2025年2月5日~17日に、都市難民に対する教育について学ぶため、国際地域学科2~3年生の計8名がマレーシア・クアラルンプールで国際地域学研修に参加しました。マレーシアは東南アジア最大の難民受け入れ国でありながら難民キャンプが存在せず、難民たちは都市で不法移民と同様の位置付けで暮らしています。
難民の子どもたちはマレーシアの公教育を受けることができないため、非正規の学習センターで学んでいます。私たちはこうした学習センター3校を訪れ、子どもたちとワークショップや学び合いを行い、グループごとにテーマを決めて教師や運営者への聞き取りや授業・活動の観察を行いました。
その他、現地の私立HELP大学ではバディ学生との交流や旧正月フェスティバルでの日本のダンス披露、英語での報告会を行い、JICA事務所では日本語での報告会を実施するとともにJICAの職員の方からマレーシアでの活動内容のお話を伺いました。また、マレーシア日本国際工科院(Malaysia Japan International Institute of Technology: MJIIT)を訪問し、日本人のJICA専門家や海外協力隊の方のお話をお伺いしたり、日本式工学教育を行う研究室を訪問し、日系企業との共同研究で作られた化学物質や材料等を見学することができました。
普段私たちがテレビやインターネットで耳にしている「難民」という言葉で呼ばれる方々に直接お会いし、実際の教育現場や生活環境を見て感じることが多々ありました。学習センターの環境はマレーシアの正規の学校と比べれば、決して整っているわけではありませんが、そこにある子どもたちの笑顔や元気さは確かに存在し、学習センター内に幸せとなって大きく満ち溢れていました。日本で生まれ育った私たちが持つ「貧しい、難民=不幸、かわいそう」といった偏見的なイメージや幸せの定義は、現地を訪れて実際に人々と時間を共にすることで変化し、幸せの多様性や価値観を深く学び、グローバルな視点で世界をとらえることの重要性を感じました。
(執筆者:国際学部国際地域学科3年 加藤雄大、金子聖子准教授)