やテキストに登場する方々を訪問しました。さらに、3月中旬にいわきの食材を使った調理イベントを実施しました。実際の訪問の際の記録と一緒に、その様子を今後社会に発信していきたいと考えています。
9月~1月 秋学期ゼミ(渡邊凜)
9月末に始まるゼミでは、『いわき発ボランティア・ネットワーク』をテキストに、東日本大震災当時の福島県の状況、さらにその後の復興についてボランティアのネットワーク形成を通して学びました。新聞データベースで当時の記事を検索したり、テキスト『いわき発~』を読みこみ、オリーブやコットンのプロジェクトにおいて、どのようにボランティアのネットワークが築かれていったかを理解していきました。
このように震災から復興へと向かう状況を把握した後、同書に登場する松崎康弘さんや藤原秋一さんへ、ゼミ生自身が質問・インタビューすることで、学びを深めていきました。
まず、10月30日、いわきでオリーブのプロジェクトを立ち上げた松崎さんにインタビューを行いました(オンライン)。それによって、震災前と震災後のボランティアの人数の変化や、どのような人が関わるようになっていったかについて、より具体的に理解することができました。
松崎さんから「さらに深く学ぶために、東京の中野でボランティアのリーダーを務めた藤原さんへインタビューしてはどうか?」と勧められました。1月16日の藤原さんへのインタビューでは、松崎さんとは違った視点からオリーブ・プロジェクトについてのお話を聞くことができました。
松崎さんへのインタビューの様子(オンライン)
2月16~18日 いわき・双葉郡訪問(矢野秀朝)
東日本大震災から13年が経ち、被災地のその後の変化をネットや新聞・テレビで見かけることは少なくなりました。今回、東洋大学社会貢献センターの「被災地のまちづくりを考え、発信するスタディツアー」に参加し、他学部の学生と一緒に合計16名で、いわき市と双葉郡を訪問しました。復興とその後の地域の活性化に取り組んできた多くの方々にお会いできましたが、特に印象に残ったのは、株式会社起点の酒井さんと金成さん、小名浜漁港でお会いした福島漁連のみなさん(福島県漁業協同組合連合会)、そしてオリーブ・プロジェクトの松崎さんです。
起点は、震災後に復興の一環として進められたオーガニックコットンのプロジェクトを引き継いでいます。製品には日本各地の職人の技を取り入れ、いわき産コットンの魅力を高めてきました。今回は、新たな地域拠点とする廃校になった小学校の清掃をお手伝いしました。
小名浜漁港では、まず最新の冷凍冷蔵工場を見学しました。5階建ての大きな建物で、中は清潔そのものでした。次に、仲買人がせりを行う場所に移動しました。そのすぐ横(ガラス越しに見える部屋)で、その日獲った魚を検査しており、消費者においしくて安心できる魚を届けたいという熱い想いを感じました。
オリーブ農園では、短い時間でしたが畑作業をお手伝いしました。これまでの松崎さんの大変な努力の積み重ねを、農作業を通して感じることができました。
今回の訪問を通して、津波で壊されたインフラが元に戻れば復興は終わりではなく、それ以降もさまざまな活動が継続していることを学びました。今回お会いした方々の活動を大勢の人に知ってもらいたいと強く思いました。
3月12日 いわきの食材で調理(角田実優)
福島裕さんの畑で採れたお米・野菜・魚、そして松崎さんから送ってもらったオリーブを使って料理をしました。会場は、文京区の施設であるアカデミー向丘です。2月にいわきを訪問した学生9名、夏休み中の「被災地のまちづくりを考え、発信するスタディツアー」でいわきを訪問した2名、そして元SONYボランティアの大瀧知子さんにもお手伝いいただき、以下の6品を調理しました。
・オリーブパスタ、トマト、メヒカリを使ったトマトパスタ
・カブの味噌汁
・海鮮パスタ
・玉ねぎとレタスの炒めご飯
・ホッケのおにぎり
ご飯は福島産のブランド米「ミルキークイーン」です。もちもちとした食感と甘みが印象的でした。どの料理も素材の味を活かした味付けで、とても美味しかったです。
いわきの野菜や魚を使って料理をすることで、福島を多角的に学ぶ機会となりました。このような経験を大切にし、発信していくことで、より多くの人が福島の農漁業に関心を持つきっかけを作っていきたいと思います。